野沢温泉


 野沢温泉は、江戸時代から湯治場として栄えた歴史ある温泉です。様々な効能を持つ複数の源泉があり、昔ながらの共同浴場が13ヶ所あります。麻釜から大湯にかけてのエリアは、昔ながらの町並みが残り、歴史ある温泉旅館が立ち並び、何とも言えない風情が漂っています。

【旅館さかや】[NEW]
 野沢温泉の老舗
旅館さかやは、大湯の隣、温泉街の中心部にあります。旅館の玄関には足湯があります。好天に恵まれた週末、野沢温泉へ久しぶりにスキーで訪れた際、この旅館に初めて宿泊しました。滞在した客室は、鉄筋6階建の本館の3階、中庭に面した305号室(ぜんまい)です。硬めで寝心地の良いベットが2つ、小さな畳とソファのリビングルームとシャワー室、トイレ付きのこじんまりした和洋室です。美しい中庭の庭園を望みながら、モダンな客室でゆっくり寛ぐことができました。
 お風呂は、2階に男女別の大浴場
「月の湯」「鷹の湯」と、予約制の家族風呂があります。「鷹の湯」は、木造の風情ある湯屋建築の浴室内に、あつ湯、ぬる湯、寝湯と3つの湯舟があります。あつ湯には飲泉処もあります。また、石の露天風呂とサウナルーム、水風呂が外にあります。お湯は、硫黄の香りが大変心地よく、よく温まり、湯上がりがさっぱりしています。従業員の方々のきめ細かい清掃により、清潔感のある浴室内で、伝統の湯屋建築を眺めながら、心地よい温泉を満喫することができました。夕食は個室食事処で、信州の川魚や山菜、キノコ等をふんだんに使用した美味しい料理をいただきました。また、朝食も同じ個室の食事処で、温泉で作ったお粥と、野沢菜、厚揚げ、温泉卵等、ヘルシーなメニューをいただきました。

旅館さかや玄関 玄関の足湯 客室から見た中庭
和洋室 旅館の隣の大湯

【常盤屋旅館】

常盤屋旅館 玄関 ロビー資料展示 読書室
千人風呂入口と
子育観世音
食事処・常盤亭 長野オリンピック
資料展示
客室から見た大湯

 常盤屋旅館は、創業300年を超える、野沢温泉で最も歴史ある旅館です。野沢温泉の中心街にあり、野沢温泉のシンボル・大湯の向かいにあります。この辺りは野沢温泉で最も古くから栄えたエリアで、大湯を初め、常盤屋、さかや等歴史ある旅館が立ち並んでいます。クリスマスの時期に、久しぶりに野沢温泉へスキーに訪れ、この旅館に宿泊しました。
 常盤屋旅館は現在では鉄筋5階建ての近代的な建物に生まれ変わっていますが、大正時代から昭和初期の頃の重厚な木造建築の旅館の写真を見ると、長い歴史が偲ばれます。1階ロビー横には旅館の歴史を紹介する資料展示コーナーや、レトロな千人風呂の入口、飲泉所、子育観世音や読書室、茶室があり、昔ながらの雰囲気が漂っています。また、地下には、長野オリンピックの資料展示コーナーと昔ながらの卓球台があります。

 宿泊した客室は、3階のバストイレ付10畳間「雪つばき3」で、部屋からは重厚な大湯の湯屋建築を望むことができます。お風呂は、光明皇后の像が安置された
「千人風呂」と慈母観音が安置された「子宝薬師の湯」の2つがあり、夜10時を境に男女入れ替えになっています。「千人風呂」は、奈良時代に光明皇后が風呂によって1000人に治療を施したことにちなんで、名づけられたとのことです。大正時代には「広大にして信州一」と言われ、湯舟に船が浮かべられていたようです。現在は昔ながらのレトロな雰囲気の大きな浴室に3つの湯舟があります。「子宝薬師の湯」は、2つの湯舟があります。いずれのお風呂も大変風情があり、湯けむりに包まれた浴室で、光明皇后の像や慈母観音を前にゆったり湯舟に浸かっていると、昔の野沢温泉にタイムスリップしたような気分になります。お湯は自家源泉による源泉かけ流しで、透明でこんがりとした香りがあり、何とも言えない心地よい感じです。源泉はかなり熱めですが、複数ある湯舟には比較的温めのお湯も用意されているので、安心して浸かることができます。常盤屋旅館は3本の自家源泉を有しており、「千人風呂」「薬師の湯」は源泉が異なるため、違ったお湯を楽しめるのも魅力です。また。「千人風呂」の隣には飲泉所があり、効能豊かな源泉を飲むことができるようになっています。
 食事は、夕食・朝食とも、2階にある食事処「常盤亭」の個室でいただきました。夕食は信州の食材をふんだんに使用した美味しい会席料理、朝食もヘルシーな和食メニューを楽しみました。


