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山崎哲
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コメント


古今東西、もっともすぐれた演劇論は吉本隆明の「言語にとって美とはなにか」で語られた演劇論である。
同書で吉本は、私たちの演劇の起源と過程を「歴史的な」視点からみごとに解いた。
にもかかわらず、同書は演劇人のほとんどに読まれていない。難解すぎるためだ。
そこで本書では、吉本の同書を誰にでもわかるように解読する一方で、吉本の方法にならい、演劇の過程を「乳幼児がことばを獲得していく」過程として捉えた。
本書を読めば、これまで語られたことのなかった演劇の全貌が見えてくるはずだ。
また本書での考察はおもに、80年代転位・21の現場でおこなわれたものである。
と同時に、間接的ながら私の師・唐十郎論にもなっている。
初心者にはすこしむつかしく感じられるかもしれないが、なんども読み返してほしい。そうすればきっと実感的にもわかってくるし、演技上の問題についても解決できるはずだ。

お詫び

第四章で、演出家・竹内敏晴さんは「ご自分が吃音者だった体験から」云々とありますが、「吃音」ではなく、「聴覚言語障害」の誤りでした。訂正してお詫びいたします。
竹内さん、ほんとうにごめんなさい。
なお敬愛する竹内さんには「これは生半可に読んじゃいけない本だと思った」ということばをいただき、うれしかったです。
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俳優になる方法



青弓社
「寺小屋ブックス」24
発行 2001年2月28日

定価 1,600円


お問合せ
青弓社
03−3265−8548


批評家
藤井東さんからの
メール

これは凄い本だ!
というのがまず第一印象です。
本質的で本格的な演劇論をていねいに分かりやすく展開され、あらためて山崎さんの力量がとてつもなく大きいのを感じました。たぶん書き上げられて、
「やったね!」と内心思われるようなお仕事だったのではないでしょうか。
吉本(隆明)さんの言語論や思想を山崎さんが受け止め、展開されていく過程で、曖昧な飛躍がなく、血となり肉となっていらっしゃるのがビンビン伝わってきました。
ひさしぶりに吉本さんの論考がひとつの世界(演劇)の本質論へと拡張されたなという衝撃と、きもちいい刺激を受け取りました


藤井東さんにいただいたメールをご了解を得て転載しました
どこまで書くことができたか自己判断はなかなか困難ですが、藤井東さんにはまちがいなくわたしの意図を汲んでいただけたととても喜んでいます。


目次

序 章 演劇はおもしろい

演技はだれでもできる 表現は核心の問題だ
初心者は正しい 演技を意識化する
表現には経過がある 自転車を演じろ
笠智衆の演技を盗め 人間はあるのだ

第1章 劇とはなにか

1 劇の総過程
三つの過程 表現上の断層と飛躍
戯曲を読む過程
2 戯曲のことば
戯曲は読みにくい 小説と戯曲を読み比べる
小説と戯曲のちがい 詩のことば
3 劇の起源
ハリソンの起源説 吉本隆明の説 折口信夫の説 
吉本の折口評価 表現とは転倒だ 俳優は巫師だ
舞台は賽の河原だ 稽古場は妣ノ国・常世だ

第2章 戯曲とはなにか

1 詩の成立
ことばからことばへ 記紀歌謡
土謡詩 叙事詩と叙景詩
抒情詩 儀式詩
2 小説の成立
巫女から女房へ 詩的言語から物語言語へ
儀式詩から説話物語へ 抒情詩から歌物語へ
歌物語から日記文学へ
「源氏物語」は近代小説だ
3 能・狂言の成立
折口の能・狂言発生説 劇言語の誕生
あるがままの大衆 狂言から脇能へ
狂言から修羅物へ 修羅物から現在物へ
4 戯曲の成立
浄瑠璃と歌舞伎 主題としての性
道行とはなにか 遊女と遊人
人は卑小なものに生きる
虚実皮膜論とはなにか 劇言語としての口語

第3章 演技とはなにか

1 稽古の過程
稽古過程の誕生 稽古過程とはなにか
稽古は虚実の往還だ セリフは覚えるのか
稽古の四段階 平面から立体の世界へ
「創世記」は劇づくりのモデルだ
光あれと俳優は言う ことばで世界を立ち上げろ
ことばで関係づけろ
2 ことばへの準備
俳優は赤ちゃんだ 内コミュニケーション
外コミュニケーション 察知と共鳴動作
共鳴動作の対話化 追視と視線の共有
外コミュニケーションの基礎 意図・シグナルの交換
やりとりゲームと文法 
指さし行動と初語 延滞模倣

3 ことばの獲得
喃語から ことばの恣意性と演技
幼児語・成人語へ 再びセリフとは

第4章 会話のレッスン

竹内敏晴と柄本明 ことばが聞こえない
会話とはなにか 会話のレッスン
セリフを分節化しろ セリフは呼吸がすべてだ
セリフは一調二機三声だ 演技はできない

終 章 舞台とはなにか

なぜ緊張するのか 俳優の二重性

あとがき