< 分母に7の倍数の項がない交代級数 >
ゼータの香りの漂う公式から、面白い結果が出たので報告したい。 交代級数 1-1/2+1/3-1/4+1/5-1/6+1/7-1/8+1/9-1/10+1/11- ・・・=log2 は昔からよく知られている。 では、上とは似ているが少し違う次の交代級数は、いくらになるだろうか? 1-1/2+1/3-1/4+1/6-1/7+1/8-1/9+1/11-1/12+1/13-1/14+1/16-1/17+1/18-1/19+1/21- ・・・ 5の倍数の項だけがない不可思議な感じを漂わせる級数だが・・ これは(π/5)√(2-2/√5)に収束する。そしてそれはじつは(π/5)/sin(2π/5)である。(注記1)
こんなにもシンプルな値に収束するのである!
これがゼータの香りの漂う公式 1/(1^2+a^2) + 1/(2^2+ a^2) + 1/(3^2+ a^2) + 1/(4^2+ a^2) + ・・・=-1/(2a^2) + (π/(2a))・(e^(2aπ)+1)/( e^(2aπ)-1)
から初等的に出る。その導出過程を次に示す。
[導出過程] 1/(1^2+a^2) + 1/(2^2+ a^2) + 1/(3^2+ a^2) + 1/(4^2+ a^2) + 1/(5^2+ a^2) + ・・・
=-1/(2a^2) + (π/(2a))・(e^(2aπ)+1)/( e^(2aπ)-1) --- @
@の左辺と右辺のaに複素数 i/5を代入する。(iは虚数単位)
左辺
= 1/(1^2-(1/5)^2) + 1/(2^2-(1/5)^2) + 1/(3^2-(1/5)^2) + 1/(4^2-(1/5)^2) + 1/(5^2-(1/5)^2) + ・・・
= (5/2)[{1/(1-1/5) - 1/(1+1/5)} + {1/(2-1/5) - 1/(2+1/5)} + {1/(3-1/5) - 1/(3+1/5)}
+ {1/(4-1/5) - 1/(4+1/5)} + {1/(5-1/5) - 1/(5+1/5)} + {1/(6-1/5) - 1/(6+1/5)} + ・・・]
= (5/2)[{1/(4/5) - 1/(6/5)} + {1/(9/5) - 1/(11/5)} +{1/(14/5) - 1/(16/5)} +{1/(19/5) - 1/(21/5)}
+ {1/(24/5) - 1/(26/5)} +{1/(29/5) - 1/(31/5)} + ・・・]
= (25/2){1/4 - 1/6 + 1/9 - 1/11+ 1/14 - 1/16 + 1/19 - 1/21 + 1/24 - 1/26 + 1/29 - 1/31 + ・・・}
右辺
= -1/{2・(i/5)^2} + {π/(2(i/5))}・(e^(2πi/5)+1)/( e^(2πi/5)-1)
= 25/2 - (5πi/2)・(e^(πi/5)+e^(-πi/5))/( e^(πi/5)-e^(-πi/5))
= 25/2 - (5πi/2)・{cos(π/5)+i・sin(π/5)+cos(-π/5)+i・sin(-π/5)}/{cos(π/5)+i・sin(π/5)-cos(-π/5)-i・sin(-π/5)}
= 25/2 - (5π/2)・cos(π/5)/sin(π/5)
= 25/2 - (5π/2)/tan(π/5)
よって、左辺=右辺から、
(25/2){1/4 - 1/6 + 1/9 - 1/11+ 1/14 - 1/16 + 1/19 - 1/21 + 1/24 - 1/26 + 1/29 - 1/31 + ・・・}
= 25/2 - (5π/2)/tan(π/5)
これより、
1/4 - 1/6 + 1/9 - 1/11+ 1/14 - 1/16 + 1/19 - 1/21 + 1/24 - 1/26 + 1/29 - 1/31 + ・・・= 1- (π/5)/tan(π/5)
したがって、
1 - 1/4 + 1/6 -1/9 + 1/11 - 1/14 + 1/16 - 1/19 + 1/21 - 1/24 + 1/26 - 1/29 + 1/31 - ・・・
= (π/5)/tan(π/5) ---A-1
