底倉温泉


[2019年6月更新]
 歴史ある底倉温泉を久しぶりに訪ねました。底倉温泉は、箱根七湯の1つに数えられた歴史ある温泉であり、明治時代には複数の老舗旅館があり、政治家、文豪等著名人が訪れたそうですが、今では旅館は1軒限りと言われています。

【ての湯】

   ての湯

 宮ノ下から仙石原方面へ向かう道路沿い、宮ノ下に近い場所ての湯はあります。車で向かうと、かなり手前から、建物と看板が見えますので、とても分かりやすい場所です。駐車場からエレベーターで1つ上がった階に受付があり、同じフロアにお風呂、食事処、マッサージコーナーがあります。

 源泉かけ流しの心地よい柔らかいお湯は、体にやさしくよく温まります。お風呂は、内湯は泡風呂と檜風呂があります。浴室や湯舟は昔ながらの雰囲気があり、風情を感じます。露天風呂は広く、山々の自然を感じる高台(内湯も含めて全体が高台)にあります。一番上と左奥に2か所の岩風呂(一番上の1か所は屋根付き)、一番上の岩風呂の下にある石風呂、2つの寝湯と、2つの檜の樽湯があります。

 館内には食事処、マッサージコーナー、休憩室等もあります。箱根湯本から宮ノ下までの国道は週末混雑しますが、宮ノ下の奥、目立たないエリアにあることもあり、静かな雰囲気に包まれています。休日ということでやや混雑はしていましたが、穴場スポットとして、箱根七湯の良質のお湯を静かに味わえる温泉です。


 箱根七湯の1つとして、江戸時代から栄えた歴史ある底倉温泉にある、「そこくらの湯・つたや」を日帰り入浴で訪れました。江戸時代創業の「そこくらの湯・つたや」は、近年、日帰り入浴主体の温泉施設に生まれ変わり、手軽に日帰りで伝統のお湯を楽しめるようになっています。また、1泊朝食付きの手軽な料金で宿泊も受け付けています。
 箱根登山鉄道の宮ノ下駅から歩くこと約10分、富士屋ホテルの前を過ぎ、国道1号線から仙石原方面へ分岐する国道138号から太閤滝、太閤石風呂(豊臣秀吉が小田原城攻めの兵士をねぎらうために造ったと言われる)へ向かう蛇骨渓谷沿いの遊歩道に面した山間に「そこくらの湯・つたや」はあります。控えめな看板を目にして、階段を上がったところにひっそりとした玄関があります。フロントで手続きを済ませ、地下1階へ下りると、通路を挟んで両側に野天風呂と内湯が男女各々1つづつあります。内湯は太閤の湯という名がついており、広くて明るい浴室です。湯舟や床に全面伊豆青石が敷かれているようです。蛇骨渓谷側は全面ガラス戸になっており、浴室から美しい山々が望めます。野天風呂は、木造の屋根の下に、岩の湯舟があり、やはり美しい山々を望め、開放感があります。いずれもお湯は透明マイルドでほのかな香りがあり、体にやさしい感じです。館内には、やはり山々を望めるラウンジと座敷の休憩室があります。また、廊下には江戸時代の箱根七湯を描いた絵や資料が掲示されています。
 底倉温泉の辺りは、宮ノ下の温泉街/国道から少し入っただけの場所ですが、静寂に包まれた自然空間が広がっており、時が止まったような感じになります。穴場・隠れ家的スポットでもあるこの温泉に立ち寄り、伝統ある良質のお湯に浸かりながら、豊臣秀吉が石風呂を造った時代や、江戸時代に湯治客が訪れた時代に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

そこくらの湯・つたや つたや廊下の資料掲示 内湯「太閤の湯」
野天風呂 箱根登山鉄道の電車
(左 宮ノ下駅、右 箱根湯本駅)

 

 

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