強羅温泉


本館玄関   本館廊下
 一昭亭(本館) 竹の間
 竹の間眺望 内湯  露天風呂

[2020年4月更新]
 約6年ぶりに強羅環翠楼を訪ねました。台風の被害により、箱根登山鉄道がしばらく運休しており、車で訪れました。宿泊した客室は、一昭亭(本館)階にある竹の間です。玄関から畳廊下を進み、内湯のある場所から昔ながらの階段で2階へ上り、奥の部屋になります。8畳間と次の間、廊下と洗面所付きの客室です。客室の外に竹の間専用トイレがあります。庭園側は全面昔ながらの窓ガラスになっており、美しい庭園や山々を全面に望むことができます。また、窓ガラスを全開にすることもでき、とても日当たりもよく開放感があります。ちょうど庭園の紅葉が色づき始めていて、美しい紅葉を楽しむことができました。自然の地形を活かした起伏のある庭園を散策しました。
 お風呂は変わらぬ昔ながらの内湯(男女夜朝入れ替え)と、庭園を望む露天風呂に入りました。夕食は、玄関隣の楓の間にて、小田原の海の幸や、牛肉ステーキ、土瓶蒸し等を含む美味しい懐石料理を味わいました。夕食は日本酒付きプランでしたので、箱根の複数の美味しいお酒を楽しみました。朝食も同じ楓の間にて、小田原の干物や美味しい玉子焼き、自家製豆腐等を味わいました。

前回6年前と変わっていたのは、箱根登山鉄道が運休中で、電車のゴトゴト走る音が聞こえなかったこと、部屋食が食事処での会食になっていたこと、外国人観光客が多数訪れ、満室で活気にあふれていたこと等です。個人的には、6年前に訪れた時の、ひっそりと静かな隠れ家的雰囲気が好きでしたが。


強羅環翠楼玄関 廊下 春秋亭 春秋亭1F月の間
春秋亭玄関 月の間 昭和天皇・皇后陛下
お献立
日米経済会議
昼食写真
本館・内湯 露天風呂

【強羅環翠楼再訪】
 数年ぶりに強羅の地を訪れ、再び強羅環翠楼に宿泊しました。滞在した客室は前回と同じ「月」の間でした。前回と全く変わらぬ美しい木造建築の離れと庭園、心温まるサービスに安心し、ゆっくり滞在しました。客室にエアコンは付いていませんが、夏でもエアコンなしで涼しい強羅の地でリラックスした時間を過ごしました。近くを流れる小川のせせらぎと、時折聴こえてくる箱根登山鉄道の重厚な電車音が何とも心地よく、昭和の時代にタイムスリップしたような気持ちになりました。
 食事は、夕食朝食とも部屋食で、小田原の海の幸をふんだんに使った美味しい会席料理をいただきました。お風呂は、男女入替の内湯の湯舟がリニューアルされていた以外は、変わらず、昔ながらの内湯と庭園の緑に囲まれた露天風呂を満喫しました。お湯はやはり、とても心地よい香りのある源泉で、強羅の素晴らしいお湯を満喫し、心からリフレッシュしました。
 降り続いていた生憎の雨も夜にはあがり、前回同様、玄関前で花火を楽しみました。雨上がりですぐに蝋燭の火が消えてしまいましたが、その都度、旅館の方々の心温まるご対応いただき、前回同様素晴らしい思い出になりました。


玄関前庭園 立て看板 本館玄関 本館
春秋亭1F・月の間
離れ 本館廊下 春秋亭玄関 露天風呂
本館・内湯

 強羅温泉は、箱根湯本から箱根登山鉄道で約40分、その終点・強羅駅を中心に広がる歴史ある温泉地です。大涌谷や小涌谷に近く、自然豊かなエリアに様々な泉質の源泉があります。強羅駅から早雲山まで(所要約8分)山の斜面を急勾配で登るケーブルカーが走っており、その両側に由緒ある温泉旅館やリゾートホテル、会社保養所等、様々な宿泊施設が点在しています。強羅温泉を代表する由緒ある旅館「強羅環翠楼」に宿泊しました。

