安代温泉



 安代温泉は、湯田中渋温泉郷の中にある歴史ある温泉です。湯田中温泉と渋温泉の間にあり、渋温泉に続く昔ながらの狭い石畳の通り沿いに、風情ある旅館や外湯が並んでいます。

【安代館】

安代館

安代館

安代館廊下

古代の湯

安代館

安代館廊下

古代の湯

 安代館は、その通りの入り口から50m位のところにある木造3階建てのレトロな和風建築の旅館です。「安代館」と書かれた玄関脇の木看板が大変風情あり、期待が膨らみます。滞在した客室は、通りに面した2階の10畳間「飯綱の間」です。昔ながらの和室で、窓外の手すり等、歴史を感じ、トイレも洗面もありませんが、すぐ目の前が大浴場・トイレ・洗面所になっています。また、黒光りの廊下や階段、もう1つの大浴場前の赤い橋等、大変風情があります。
 お風呂は、夕食・朝食時間を境に男女入れ替えとなる「竜宮の湯」「古代の湯」の2つの内湯があります。「竜宮の湯」は、昔ながらのタイル張りのレトロな雰囲気の大浴場です。「古代の湯」は、蒲鉾型のタイル張りの湯舟と、四角い檜の湯舟の2つのお風呂があり、やはりタイル張りでレトロな雰囲気です。お湯はいずれも透明・マイルドな源泉かけ流しで、かなり熱めですが、それほど混雑しておらず(2つ目は実質貸切)、少し水で薄めながら入ることができました。香りも少なく、湯上りもさっぱりしていて、高温ですが体にやさしい感じです。
 食事は夕食・朝食とも部屋食(本来朝食は会食場ですが、小さい子供連れのため、部屋へ運んでいただけました)で、夕食は、馬刺し、山菜天麩羅、信州牛ステーキ、りんごサラダ、巨峰デザート等、信州の味覚を味わえる美味しくヘルシーなメニューでした。また、女将さんや仲居さんの対応もとても親切で、こじんまりした旅館ゆえのきめ細かい対応に大変満足いたしました。チェックインが12時30分、チェックアウトが11時30分となっており、ゆっくり滞在して良質のお湯を十分楽しめるのも大変魅力的に感じました。

 夕食の前に、安代温泉の共同浴場を散策しました。隣の渋温泉と同様に、共同浴場は鍵がかかっており、地元の方々と旅館の宿泊客だけが鍵を持って無料で利用できる仕組みになっています。旅館のすぐ隣には重厚な湯屋の
「安代大湯」があり、また1分程歩いた同じ通り沿いには小さな「開花湯」があります。両側に入り口と脱衣場のある「安代大湯」に入りました。湯治場風情漂うタイル張りのレトロなお風呂でしたが、お湯が大変熱く、子供連れのため、残念ながら殆ど入ることができませんでした。

安代大湯

開花湯

嶽心荘

安代大湯

開花湯

横山大観別荘「嶽心荘」

 翌朝チェックアウト後、「安代館」の別館で車で7分程の角間温泉にある、横山大観別荘「獄心荘」に立ち寄りました。角間温泉の中心部、角間大湯や越後屋旅館に近い高台の上にある藁葺き屋根の風情ある建物です。横山大観がこの地を好んで滞在しており、昭和初期に横山大観の別荘として建てられたものです。ここからは、湯田中や渋温泉の温泉街、信州の山々を一望できます。5月〜11月初旬迄は、「安代館」の宿泊プランで、この「獄心荘」で囲炉裏を囲んで山菜料理の夕食を楽しむプランもあるようです。

→角間温泉へのリンク

 久しぶりに訪ねた北信濃の地で、美しい紅葉やりんご畑、良質の温泉と昔ながらの温泉旅館に大変満足し、この地を後にしました。この辺りには、湯田中、渋、安代、上林等、源泉100%の良質なお湯と歴史ある日本旅館を味わえる、魅力的な温泉が集まっています。志賀高原、草津、万座、松川渓谷や小布施等、信州観光の拠点としても便利な場所にあり、一度訪ねてみてはいかがでしょうか。


→信州の温泉案内・レトロ旅行倶楽部トップページへ

→レトロな日本旅館のある温泉 INDEXへ