上諏訪温泉


 街のあちらこちらで温泉が湧くという上諏訪温泉は、諏訪市の諏訪湖畔沿いにあります。JR上諏訪駅の露天風呂や駅前の丸光百貨店 の丸光温泉、中央道諏訪湖サービスエリアの温泉等、諏訪は温泉の町です。諏訪湖畔沿いには、大小沢山の温泉旅館が立ち並び、信州には珍しく、海辺の温泉のような雰囲気があります。

[2023年12月更新]

片倉館  片倉館玄関 階段 2階食堂 2階休憩室 

 上諏訪駅から徒歩数分の諏訪湖畔にある片倉館を13年ぶりに訪れました。あずさで上諏訪駅下車して訪ねるのは初めてです。上諏訪駅霧ヶ峰口へ下りて(出口はこれしかない)歩道橋で諏訪湖側へ渡ってすぐの場所にあります。重厚な洋風建築は変わらず、浴場棟と見学棟が並んでいます。その隣には諏訪湖美術館があります。
 1階で受付を済ませ、重厚なトイレに入り(脱衣所と浴室にはトイレは無い)その後、脱衣所を経て浴室へ入ります。重厚なローマ風の千人風呂と湯舟に敷き詰めた石、ジャグジー風呂とも20年前と全く変わっておらず、時が止まっている印象を受けます。お湯は透明マイルドで圧倒される湯量があり、ほのかな香りやよく温まる心地よい泉質も全く変わっていません。入浴の後、2階にある食堂・休憩室へ立ち寄り、食堂で信州ざるそばを頂きました。2階は食堂と休憩室がほぼ半分づつのスペースになっており、奥には諏訪湖を眺望できる展望エリアもあります。2階へ上がる階段も含めて館内は重厚な往年の雰囲気そのままであり、ゆっくり休憩して片倉館を後にしました。


【なごみの湯】 ・・残念ながら2011年2月丸光百貨店閉店とともに閉館しました。

 上諏訪駅前の国道20号線沿いにある丸光百貨店5Fに「なごみの湯」という日帰り温泉があります。数年前にリニューアルされたということで、新しく高級感ある造りになっています。お風呂は、長方形の石の内湯と、檜の樽湯の2つがあります。前者は温め、後者は熱めのお湯です。源泉かけ流しで心地よい香りのあるお湯は、正に上諏訪温泉であり、味わいがあります。樽湯の木の肌触り、香りも心地よいです。お休み処やマッサージ室やレストランも隣接しており、駅前の百貨店でゆっくり寛ぐことができます。休日の午後でしたが、空いている時間帯のようで、上質のお風呂、温泉を貸切で満喫することができました。、
 上諏訪駅から徒歩すぐ(目の前)であり、国道20号線沿いに百貨店駐車場も完備しており、電車でも車でも手軽にアクセスできます。出張の帰りや、観光の帰り、あるいはショッピングの帰りに手軽に立ち寄り、上諏訪温泉を満喫できるお薦めのスポットです。

【ぬのはん】

離れ屋敷入口 「花園」の間
玄関
「花園」の間
「花園」の間 「花園」の間
檜風呂
中庭 食事処
遊月亭

 ぬのはんは、創業150年を超える、上諏訪温泉を代表する由緒ある旅館です。アララギ派歌人の常宿として、島木赤彦を初めとする歌人に愛された他、島崎藤村や新田次郎初め多くの文人にも愛された旅館として知られています。往年の姿そのままの木造和風建築の「離れ屋敷」1階の「花園」の間に宿泊しました。「離れ屋敷」は1階に「赤彦」「花園」「待月」、2階に「雪見荘」という客室がありますが、それぞれ造りの異なる風情ある空間になっています。「花園」は、8畳+3畳+檜風呂、トイレ付きの和室で、天井、床の間、木造の窓、調度品等、昔ながらの雰囲気が漂っています。窓からは、美しい庭園を望むことができます。また、床暖房の効いた快適な空間にもなっています。静寂の中で庭園を見て時を過ごすと、タイムスリップしたような感じになります。
 お風呂は大浴場「ひらめの湯」と露天風呂「木の湯」、大浴場「鯛の湯」と露天風呂「石の湯」が男女交替制になっています。「ひらめの湯」「鯛の湯」は大きな石や御影石の床、木造の天井からなる広く清潔感のある浴室です。「木の湯」は檜の温もりが感じられるこじんまりとした長方形の湯舟、「石の湯」は石に囲まれたこじんまりとして湯舟です。お湯はいずれも透明マイルドでやや温めであり、体にとてもやさしい柔らかい感じです。また、「花園」の間にある檜風呂は、、温泉を引いた内風呂で、温泉の心地よい香りと、湯舟の檜の香りが調和して、とてもゆったりすることができます。窓からは庭園を望むことができます。
 食事は夕食、朝食とも1階の食事処
「遊月亭」の個室「月衣」でいただきました。夕食は、信州牛のしゃぶしゃぶ、刺身やわかさぎ、ところてん等、信州の素材、旬の素材を使ったとても美しく美味しい会席料理です。朝食も、湯豆腐、寒天サラダ等、信州の素材を使ったヘルシーなメニューです。
 夜はロビーにてコンサートが開催されていました。館内には、旅館の歴史資料や調度品が展示されており、歴史ある老舗旅館の雰囲気が漂っています。係りの方のサービスも大変親切で敷居が高い感じがなく、満足のゆくものでした。また、リラクゼーションや整体等のメニューも充実しており、客室で受けることができる整体により、心身ともリラックスすることができました。


[片倉館]

