角間温泉


越後屋旅館
越後屋旅館・2階客室 廊下・館内
大浴場 檜風呂 家族風呂
林芙美子
文学館
共同浴場・
滝の湯
共同浴場・
角間大湯
横山大観
別荘・嶽心荘

[2012年4月更新]
 長野県から転出して初めて、12年ぶりに角間温泉の越後屋旅館を訪ねました。旅館や温泉街は12年前と変わらぬ姿で、長い歴史の中で時間が止まっていることを改めて感じ、とても嬉しく懐かしい気持ちになりました。滞在した客室は、12年前と同じ、2階の表通り沿いです。昔ながらの日本旅館の風情をゆっくり満喫することができました。お風呂は、レトロなタイル張りの大浴場、檜風呂、更衣室と浴室が一体となったレトロな洋風家族風呂の3つがあり、いずれも鍵のかかる家族風呂として、家族でゆっくり入ることができました。お湯は透明マイルドで心地よい香りがあり、とても体にやさしく温まるものでした。食事は夕食・朝食とも部屋食で美味しい信州の料理をいただきました。

 なお、今回は長野新幹線と長野電鉄を乗り継いで訪れ、湯田中駅まで往復送迎いただきました。湯田中までの行きは、元小田急ロマンスカーの車両、帰りは元成田エクスプレスの電車と、長野電鉄の特急も様々な車両が揃っており、電車で揺られる温泉旅行もとても味わいあるものでした。


 湯田中・渋温泉郷の中で最もレトロで味わい深い温泉が角間温泉です。国道292号(オリンピック道路)を佐野角間ICで下りて、細い道を少し上ったところにその温泉街はあります。江戸時代創業で往年の姿を残す旅館が数軒ありますが、その中の1つ、越後屋旅館に宿泊しました。建物は重厚な木造建築であり、客室も、これぞ往年の日本旅館という感じの情緒満点の素晴らしいものでした。この旅館にはかつて吉川英治や林芙美子らの文人が滞在しています。私の宿泊した2階の表通り側の客室には、吉川英治の額がかかっており、窓枠や障子、手すり等は往年の姿そのものという感じでした。ここにいるとタイムスリップして自分が往年の文人になったような錯覚に陥ってしまいます。広い窓からは、レトロな雰囲気の共同浴場「角間大湯」や温泉街を望むことができます。風情ある檜風呂をはじめ、複数ある浴室は、こじんまりとしていますが、どれも家族風呂として入浴でき、ゆっくりくつろぐことができました。お湯は透明でマイルドな感じです。客室に出されていた「はやそばもち」は、味噌あんが大変美味しく、お薦め品です。
 翌日朝、温泉街を散策しました。戦争中にこの地に滞在していた林芙美子の資料を展示している
林芙美子記念館や、横山大観別荘・嶽心荘等、静かな温泉街には見どころが点在しています。嶽心荘は、横山大観の別荘として昭和初期に建てられました。安代温泉の安代館の別館になっており、ここで食事を楽しむ宿泊プランがあります。高台に立地しており、ここから北信州の美しい山々を望むことができます。 (→安代温泉へのリンク

 角間温泉は、湯田中温泉、渋温泉のような華やかさはありませんが、北信州の静けさ、素朴さを満喫できる温泉です。

→信州の温泉案内/レトロ旅行倶楽部トップページへ

→レトロな日本旅館のある温泉 INDEXへ