【強羅環翠楼】
 「強羅環翠楼」は、旧岩崎家の別荘をもとに昭和24年に創業し、昭和30年には昭和天皇・皇后陛下も宿泊した、とても由緒ある旅館です。強羅駅から箱根登山鉄道の踏み切りを超えて、すぐの場所に旅館はあります。こじんまりとした、昔ながらの重厚で趣きある玄関を入ると、旅館の皆様の大変暖かいお迎えを受けます。左手に昔ながらの帳場、右手に洋風のレトロな応接室を見て、畳敷きの廊下を客室へと案内されると、風情ある館内の雰囲気に包まれ、期待が一気に膨らみます。宿泊した客室は、本館から木造の渡り廊下を渡った「春秋亭」1階の「月」の間です。棟続きになってはいますが、離れの一軒屋のような造りになっており、「月」と書かれた木札のある玄関を入ると、廊下があり、右手にトイレ、正面に小さな台所、左手に8畳間和室と次の間と小さな洋室から成る客室があります。「月」の間は、四方を外に面しており、和室の前と右側には昔ながらの木造の縁側があり、外は美しく緑が眩しい庭園です。縁側に沿って障子の襖があり、障子をずらすと半面がガラス張りになり、客室にいながら庭園の緑を目の当たりにします。襖を開け放てば、そこには遮るものが何もなく、自然と一体になり庭園の中にいるような雰囲気になります。隣の洋室や台所もレトロな隠れ家のような造りであり、この客室でゆっくりしていると、昭和前期にタイムスリップして、往年の文人の一軒屋にいるような気分になります。広々とした美しい庭園の中に、昔ながらの木造和風建築の離れ(こちらは棟続きでない本当の離れ)が複数点在しています。広大な敷地に14室しかない客室は、とても風雅な感じであり、自然との一体感があります。まさに「翠」(緑)に「環」(囲まれた)「楼」(旅館)です。
 チェックイン後、庭園を散策しました。木々の緑が溢れる庭園は斜面になっており、苔の石段や鯉が泳ぐ池や小川があります。15分おきに近くを通る箱根登山鉄道の電車と踏み切りの音が、静かで心地よい効果音となって、客室にも庭園にも流れてきます。
 お風呂は、男女別の内湯と露天風呂があります。露天風呂は庭園の中に離れのように並ぶ、木造建築の湯屋の中にあります。男性用が「環」、女性用が「翠」です。こじんまりとしたお風呂からは一面に庭園を望むことができます。内湯は本館の中にあり、往年の姿そのままの木造のレトロな湯屋になっています。木造りの壁と天井、レトロなタイル張りの湯舟は、昔ながらの湯治場の雰囲気です。露天風呂、内湯ともお湯は、自家源泉2本による源泉かけ流しで、透明マイルドでとても心地よい香りがあります。湯温も丁度良く、気持ちよくゆっくり浸かることができました。また、露天風呂、内湯ともシャワー等の設備は何もありませんが、良質のお湯とお風呂の雰囲気を味わいながらの湯浴みの楽しさでとても幸せな気分になりました。また、個人客主体のこじんまりした旅館の良さか、他に入浴客はおられず、殆ど貸切でゆっくり入ることができました。
 食事は夕食・朝食とも部屋食で、夕食は海の幸中心のヘルシーで美味しい懐石風のメニュー、朝食も海の幸や豆腐料理に舌鼓を打ちました。夕食後には子供に頂いた花火を、玄関前の玉砂利のお庭で、時折通る電車の音を聞きながら楽しみました。旅館でバケツや蝋燭、蚊取線香まで用意していただき、心温まる気遣いに感激しました。

 翌日強羅駅からケーブルカーで早雲山まで登り、ここでロープウェイに乗り換え、大涌谷を訪ねました。ロープウェイは近年架け替えられた新しいもので、大涌谷越えの強風対策として索道が2本あるため、とても静かで揺れが少なく安定感がありました。ロープウェイからの箱根の山々、大涌谷はとても美しいものでした。強羅周辺には、強羅公園、箱根美術館、彫刻の森美術館等、見どころも多く、箱根の良質のお湯と味わいある旅館とともに訪ねてみてはいかがでしょうか。


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