レトロな列車旅7−神岡鉄道

奥飛騨温泉口駅にて 奥飛騨温泉口
駅前の機関車
猪谷駅にて 神岡鉄道車内 各駅に祀られた
七福神

 平湯温泉へ宿泊の帰りに、岐阜県飛騨市の神岡に初めて立ち寄りました。神岡鉄道という第三セクター鉄道が2006年11月末で廃止になるというニュースを聞き、一度訪ねてみたいと思ったからです。
 平湯温泉から車で約40分、国道471号線から少し入った山の麓に、神岡鉄道の本社がある、終点駅の奥飛騨温泉口駅があります。駅前には青色のディーゼル機関車が展示され、周りには広い駐車場があります。終点駅とは言え、駅は無人駅でホームが一面だけのひっそりとした駅です。山小屋風の駅舎の中には、往年の神岡鉄道(および旧国鉄神岡線)の写真がパネル展示されています。神岡鉄道は、昭和41年10月に旧国鉄神岡線として開業し、昭和59年10月に第三セクター鉄道となりました。神岡鉱山からの濃硫酸輸送を主目的とし、また冬場に雪で国道41号線が閉鎖された際の代替輸送ルートとしても重視されていました。しかしながら、貨物輸送が自動車へ切り替えられたことから、廃止が決定しました。
 奥飛騨温泉口からJR高山線の猪谷駅までの約19kmをワンマンのディーゼルカーが約30分で運行しています。奥飛騨温泉口を10時45分の猪谷駅列車に乗り、そのまま猪谷駅を11時26分発の折り返し列車で一往復してみました。BOX型の4人座席等に国鉄時代の雰囲気が残るワンマンカーには、いろりが2つとトイレが付いています。奥飛騨温泉口から神岡大橋、飛騨神岡、神岡鉱山までの3駅間は、神岡の町並みを見下ろしながら走りますが、そこから猪谷までは完全な山岳路線で、深い山間の川沿いを縫うように走り、大半がトンネルとなっています。ゴトゴト走る列車から見る山間の風景は、山国日本の原風景とも思われるような、何となく懐かしい風景です。鉄道のトンネルにも並行する国道のトンネルにも防雪シェルターがある箇所があり、冬の雪深さが想像されます。終点猪谷駅では、高山線のホームと一本になっており、冨山からの列車が到着すると、神岡鉄道へ乗り換えるお客さんが少なからずいました。そのまま折り返し列車で奥飛騨温泉口へ戻り、神岡鉄道の一往復約1時間の列車旅を楽しみました。

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