レトロな列車旅2−夜汽車への誘い


【2012年6月更新】

トワイライトEX(長岡駅) トワイライトEX(札幌駅)
ミニロビー 食堂車 サロンカー ツイン個室
北斗星(上野駅) ツインDX個室
食堂車 ロビーカー

[再びトワイライトエクスプレス]
 数年ぶりに夜汽車で北海道へ旅しました。行きは、上越新幹線で長岡で乗り換え、長岡から札幌まで「トワイライトエクスプレス」の
B寝台個室「ツイン」に乗車しました。B寝台個室でありながら、高い天井、広い室内にソファー兼用の2段ベットが配置され、電源コンセントや浴衣・スリッパ・ラジオも装備され、快適な個室空間です。東京方面からトワイライトエクスプレスに乗る場合、長岡が最寄り停車駅になります。列車は、長岡、新津と停車した後、北海道の洞爺まで停車しません。(乗務員交代や機関車付け替えの停車を除く) 新津から先、羽越本線に入ると、列車は夜の日本海に沿って、北へゴトゴトとゆっくり走るようになり、ローカル夜汽車の雰囲気になっていきます。翌朝、予約制の食堂車で洋食の朝食をいただきました。
 北斗星と同じく国鉄時代の昔ながらの寝台客車を使用していながら、やや高級感もあり、昔ながらの夜汽車の旅を味わうには最適の列車と言えます。

[再び北斗星]
 帰りは、札幌から上野まで「北斗星」のA寝台個室「ツインデラックス」で帰りました。ビデオモニターが装備されている以外は、「トワイライトエクスプレス」のB寝台個室「ツイン」と殆ど変わらず、逆に電源コンセントがない等、今となっては貧弱な感じも否めませんが、昔ながらの夜汽車の旅を楽しみました。食堂車で夜食と朝食と2回食事を楽しみ、ゆっくりと16時間の旅を楽しみました。

 旧国鉄時代の車両の老朽化、JR分割民営化後の夜行列車への投資消極化等の中で、続々と夜行列車が廃止になっています。数年後にはカシオペアとサンライズエクスプレス以外は全て廃止になってしまうのでは・・と懸念されます。昔ながらの雰囲気を残す、トワイライトエクスプレスと北斗星の旅は、貴重な過去の思い出になってしまう可能性もあります。交通機関が単なる移動の手段ではなく旅の目的の1つであった古き良き時代の夜汽車の旅を今のうちに味わってみてはいかがでしょうか。


カシオペア

カシオペア

北斗星

トワイライトエクスプレス

 レトロな列車旅の第2回は、夜汽車の旅へご案内します。かつて飛行機や新幹線の少なかった時代には、長距離旅行の手段は、夜の間に移動できる夜汽車しかなく、昭和50年代位までは日本全国に数多くの夜行列車が走っていました。その後次第に本数が減少し、かって中心であった東京・関西−九州間の夜行列車が縮小し、現在の中心は昭和63年の青函トンネル開通以後に登場した北海道方面の列車になっています。
 夜行列車には、大きく3つのタイプがあると考えます。1番目は、個室寝台やA寝台、シャワー室、食堂車、ラウンジカー等を備え、長距離を走る看板豪華列車(本ページに紹介する各列車)、2番目は、比較的中距離で寝台を備えた列車、3番目は、短距離で寝台はなく座席のみの列車です。
3タイプそれぞれの楽しみ方がありますが、今回は、1番目のタイプ、JRを代表する豪華寝台列車の旅を紹介いたします。

[カシオペア]
 上野と札幌間1214kmを16時間30分かけて結ぶオール二階建ての寝台特急です。全てがA寝台個室という豪華な列車で、1999年に登場しました。それまでの夜行列車のブルートレイン(青い車体)のイメージを一新する銀色の列車として登場しました。一編成しかないため、下り上りとも週3回(もしくは1日おき)の運行です。客室は、トイレ・洗面台・BSTVが備わった「カシオペアツイン」、「カシオペアデラックス」、シャワー室もある最豪華版の「カシオペアスイート」の3タイプです。この列車が登場したばかりの夏に、往復ともカシオペアツインで北海道旅行しました。未だ乗務員の接客サービスもぎこちなさが残っていましたが、出発間もないウエルカムドリンクのサービス、夕食のルームサービス、シャワー室でのシャワー等、豪華列車のサービスを満喫しました。車窓風景は「都心の喧騒と夕刻通勤ラッシュの駅風景」という日常から脱出し、「夜の東北地方の森林と農村風景」で宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に思いを馳せ、心地よい眠りにつき、夢の中で「青函トンネル」を通り抜け、「朝の大沼公園と駒ケ岳」で目覚め、北海道の牧歌的風景を味わいながら、終点札幌駅に滑り込むといった感じです。飛行機の点と点の旅とは違い、列車の線の旅は非常に味わいがあります。オールA寝台個室ですので、飛行機より料金は割高で、時間もかかりますが、移動そのものを旅の重要な一部分としてじっくり楽しむことが、旅を一層心豊かなものにしてくれるような気がします。

[北斗星]  
 カシオペアと同じく、上野−札幌間を結ぶ寝台特急で、青函トンネル開通の1988年に登場しました。以前は毎日3往復運行されていましたが、カシオペアの登場により現在は1日2往復です(観光シーズンには臨時列車あり)。こちらは、「ロイヤル(A寝台1人個室)」、「ツインデラックス(A寝台2人個室)」、「ソロ(B寝台1人個室)」、「デュエット(B寝台2人個室)」、「コンパート(B寝台4人個室)」「B寝台」とバラエティに富んでおり、1人客でも気軽に利用できます。これまで「ツインデラックス」を4回、「ソロ」を2回、「デュエット」を1回、計7回ほど利用しました。北海道出張の帰りにも利用してそのまま朝出社したこともあります。カシオペアの新しい車両・設備に比べるとやや古めかしく、くたびれた感じはありますが、そこが却って(国鉄時代の)レトロな汽車旅を彷彿させるところであり、昔ながらの夜汽車の雰囲気を味わうには最適です。

[トワイライトエクスプレス]

 大阪と札幌間1495kmを21〜22時間かけて結ぶ、走行距離が日本最長の寝台特急であり、青函トンネル開通の翌年1989年に運行開始しました。従来のブルートレインと同じ車両でありながら、ダークグリーンというオリジナルな塗装が、独特の雰囲気を醸し出しています。週4日の運行で、「スイート(A寝台2人個室)」「ロイヤル(A寝台1人個室)、「ツイン(B寝台2人個室)」、「シングルツイン(B寝台1人個室)」、「コンパート(B寝台4人個室)」、「B寝台」とバラエティに富んだ編成です。首都圏に在住していると、なかなか乗る機会がないのですが、転勤で長野市在住していた2001年に北海道旅行した際、札幌から直江津まで「ツイン」に乗車しました。札幌を14時すぎに出て、直江津に朝6時台到着(終点大阪は12時過ぎ到着)のタイムテーブルです。車両の雰囲気は、基本的に「北斗星」と同じで少し古めかしさはありますが、全体的に高級感があり、特別な列車というイメージがあります。

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