道後温泉


道後温泉駅 道後温泉本館

[2024年3月更新]
 約7年ぶりに道後温泉本館を訪ねました。松山駅から市内電車で約25分、途中県庁前や大街道等市内中心部を経由して終点道後温泉駅に到着します。そこから徒歩数分で道後温泉本館に着きます。長期にわたる改修工事期間中のため、神の湯と休憩室は閉鎖されており、霊の湯入浴と予約制の又新殿見学のみ受け付けています。入口も通常の反対側に設置されており、番台で受付を済ませて階段を下りた地下が霊の湯となっています。こじんまりした霊の湯のみの営業のためか、平日の日中にも関わらず、館内満員で約10分並んで入りました。
 昔ながらの風情あるタイルの霊の湯は、石鹸シャンプー等の設置はないシンプルな内湯ですが、タオル・バスタオルのレンタルがあり、手ぶらで立ち寄ることができました。昔ながらの狭い脱衣場も浴室も何とも言えない情緒があります。お湯はほのかな香りがあり、とても心地よく浸かることがてきました。帰路は再び道後温泉駅から市内電車で松山駅方面へ向かいました。

 松山市内電車は引き続き市民の足、観光客の足として活躍しており、JR松山駅、伊予鉄道松山市駅、道後温泉駅の3拠点を中心に多くの電車が走り、多くの乗客で混雑していました。昔ながらの
松山城、道後温泉本館、松山市電を満喫して松山を後にしました。

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  道後山の手ホテル 客室   廊下  大浴場
 半露天風呂 道後温泉駅  道後温泉本館  
道後温泉本館  本館3階10番個室  本館3階坊ちゃんの間 

 愛媛県松山市にある道後温泉は、日本三古湯と言われており、3000年の歴史がある日本を代表する温泉のひとつです。聖徳太子が病気療養に訪れたと言われている他、歴代の天皇家他、皇族が多数訪れたとされています。江戸時代には松山藩主の松平氏により、温泉が整備され、1894年(明治27年)には道後温泉本館が建てられたと言われています。松山中学の教師として松山へ赴任した夏目漱石が感嘆し、坊っちゃん等の作品の中でも紹介されています。道後温泉本館の建物は、国の重要文化財に指定されています。
約20年ぶりに道後温泉を訪ねました。

 松山駅から伊予鉄道の市内電車で約20分の終点駅が道後温泉駅になります。かつてこの路線を走った蒸気機関車が「マッチ箱のような汽車」として夏目漱石の坊っちゃんの中で紹介されており、この坊っちゃん列車がディーゼル機関車により復元されて1日数本運行されています。今回は広島から高速フェリーで松山入りしたため、松山観光港からリムジンバスでの道後温泉入りとなりました。

【オールドイングランド道後山の手ホテル】
 1886年(明治19年)創業の和風旅館「かわきち別荘」が、2003年にリニューアルしてオープンした、英国調のクラシックな雰囲気のホテルです。道後温泉本館からゆるやかな坂道を上ってすぐの旅館街の一角にあります。このあたりは歴史ある老舗温泉旅館が並んでいます。宿泊した客室は3階の角部屋301号室です。セミダブルベッドが設置された十分な広さのバストイレ付きの客室で、テーブルやクローゼット等の調度品は英国調で統一されています。とても落ち着いた雰囲気です。
 1階奥にある温泉大浴場は、広く新しい内風呂と、檜の半露天風呂があります。お湯は透明マイルドで心地よく、道後温泉のお湯を満喫できます。
 なお、プロ野球のヤクルトスワローズの11月合宿の定宿になっているようで、ホテル玄関には掲示がされていました。

