湯田中温泉


[2021年2月更新]
【よろずや松籟荘の思い出】

 2021年2月11日、湯田中温泉を代表する老舗旅館
「よろずや」松籟荘が火災により焼失するという残念なニュースがありました。松籟荘へは、筆者が長野在住中の2002年冬と、転出後の2009年7月の2回宿泊しております。とても良い思い出があり、再び訪れたいと思っていただけに誠に残念です。一日も早く復興されることを心から願っております。2009年訪問時に写真により、今はなき松籟荘を振り返ります。

松籟荘 玄関 階段 廊下
2F笠の間
 笠の間から見た
桃山風呂
大野天風呂 桃山風呂  松籟荘 桃山風呂 

 湯田中駅にて 
[2014年10月更新]
 再び長野電鉄で湯田中を訪れ、湯田中駅に隣接する日帰り温泉
「楓の湯」に立ち寄りました。途中、蔵の街・須坂を散策した後、須坂駅から往年の成田エクスプレス車両(ホワイトモンキー)を使用した特急に乗車して湯田中を目指しました。「楓の湯」で入浴した後、帰路は、往年の小田急ロマンスカー車両を使用した特急ゆけむり号で長野へ向かいました。「楓の湯」の休憩コーナーや通路は、湯田中駅のホームに面しており、停車中の電車を目の前に見ることができます。

 なお、長野電鉄の長野駅や須坂駅から「楓の湯」入館券付の往復割引きっぷが発売されており、お得に立ち寄ることができます。また、夏休みの小中学生用には長野電鉄乗り放題の格安きっぷ(温泉入館券は付いていない)もあり、子供連れにはこちらも大変お得です。

楓の湯

旧湯田中駅舎

湯田中駅停車中の特急(右上は
旧小田急ロマンスカーの「ゆけむり号」
湯田中温泉・大湯
湯田中温泉・よろづや松籟荘
よろづや松籟荘
松籟荘の階段・廊下 松籟荘2階「笠の間」
松籟荘から見る
桃山風呂の屋根
桃山風呂 大野天風呂

 湯田中温泉は、約1200年の長い歴史を誇る、信州を代表する温泉です。古くは上州草津と信州を結ぶ街道の宿場町として栄え、現在は志賀草津高原ルートの玄関口として伝統ある旅館・ホテルが立ち並んでいます。

【楓の湯】
 長野電鉄・湯田中駅前にある日帰り温泉
「楓の湯」に立ち寄りました。駅のホームに殆ど併設している配置になっており、温泉の休み処からはホームに停車する列車がよく見えます。温泉の隣には昭和初期建築の旧湯田中駅舎が登録文化財として保存されています。2006年まで使用されていた旧駅舎は、かつて志賀高原にスキーに訪れた際、いつもお世話になっており(この駅で長野電鉄からバスに乗り換えた)、懐かしい思い出があります。お風呂は、御影石の内湯と鉄平石の露天風呂(屋根つき)があります。源泉かけ流しのお湯は、透明マイルドで心地よい香りがあります。お湯は内湯はやや熱め、露天風呂はほど良い感じでした。平日に訪れましたが、地元の方々等で賑わっていました。手軽な料金で良質のお湯を楽しめるスポットであり、一度立ち寄ってみる価値が高そうです。温泉の前には、無料で入れる足湯もあります。

【よろづや・松籟荘】
 よろづやは湯田中温泉を代表する、創業200年の由緒ある旅館です。本館・松籟荘・アネックスと 3つの建物がありますが、中でも松籟荘は昭和14年建築の木造数奇屋造の大変レトロで美しい建物です。 近代的な本館から階段とエレベータで3階へ上がり、松籟荘の内玄関に入ると、そこから先は、昭和初期 にタイムスリップしたような、クラシカルで静寂な空間となります。内玄関、廊下、階段等、木のぬくもり と美しさが存分に活かされ、大変趣ある造りとなっています。松籟荘には、全部で13の客室(特別室6室、 標準室7室)がありますが、2階にある205号室(笠の間)に宿泊しました。部屋は、シンプルな造りで改装 されて清潔感がありますが、調度品や窓外の手すり等は昭和初期の姿そのままで大変味わいがあります。 窓から望む桃山風呂の屋根は古寺のような重厚感があります。
 食事は夕食・朝食とも部屋食であり、オリジナリティのある懐石料理は、ヘルシーで大変魅力的です。 従業員の方のサービスもきめ細かく行き届いており、老舗旅館に相応しく満足度の高いものです。お風呂は
桃山風呂東雲風呂の2種類があり、各々内湯と露天風呂があります。中でも風格ある寺社建築の桃山風呂 は、一見の価値ある貴重な歴史的建造物です。広いお風呂に浸かりながら、建物を見ていると、二百年前に タイムスリップしたような不思議な気分になります。また、岩に囲まれた庭園の大野天風呂は大変広く野趣満点です。また、露天風呂から見た、ライトアップされた桃山風呂の寺社建築は大変美しく風情があります。 お湯は、内湯・露天風呂とも透明マイルドで体にやさしい感じです。
 創業二百年を記念して、本館通路やロビーには往年の旅館の写真や所蔵品が展示されており、興味深く 見ることができました。また、よろづやの隣りには湯田中温泉を代表する歴史ある共同浴場、大湯があります。

 2009年の夏、7年ぶりに松籟荘を訪れました。滞在した客室は7年前と同じ
205号室(笠の間)でした。松籟荘の玄関、廊下、階段や客室の昔ながらの姿は全く変わっていませんでした。桃山風呂や大野天風呂の風情も、食事も暖かいサービスも全く変わらず、素晴らしいものでした。変わらぬ姿に満足し、そして安心し、また訪れたいという気持ちで湯田中温泉を後にしました。変わった点は翌日乗車した長野電鉄の特急に、小田急ロマンスカーとして活躍していた車両が投入され、ゆけむり号として運転されていたこと位でしょうか。


【湯田中ヘルスケアセンター】
 志賀高原へのスキーの帰りに、この湯田中温泉の日帰り温泉施設である湯田中 ヘルスケアセンターを訪れてみました。ここは仮眠も可能な24時間営業の施設であり、ホテルが併設 されているだけあって、設備が大変充実しています。10種類のお風呂の他、日帰りで立ち寄れる温水 プール、レストラン、売店、マッサージ・鍼灸等があります。お湯は透明でマイルドであり、温度も あまり熱くなく、リラックスして入ることができます。また、ほのかな硫化水素の香りと塩味が温泉 気分を盛り上げてくれます。リクライニングバス、滝湯、ファウンテンバス、プレスバス、薬湯、 ミストサウナ等、多彩なお風呂をゆっくりと存分に満喫することができ、スキーの疲れを癒し、身も 心も十二分にリフレッシュすることができました。


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