ここでtanの5倍角公式を使ってtan(π/5)を計算すると、tan(π/5)=√(5-2√5)となるので、A-1は次のようにも表わせる。
1 - 1/4 + 1/6 - 1/9 + 1/11 - 1/14 + 1/16 - 1/19 + 1/21 - 1/24 + 1/26 - 1/29 + 1/31 - ・・・
= (π/5)/√(5-2√5) ---A-2
まだ導出途中だが、この式(A-1 or A-2)も驚きの式であり、ふしぎな感じがする。この式は秩序だった式だが、ディリクレ
のL関数L(χ,s)ではない。つまりゼータではない。
次に、@の左辺と右辺のaに2i/5を代入する。(iは虚数単位)
上記とまったく同様に計算して、次式を得る。
1/2 - 1/3 + 1/7 - 1/8 + 1/12 - 1/13 + 1/17 - 1/18 + 1/22 - 1/23 + 1/27 - 1/28 + ・・・
= (π/5)/tan(2π/5) ---B-1
tanの5倍角公式を使いtan(2π/5)を計算すると、tan(2π/5)=√(5+2√5)となるから、B-1は次のようにも表わせる。
1/2 - 1/3 + 1/7 - 1/8 + 1/12 - 1/13 + 1/17 - 1/18 + 1/22 - 1/23 + 1/27 - 1/28 + ・・・
= (π/5)/√(5+2√5) ---B-2
この式(B-1 or B-2)も秩序があり、ふしぎが漂っている。この式もディリクレのL関数ではない、つまりゼータではない。
さて、これで準備が整った。A-1、A-2、B-1、B-2を並べてみよう。
1 - 1/4 + 1/6 -1/9 + 1/11 - 1/14 + 1/16 - 1/19 + 1/21 - 1/24 + 1/26 - 1/29 + 1/31 - ・・・
= (π/5)/tan(π/5) ---A-1
1 - 1/4 + 1/6 - 1/9 + 1/11 - 1/14 + 1/16 - 1/19 + 1/21 - 1/24 + 1/26 - 1/29 + 1/31 - ・・・
= (π/5)/√(5-2√5) ---A-2
1/2 - 1/3 + 1/7 - 1/8 + 1/12 - 1/13 + 1/17 - 1/18 + 1/22 - 1/23 + 1/27 - 1/28 + ・・・
= (π/5)/tan(2π/5) ---B-1
1/2 - 1/3 + 1/7 - 1/8 + 1/12 - 1/13 + 1/17 - 1/18 + 1/22 - 1/23 + 1/27 - 1/28 + ・・・
= (π/5)/√(5+2√5) ---B-2
A-2からB-2を辺々引き算して、次を得る。
1 - 1/2 + 1/3 - 1/4 + 1/6 - 1/7 + 1/8 - 1/9 + 1/11 - 1/12 + 1/13 - 1/14 + 1/16 - 1/17 + 1/18 - 1/19 + ・・・ =(π/5){1/√(5-2√5) - 1/√(5+2√5)}
=(π/5)[{√(5+2√5) - √(5-2√5)}/{√(5-2√5) ・√(5+2√5) }]
=(π/5){√(1+2/√5) - √(1-2/√5) }
=(π/5)√(2-2/√5)
A-1からB-1を辺々引き算して、次を得る。
1 - 1/2 + 1/3 - 1/4 + 1/6 - 1/7 + 1/8 - 1/9 + 1/11 - 1/12 + 1/13 - 1/14 + 1/16 - 1/17 + 1/18 - 1/19 + ・・・ =(π/5){1/tan(π/5) - 1/tan(2π/5)}
=(π/5){cos(π/5)/sin(π/5) - cos(2π/5)/sin(2π/5)}
=(π/5)・sin(2π/5 - π/5)/{sin(π/5)・sin(2π/5)}
=(π/5)・sin(π/5)/{sin(π/5)・sin(2π/5)}
=(π/5)/sin(2π/5)
少し項数を増やして表現しておこう。
1 - 1/2 + 1/3 - 1/4 + 1/6 - 1/7 + 1/8 - 1/9 + 1/11 - 1/12 + 1/13 - 1/14 + 1/16 - 1/17 + 1/18 - 1/19