【道後温泉本館】
 昔ながらの重厚な和風建築の道後温泉本館は、明治時代建築の神の湯本館又新殿・霊の湯棟、大正時代建築の南棟と玄関棟の4つの建物が国の重要文化財に指定されています。1階に神の湯、2階に霊の湯があります。
 料金体系は銭湯と同じ入浴のみのベーシックな「神の湯階下」、浴衣付で2階大広間での茶菓(せんべい)が付いた「神の湯2階」、浴衣と貸しタオル付で神の湯と霊の湯に入れ、又新殿を見学でき、2階の別の広間での茶菓子(せんべい)が付いた「霊の湯2階」、さらに3階の個室休憩と坊っちゃん団子が付いた「霊の湯3階個室」の4つのプランがあります。
 又新殿(ゆうしんでん)は、日本で唯一の皇室専用浴室と言われ、御影石を使った浴槽の他、控え室、トイレ等が備えられているとのことです。霊の湯の切符を買うとガイド付で見学できます。
 また、3階一番奥の個室に夏目漱石ゆかりの資料の置かれた部屋があり、坊っちゃんの間として開放されており、神の湯チケットでも見学可能とのことです。

 約20年ぶりに訪れた道後温泉本館は、平日とあってそれほど混雑しておらず、受付で「霊の湯3階個室」のチケットを購入して入場しました。まず、突き当り奥の急な階段を左に上がり、2階受付に行くと、そこで3階個室へ上がるようにアナウンスされ、3階へさらに急な階段を上ります。3階へ上がると係りの人が個室へ案内してくれます。個室は階段に近い手前の10番個室です。部屋で浴衣へ着替え、鍵のかかるクローゼットに貴重品含めて保管した後、各浴場へ案内されます。浴衣と貸タオルは付いていますが、バスタオルは追加料金でレンタルになります。

 まず、2階へ下りて、そこで案内され、更に階段を下りて、
霊の湯へ入浴しました。霊の湯は、中規模の浴室であり、石造りの浴槽には高級感と独特の風情があります。お湯は透明マイルドで適温でゆっくり寛ぐことができます。   霊の湯で入浴後、階段を一旦上がり、2階に戻ってから、今度は神の湯へ案内されます。神の湯の更衣室へつながる急な階段を下りて、1階の神の湯に入ります。広い更衣室があり、そこから東浴室、西浴室の2つの浴室へ入ることができます。(ただし、2つの浴室があるのは男湯のみで、女湯は1つの浴室)西浴室へ入りました。シャンプー、リンス、ボディーソープ備え付けの霊の湯とは異なり、神の湯は、湯船と洗い場のみの湯治場や銭湯の雰囲気ですが、天井が高く、天井に通風窓があり、昔ながらの情緒満点の湯屋です。お湯は、霊の湯と同じ、透明マイルドで心地よい温泉です。

 神の湯入浴後、3階個室へ戻り、呼びボタンを押すと、係りの人がお茶と坊ちゃん団子を配膳してくれます。昔ながらの木造建築3階の風情ある個室で浴衣姿でいただく団子の味は格別です。坊ちゃん団子は、各地の土産屋で土産用に買い求めることができます。
 3階の一番奥には
「坊ちゃんの間」があり、夏目漱石の写真や資料が展示されています。ここは、神の湯のみの入浴客も見学することができるため、結構混雑していました。

 最後に着替えて2階へ下りると、皇室専用の
又新殿へ案内されます。2階から一番奥へ入り、専用のガイドさんに、天皇陛下が使用した2階の「玉座の間」控えの「前室」、1階の最上の御影石でできた湯釜(浴槽)、庭園、トイレでなく茶室と間違えそうな美しい「雪隠」(御手洗所)等を案内いただきました。又新殿は、1952年の常陸宮様の入浴を最後に、1956年以降は使用されなくなり、一般公開されるようになったとのことです。以降は皇室が道後温泉訪問される場合も、一般ホテル旅館に滞在し、ここは見学のみされるとのこと。
 この他、2階には展示室があり、1階廊下には坊ちゃん映画ロケの写真等が展示されています。

 道後温泉本館の前はアーケードの商店街になっており、土産物屋、食事処、一本入った路地には射的等もあり、昔ながらの温泉街の風情があります。

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