平湯温泉
【追記】平湯温泉の平湯館は、その後残念ながら2016年に閉館したようです。2021年にその設備を維持してリニューアルオープンしています。
平湯館・乗鞍荘 | 平湯館・いろり本館 | こまくさの間・玄関 | |
こまくさの間 | らいちょうの間 | こまくさの間廊下 | |
いろり本館への廊下 | 大露天風呂・山伏の湯 | こまくさの間廊下 | |
こまくさの間・檜風呂 | 中庭と山々 | 玄関脇の飲泉処 |
【平湯館】
平湯温泉は北アルプスの麓、雄大な山々に囲まれた自然豊かな地にある歴史ある温泉です。大正14年創業の由緒ある旅館、「平湯館」に宿泊しました。広々とした敷地には、近代的な「本館」、創業当初の面影を残す「乗鞍荘」と「いろり本館」、奥に「仙岳荘」があります。玄関横には飲泉処があり、良質の温泉を飲むことができます。また、中庭には美しい庭園があり、ロビーや地下の食堂から雄大な山々と併せて望むことができます。
宿泊した客室は、木造3階建ての「乗鞍荘」3階の351号「こまくさの間」です。352号「らいちょうの間」と続きになっている客室は、12.5畳、10畳、5畳、次の間と長い廊下、トイレ二ヶ所、総檜のお風呂付きの広大な空間です。三方を窓で囲まれ、建物の半分以上を占めるこの客室には、旅館全体を見渡せる眺望があります。天井や窓、襖、廊下等、大正時代そのままのノスタルジックな雰囲気があり、客室全体を包む静寂が、創業当初の時代へとタイムスリップさせてくれます。
源泉かけ流しの、湯量豊富で効能豊かな温泉が魅力の平湯温泉を代表する老舗旅館だけあり、お風呂もとても充実していて魅力的です。客室から黒光りの階段を下り、「いろり本館」へつながる、昔ながらの木造の廊下を歩くと、途中に大浴場のある建物があります。高棟丸柱檜造りの合掌風呂、「杣人(きこり)の湯」と「木響(こだま)の湯」、杣人の湯とつながっている大露天風呂、「山伏の湯」があり、夜朝男女入れ替え制になっています。「杣人の湯」は、檜の内湯が2つあり、1つはあつ湯、1つはぬる湯になっています。また、「山伏の湯」は、4本の打たせ湯からお湯が流れる、とても大きな露天風呂です。内湯の建物を取り囲むように配置されており、大きな岩が沢山あります。お湯は、いずれも透明マイルドで、硫黄の香りが漂う源泉かけ流しです。体にやさしい感じで、何とも言えない心地よいお湯です。次に、宿泊した「こまくさの間」に併設されている檜の内湯は、自家源泉の1つ「蓬来の湯」を直接注ぎ込んだ、源泉かけ流しのお湯で、あつめの湯が絶えず湯舟から溢れる様子は何とも贅沢な感じです。窓からは中庭庭園と雄大な山々が望まれます。檜の香りが溢れる浴室で、ゆっくり良質のお湯につかっていると、静寂の中、かけ流しのお湯が流れ落ちる音だけが聞こえています。全ての雑念を忘れて、至福な気持になります。
食事は、朝夕とも、中庭と山々を望む地下1階の和風レストラン秀峰でいただきました。夕食は、飛騨牛のしゃぶしゃぶ、飛騨牛の朴葉焼きステーキ、刺身や岩魚塩焼等、ヘルシーかつボリューム満点の会席風メニューです。朝食は、朴葉味噌や温泉卵、魚等のヘルシーなメニューです。いずれも素晴らしい料理であり、大変満足いたしました。(夕食はニーズに応じて、3コースから選択できるようになっています)
平湯館は、日帰り入浴も可能です。高山や上高地の行き帰りに立ち寄ることもできますが、良質のお湯と食事、昔ながらの建物や雄大な自然をじっくり楽しむには、是非泊まりで訪れたいところです。高い満足感と、もっとゆっくりしたい、また訪れたいという気持で平湯温泉を後にしました。
【ひらゆの森】
国道158号の安房トンネルに近い、平湯温泉入口にある、宿泊の温泉施設「ひらゆの森」に日帰り入浴で立ち寄りました。合掌造りの合掌棟、本館、新館、離れコテージからなる建物は、森林の中にあり、温泉浴と森林浴を楽しむことができます。お風呂は、木造りの情緒豊かな湯屋の内湯と、男女併せて16の露天風呂があります。平湯の山々と森に囲まれた露天風呂は、石造りのものや、木造のものがありますが、とても心地よく自然を満喫できます。生憎、雨天でしたが、晴天の夜には満天の星を望めそうです。お湯は、濃厚なにごり湯であり、硫黄の香りが心地よく、湯感が体にピリリとし、よく温まります。
国道158号線の安房トンネルからすぐの場所にあり、観光や移動途中に手軽に平湯の自然とお湯を満喫できるスポットです。