+ 1/21 - 1/22 + 1/23 - 1/24 + 1/26 - 1/27 + 1/28 - 1/29 + 1/31 - 1/32 + 1/33 - 1/34 + 1/36 - ・・・
= (π/5)√(2-2/√5)
または
1 - 1/2 + 1/3 - 1/4 + 1/6 - 1/7 + 1/8 - 1/9 + 1/11 - 1/12 + 1/13 - 1/14 + 1/16 - 1/17 + 1/18 - 1/19
+ 1/21 - 1/22 + 1/23 - 1/24 + 1/26 - 1/27 + 1/28 - 1/29 + 1/31 - 1/32 + 1/33 - 1/34 + 1/36 - ・・・
= (π/5)/sin(2π/5)
このようにして「分母に5の倍数の項がない交代級数」とその値(収束値)が得られた。
言わずもがなかもしれないが、この5の倍数の項がない交代級数もL(χ,s)ではない(ディリクレ指標の規則に合っていない)。
すなわちゼータではない。 [終わり]
この交代級数は、いつまで眺めていても飽きないというのか、どこまでも不思議が残っていく式である。読者はどう思われる
だろうか。
上では、aにi/5と2i/5を代入したが、4i/5を代入した場合はi/5代入の結果に一致し、また3i/5を代入した場合は2i/5代入の
結果に一致する。詳細は略す。
Excelマクロを使って数値的にも検証しておいた。2億項まで計算した結果を次に示す。(小数点以下8桁で表示)
右辺= (π/5)√(2-2/√5)=(π/5)/sin(2π/5)=0.66065320
左辺2万項まで=0.66063720
左辺20万項まで=0.66065160
左辺2000万項まで=0.66065318
左辺2億項まで=0.66065320
このように左辺、右辺で合致した。
(注記1)この結果を得たとき、何人かの数学の仲間にメールで「 5の倍数の項がない交代級数の値が得られた。その値は、
(π/5){√(1+2/√5)-√(1-2/√5)} となった。」と知らせた。みな一様に「興味深い」「不思議な感じ」という意味の感想を述べ
られた。その中でSugimoto氏が{√(1+2/√5)-√(1-2/√5)}の部分に対し、次の変形を示された。これには驚いた。つまり、
この級数は(4/√5)(π/5)sin(π/5) になることを示されたわけである。
√(1+2/√5)-√(1-2/√5) = √(2-2/√5) = √(10-2√5)/√5 = (4/√5) sin(π/5)
私は、この変形に触発されて二つのtan(π/5)、tan(2π/5)の形で止めていた計算をさらにおし進め、(π/5)/sin(2π/5)に行
き着くことができた([導出過程]参照)。Sugimoto氏に感謝したい。
今回の結果をまとめておく。
次に、分母に7の倍数の項がない交代級数を求めたい。すなわち次の値を求めよう。 1-1/2+1/3-1/4+1/5-1/6+1/8-1/9+1/10-1/11+1/12-1/13+1/15-1/16+1/17-1/18+1/19-1/20+1/22- ・・・
まず 1/7, 1/14, 1/21・・と7の倍数の項が抜けた交代級数となっていることに着目いただきたい。これもやはりふしぎを漂わ
せている。
答を先に述べると、この級数は (π/7){1/tan(π/7) - 1/tan(2π/7) + 1/tan(3π/7)}に収束する。
これをさらに変形してもう少しシンプルな表現にすることもできるが、この表現こそが本質的に重要である。それはあとで説明
したい。 この「7の倍数の項がない交代級数」もゼータの香りの漂う公式 1/(1^2+a^2) + 1/(2^2+ a^2) + 1/(3^2+ a^2) + 1/(4^2+ a^2) + ・・・=-1/(2a^2) + (π/(2a))・(e^(2aπ)+1)/( e^(2aπ)-1)
から初等的に出る。その導出過程を次に示す。
[導出過程] 1/(1^2+a^2) + 1/(2^2+ a^2) + 1/(3^2+ a^2) + 1/(4^2+ a^2) + 1/(5^2+ a^2) + ・・・
=-1/(2a^2) + (π/(2a))・(e^(2aπ)+1)/( e^(2aπ)-1) --- @