【桐屋旅館】
 雪の降る12月の週末、野沢温泉をスキーで訪れ、
桐屋旅館に宿泊しました。麻釜のすぐ近くに位置する桐屋旅館は、明治21年創業で古くから文人に愛された旅館です。美しい日本庭園があり、その奥に昔ながらの木造建築の別棟が残っています。宿泊した客室は、この木造別棟の1階にあり、室内は改装されているものの、階段/廊下や庭園に面した数奇屋造の建物の窓枠、床の間等に往時の雰囲気が十分に残っていました。大浴場は、野沢温泉特有のマイルドなお湯にこんがりした硫黄の香りがほのかに漂っており、スキーで疲れた手足にはとても心地よいものでした。スキーと良質のお湯を満喫した後、昔ながらの客室にゆっくり滞在し、美しい庭園と野沢温泉の美味しい食事を楽しみました。

桐屋旅館 共同浴場大湯 源泉・麻釜

【共同浴場・大湯】
 大湯は野沢温泉のシンボルであり、重厚な湯屋建築の建物が江戸時代の湯治場の雰囲気を醸し出しています。大湯のお湯は、マイルドですが、かなり熱めです。浴槽は熱めの湯とややぬるめの湯の2種類がありますが、熱めの方は本当に熱く、普通の人では入り続けるのはかなり困難です。ぬるめの湯に浸かり、重厚な湯屋建築を堪能しました。大湯の前の通りには、土産物屋や老舗旅館が立ち並び、温泉情緒を盛り上げています。

源泉・麻釜】
 野沢温泉を代表する源泉の1つである麻釜は、天然記念物に指定されています。絶えず湯気が立ちあがっており、レトロな立看板や、野沢菜や山菜、卵をゆでる光景は、昔ながらの野沢温泉の雰囲気を醸し出しています。スキーシーズンでも観光客・湯治客の方が少なからず訪れていました。この麻釜の通りは昔ながらの狭い道に、桐屋旅館、住吉屋旅館、奈良屋旅館等、昔ながらの情緒あふれる日本旅館が並んでいます。

日影ゲレンデ 上の平ゲレンデ

【野沢温泉スキー場】
 旅館街からスキー場へは、麻釜の少し上から動く歩道「遊ロード」が設置されており、日影ゲレンデ・ゴンドラリフト乗り場までほとんど歩かずに行くことができます。日影ゲレンデから日影ゴンドラで上った上ノ平ゲレンデは、雪質が非常に良く、初級者向けコースになっており、家族連れスキーにお薦めです。 
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【野沢温泉アリーナ】
 野沢温泉には、日帰り入浴施設のクアハウス野沢、野沢温泉アリーナがありますので、日帰りでも温泉を楽しめます。スキー場(長坂ゲレンデ、柄沢ゲレンデ)の近くにある「野沢温泉アリーナ」は、波の出るプール、流水プール、スライダー等の様々な種類のプールや温泉大浴場があります。プールは通年利用することができ、スキーと温泉、プールを併せて楽しむことができます。

【クアハウス野沢】
 麻釜と桐屋旅館のすぐ近くにある「クアハウス野沢」には、内湯、圧注浴、泡沫浴、打たせ湯、寝湯、箱むし、露天風呂等、様々な種類のお風呂を楽しむことができます。お湯は透明マイルドで硫黄と鉄分の香りが大変心地よく、野沢温泉のお湯を心行くまで満喫できました。

   

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