下諏訪温泉
諏訪市と岡谷市の中間にある下諏訪町は、旧中仙道の宿場町、諏訪大社春宮・秋宮の門前町として栄えた歴史ある街です。また、温泉の出る唯一の宿場町としても知られており、旧中仙道の面影を残す史跡や街並みが今も随所に残っています。また、昔ながらの雰囲気を残す共同浴場が数多くあります。
【梅月】[2023年12月更新]
玄関 | 桃の間 | 露天風呂 | 内風呂 | 諏訪大社秋宮 |
中山道旧道や諏訪大社秋宮に近い下諏訪温泉の一角にある梅月は、全客室が5部屋のこじんまりとした旅館です。女将さんやご主人、係の方々が総出で温かくご挨拶おもてなし頂き、とてもゆっくり寛げます。下諏訪駅から徒歩約10分の諏訪大社秋宮へ参拝し、そこから徒歩約8分の梅月を訪ねました。
滞在した客室は、2階の桃の間9畳和室です。窓からは下諏訪の街が望めます。食事は夕食朝食とも部屋食です。夕食は、馬刺しと馬肉のトマトすき焼きを中心としたメニューで締めのそうめんやデザート含めて美味しく頂きました。馬刺しと馬肉は絶品でした。朝食は、魚や玉子、信州のお惣菜等品数豊富でヘルシーなメニューを味わいました。
お風呂は朝夕男女入替えで、1つは脱衣所からタイルの内湯と露天風呂へそれぞれ出入りするお風呂、もう1
また、女将さん推奨のマッサージをお願いして来て頂き、疲れた身体をほぐしてリラックスすることもできました。
諏訪大社春宮 | 諏訪大社秋宮 | 本陣岩波家 |
[聴泉閣かめや]
聴泉閣かめや |
聴泉閣かめや 上段の間 |
上段の間から 見た庭園 |
上段の間に 残る杉戸絵 |
聴泉閣かめやは、旧中仙道沿い、諏訪大社秋宮の近くに位置し、下諏訪の旧本陣岩波家の歴史を引き継ぐ、由緒ある旅館です。隣には旧本陣岩波家の建物が残っており、建物と庭園を見学しました。同じ敷地内に、その建物と美しい庭園を挟んで隣り合わせに並んで建っているのがこの旅館です。建物は昔ながらの本館と、鉄筋の新館があり、本館には、皇女和宮が将軍・徳川家茂へ降嫁する際、滞在したという「上段の間」や島崎藤村ら文化人が好んで滞在したという「富士の間」が昔ながらの姿で残っています。本館フロントでチェックインすると、先ず本館の「上段の間」へ案内され、抹茶をいただくことになります。ここで、美しい日本庭園や、昔のままの風情ある部屋を見学し、皇女和宮の時代へ思いを馳せることになります。
宿泊した部屋は、本館2Fの10畳間「水月の間」で、旧本陣岩波家と繋がっている美しい日本庭園が眼下に望める客室です。(隣が「富士の間」であり、「富士の間」の下が「上段の間」という構造です。) 室内は改装されていますが、窓枠や窓から眺める美しい庭園は往年のままでとても趣があります。
お風呂は、新館の3階にあり、真新しい大理石の内湯と、露天風呂があります。いずれからも諏訪湖や下諏訪の街並みを望むことができます。浴室外には、諏訪のご神氷伝説にちなんだ庭園が配置されています。お湯は透明・マイルドで熱めです。体にやさしい良質のお湯で、子宝の湯とも言われています。
夕食・朝食は、いずれも新館1階の個室食事処で、豚しゃぶ、刺身、魚・鯉料理等、懐石風のとてもヘルシーなメニューでした。
[うらかめや]
うらかめや |
うらかめやは、上記記載の聴泉閣かめやの並びで、同じ旧中仙道沿いにある江戸時代末期創業の歴史ある旅館です。玄関先に紅色の橋があり、「赤い橋のうらかめや」として親しまれてきたようです。建物は鉄筋4階建てのビルに改築されていますが、今も玄関先に残る赤い橋と、昔ながらの看板が往年の姿を彷彿させます。すぐ隣には、共同浴場の「遊泉ハウス児湯」(下記記載)があります。
宿泊した客室は、4階の一番奥にあるバストイレ付きの8畳間、45号室(利休の間)です。窓からは諏訪大社秋宮の森や、下諏訪の町、その先に諏訪湖を少し望むことができます。
お風呂は、同じ4階のすぐ隣にあり、男女別に内湯と露天風呂があります。内湯はタイル張りのお風呂で、湯舟の端にある源泉の横には、昔ながらの木札が並べてあります。露天風呂は、こじんまりした木造の丸い桶風呂で、貸切風呂のような雰囲気でゆっくり寛ぐことができます。格子戸越しに下諏訪の町や諏訪湖を望むことができます。お湯はやはり透明マイルドで熱めです。露天風呂は程よくさめて温めの心地よい感じになっていました。1泊朝食付きのプランで宿泊したため、食事は朝食のみでしたが、1階食堂でヘルシーな和食メニューを味わいました。
チェックアウト後、すぐ近くの諏訪大社秋宮に再び参拝しました。
[遊泉ハウス児湯]
諏訪大社秋宮のすぐ近く、旧中山道(現国道142号)沿いの古い街並みの一角に、遊泉ハウス児湯という小さな共同浴場があります。ここは古くから子宝の湯として親しまれた共同浴場を改装した施設であり、一昔前の大衆銭湯のような独特の風情があります。地域の方々の交流の場になっているという雰囲気であり、とても親しみ深い感じがしました。お湯はやや熱めですが、透明でマイルドな感じです。お風呂に浸かって、ほのかな温泉の香りに目を閉じれば、かつて中山道の宿場町で旅の疲れを癒した旅人達のことが偲ばれます。
[湖畔の湯]
台風が接近した大雨の夏の日、もう1つの共同浴場、湖畔の湯を訪ねました。旧街道沿いの遊泉ハウス児湯とは反対側、諏訪湖畔に面した住宅街の一角に湖畔の湯はありました。駐車場・施設とも広く、クアハウスのような感じです。お風呂は、高い天井と明るい窓で開放感のあるジェットバス付きの内湯、こじんまりとした露天風呂、打たせ湯があります。お湯は、やはり、やや熱めですが、透明マイルドでほのかな香りがあり、体にやさしい感じです。諏訪湖は目の前ですが、残念ながら浴室からは望むことができません。近くにはショッピングセンターもあり、地域の方々が普段気軽に利用する銭湯という印象を受けました。
下諏訪温泉は、同じ諏訪湖畔の上諏訪温泉とは対照的に静かな風情があります。古き宿場町の面影を訪ねつつ、諏訪大社を参拝し、温泉にゆっくり浸かってみてはいかがでしょうか。