@の左辺と右辺のaに複素数 i/7を代入する。(iは虚数単位)
左辺
= 1/(1^2-(1/7)^2) + 1/(2^2-(1/7)^2) + 1/(3^2-(1/7)^2) + 1/(4^2-(1/7)^2) + 1/(5^2-(1/7)^2) + ・・・
= (7/2)[{1/(1-1/7) - 1/(1+1/7)} + {1/(2-1/7) - 1/(2+1/7)} + {1/(3-1/7) - 1/(3+1/7)}
+ {1/(4-1/7) - 1/(4+1/7)} + {1/(5-1/7) - 1/(5+1/7)} + {1/(6-1/7) - 1/(6+1/7)} + ・・・]
= (7/2)[{1/(6/7) - 1/(8/7)} + {1/(13/7) - 1/(15/7)} +{1/(20/7) - 1/(22/7)} +{1/(27/7) - 1/(29/7)}
+ {1/(34/7) - 1/(36/7)} +{1/(41/7) - 1/(43/7)} + ・・・]
= (49/2){1/6- 1/8 + 1/13 - 1/15+ 1/20 - 1/22 + 1/27 - 1/29 + 1/34 - 1/36 + 1/41 - 1/43 + ・・・}
右辺
= -1/{2・(i/7)^2} + {π/(2(i/7))}・(e^(2πi/7)+1)/( e^(2πi/7)-1)
= 49/2 - (7πi/2)・(e^(πi/7)+e^(-πi/7))/( e^(πi/7)-e^(-πi/7))
= 49/2 - (7πi/2)・{cos(π/7)+i・sin(π/7)+cos(-π/7)+i・sin(-π/7)}/{cos(π/7)+i・sin(π/7)-cos(-π/7)-i・sin(-π/7)}
= 49/2 - (7π/2)・cos(π/7)/sin(π/7)
= 49/2 - (7π/2)/tan(π/7)
よって、左辺=右辺から、
(49/2){1/6- 1/8 + 1/13 - 1/15+ 1/20 - 1/22 + 1/27 - 1/29 + 1/34 - 1/36 + 1/41 - 1/43 + ・・・}
= 49/2 - (7π/2)/tan(π/7)
これより、
1/6- 1/8 + 1/13 - 1/15+ 1/20 - 1/22 + 1/27 - 1/29 + 1/34 - 1/36 + 1/41 - 1/43 + ・・・= 1- (π/7)/tan(π/7)
したがって、
1 - 1/6 + 1/8 - 1/13 + 1/15 - 1/20 + 1/22 - 1/27 + 1/29 - 1/34 + 1/36 - 1/41 + 1/43 - 1/48 + ・・・
= (π/7)/tan(π/7) ---A-1
次に、@の左辺と右辺のaに2i/7を代入する。上記と同様に計算して、次式を得る。
1/2 - 1/5 + 1/9 - 1/12 + 1/16 - 1/19 + 1/23 - 1/26 + 1/30 - 1/33 + 1/37 - 1/40 + 1/44 - 1/47 + ・・・
= (π/7)/tan(2π/7) ---A-2
さらに次に、@の左辺と右辺のaに3i/7を代入する。上記と同様に計算して、次式を得る。
1/3 - 1/4 + 1/10 - 1/11 + 1/17 - 1/18 + 1/24 - 1/25 + 1/31 - 1/32 + 1/38 - 1/39 + 1/45 - 1/46 + ・・・
= (π/7)/tan(3π/7) ---A-3
これら三式も深いものを感じさせる。これらはL(χ,s)ではない、つまりゼータではない。
これら三式を組み合わせて、すなわち (A-1) - (A-2) + (A-3) を計算して次の「7の倍数の項がない交代級数」を得る。
1-1/2+1/3-1/4+1/5-1/6+1/8-1/9+1/10-1/11+1/12-1/13+1/15-1/16+1/17-1/18+1/19-1/20+1/22- ・・・
= (π/7){1/tan(π/7) - 1/tan(2π/7) + 1/tan(3π/7)}
このようにして目的の級数の値が求まった。
[終わり]