 上諏訪温泉で是非訪れてみたい日帰り温泉施設の1つが片倉館です。片倉館は、財閥の片倉氏が昭和初期に地域社会のための厚生施設として建設した温泉です。昭和初期の面影をそのまま残す、重厚でレトロな煉瓦造りの建物だけでも一見の価値があります。館内も白い壁とチョコレート色の木造の壁が、往時の雰囲気をそのまま残しています。お風呂は千人風呂と呼ばれる大理石造りのローマ風呂とラドン浴室の2種類があります。千人風呂は、水深が深く、立ったまま入浴する風呂ですが、底には砂利が敷き詰めてあり、足裏を刺激して健康的です。大きなお風呂の中を歩行浴している人も見かけます。お湯は透明でとてもマイルドです。ラドン浴室のお湯はやや温めですが、千人風呂は少し熱めという感じです、建物はレトロな感じですが、浴室・更衣室・休憩室はとても清潔感があります。千人風呂に浸かりレトロなステンドガラス風の窓を眺めていると、昭和初期にタイムスリップした錯覚に陥ります。温泉旅館街の一角にあるので、宿泊客も大勢訪れているようで、浴衣姿の入浴客も多く、大変混雑していました。

 台風が接近中の大雨の夏の日、再び片倉館を訪れました。大雨の日中だったせいか、以前訪れた時より入浴客は少なく、静かに温泉を楽しめました。(以前は石鹸もシャンプーも何も備わっていなかったのですが、)リンスインシャンプーと石鹸・ボディソープが備え付けになり、観光客へのサービス向上が図られていました。 休憩室では食事をとることもでき、他に家族で貸切可能な家族室もあります。文化財になっている建物の中で家族でゆっくり過ごすのも非常に良いと思います。片倉館の隣りには、諏訪市美術館があります。また、諏訪湖も目の前ですので、入浴・休憩・諏訪湖散策・美術館散策と一日楽しめそうです。

(2010年4月更新)
 天候不順が続く春の、ある晴れた週末に久しぶりに片倉館を訪れました。昼間ということで、それほど混雑はしておらず、変わらぬ千人風呂とラドン温泉で寛ぎました。2Fの休憩室も昔ながらのレトロな雰囲気であり、食事を楽しむこともできます。2Fへ続く黒光りの階段、窓ガラス等も往年の雰囲気そのままで、味わいがあります。(上記のとおり写真を追加更新しました)


[ハイウェイ温泉・諏訪湖(下り線)]
 中央道で東京から名古屋方面へ出かけた三連休の初日、下り線・諏訪湖サービスエリア内にあるハイウェイ温泉に立ち寄ってみました。諏訪湖サービスエリアは上り線・下り線それぞれに日帰り温泉施設がありますが、利用者が多く、施設を増築した上り線に比べて、下り線はこじんまりとしています。中央道が大渋滞する三連休初日の夕方でしたが、以外にも空いており、ゆっくりくつろぐことができました。サービスエリアのレストラン・売店の奥の目立たない場所にありますが、施設の眼下一面に諏訪湖が広がっています。お風呂は内湯のみでシンプルですが、眼下一面の諏訪湖の眺望は圧巻です。これだけで訪れる価値ありという感じです。お湯は上諏訪温泉と同様、透明マイルドで体に心地よいものです。備品も整っていますので、旅行・出張の途中に高速道路を降りることなく、上諏訪温泉を気軽に楽しめるのでお薦めです。

下り線温泉  上り線温泉

[ハイウェイ温泉・諏訪湖(上り線)]
 上り線・諏訪湖サービスエリア内にあるハイウェイ温泉に立ち寄りました。上り線温泉は、諏訪市にあり(下り線は岡谷市)、諏訪湖畔の七ツ釜から源泉を引いています。より諏訪湖に近い場所に位置しており、大きなガラス張りの浴室からは、諏訪湖や八ヶ岳連峰を望むことができます。当日は快晴の好天に恵まれ、青い諏訪湖と、雪を頂いた八ヶ岳の美しい風景を楽しむことができました。お風呂は、タイル張りの大中2つの内湯が、1つの浴室の中にあります。お湯は、透明マイルドでやや熱めです。昼間ということで、空いており、ゆっくり風景を眺めながら上諏訪温泉のお湯を楽しむことができました。

 上諏訪温泉の周辺には、諏訪湖や蓼科、霧が峰等、見どころも多く、信州観光の拠点としても便利です。また、中央道の東京と名古屋のほぼ中間に位置し、どちらからも車で2時間程度で訪れることができるので、宿泊でも日帰りでも手軽に楽しむことができます。

[諏訪湖畔公園・足湯]

 中央道で東京から西へ向かう途上、諏訪ICで途中下車して、諏訪湖畔にある足湯に立ち寄りました。この足湯は2001年にオープンしたもので、目の前に諏訪湖を見渡す絶好のロケーションに屋根付の足湯が造られています。湯舟は何箇所かに仕切られており、湯温が少しづつ異なっていて、好みに応じた湯温のお湯に浸かることができます。料金は無料で駐車場も完備されていて、気軽に上諏訪温泉のお湯と諏訪湖を味わうことができます。当日は生憎の曇天でしたが、大勢の人が足湯を楽しんでいました。

[諏訪湖間欠泉センター]
 足湯の隣にある諏訪湖間欠泉センターは、日本では数少ない間欠泉が見られるスポットです。湯量・源泉とも豊富な上諏訪の温泉が定期的に噴出し、その高さは50mで日本最大、世界でも最大級と言われています。建物は1階が土産物屋、2階が展示室、3階が展望ラウンジとなっており、無料で入館できます。3階の展望ラウンジからは諏訪湖と噴出する間欠泉を両方同時に望むことができます。このセンターは現在リニューアル工事が行われており、そのためか、残念ながら噴出シーンを見ることはできませんでした。

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