導出は以上の通りだが、この級数も奥深いものを感じさせてくれる。
1-1/2+1/3-1/4+1/5-1/6+1/8-1/9+1/10-1/11+1/12-1/13+1/15-1/16+1/17-1/18+1/19-1/20+1/22- ・・・
= (π/7){1/tan(π/7) - 1/tan(2π/7) + 1/tan(3π/7)}
上では、aにi/7と2i/7と3i/7を代入したが、目的の値を求めるにはそれで十分である。
Excelマクロを使って数値的にも検証しておいた。6千万項まで計算した結果を次に示す。(小数点以下7桁で表示)
右辺= (π/7){1/tan(π/7) - 1/tan(2π/7) + 1/tan(3π/7)}=0.6764708
左辺6万項まで=0.6764647
左辺60万項まで=0.6764702
左辺6000万項まで=0.6764708
このように左辺、右辺で合致した。
さて、なぜ右辺を (π/7){1/tan(π/7) - 1/tan(2π/7) + 1/tan(3π/7)}の形で置いておくのがよいかを説明したい。
5の倍数の項がない交代級数の導出では、
1 - 1/2 + 1/3 - 1/4 + 1/6 - 1/7 + 1/8 - 1/9 + 1/11 - 1/12 + 1/13 - 1/14 + 1/16 - 1/17 + 1/18 - 1/19 + ・・・
=(π/5){1/tan(π/5) - 1/tan(2π/5)}
がまず出て、この右辺をさらに変形したわけだが、本質的にはここで置いておくべきであった。
なぜなら、「素数pの倍数の項がない交代級数」では、そのpの半分未満(p/2未満)の個数の
tan(○π/p)を足したり、引いたりするだけでその値が求まるからである!
1 - 1/2 + 1/4 - 1/5 + 1/7 - 1/8 + 1/10 - 1/11 + 1/13 - 1/14 + 1/16 - 1/17 + ・・・=π/(3√3)
導出過程からもわかるとおり、これは、
1 - 1/2 + 1/4 - 1/5 + 1/7 - 1/8 + 1/10 - 1/11 + 1/13 - 1/14 + 1/16 - 1/17 + ・・・=(π/3)/tan(π/3)
なのである!
これは、ディリクレのL関数L(χ,s)のLA(1)として求めたものだが、よく見ると、3の倍数の項がない交代級数となっている。
ここで、3、5、7それぞれの倍数の項がない交代級数を三つ並べてみよう。
<3の倍数の項がない交代級数>
1 - 1/2 + 1/4 - 1/5 + 1/7 - 1/8 + 1/10 - 1/11 + 1/13 - 1/14 + 1/16 - 1/17 + ・・・
=(π/3)/tan(π/3)
<5の倍数の項がない交代級数>
1 - 1/2 + 1/3 - 1/4 + 1/6 - 1/7 + 1/8 - 1/9 + 1/11 - 1/12 + 1/13 - 1/14 + 1/16 - 1/17 + 1/18 - 1/19 + ・・・
=(π/5){1/tan(π/5) - 1/tan(2π/5)}
<7の倍数の項がない交代級数>
1-1/2+1/3-1/4+1/5-1/6+1/8-1/9+1/10-1/11+1/12-1/13+1/15-1/16+1/17-1/18+1/19-1/20+1/22- ・・・
= (π/7){1/tan(π/7) - 1/tan(2π/7) + 1/tan(3π/7)}
これらの右辺を見て、何か規則性を感じないだろうか。
そう、上記で述べたように「素数pの倍数の項がない交代級数」では、pの半分未満(p/2未満)の個数のtan(○π/p)を足した
り引いたりするだけでその値が出てくるのである。
このような極めて美しい秩序が存在しているのである!
では、11の倍数の項がない交代級数はどうなるだろうか。もはや簡単に類推できるのではないかと思うが次のようになる。
<11の倍数の項がない交代級数>
1-1/2+1/3-1/4+1/5-1/6+1/7-1/8+1/9-1/10+1/12-1/13+1/14-1/15+1/16-1/17+1/18-1/19+1/20-1/21+1/23
-1/24+1/25-1/26+1/27-1/28+1/29-1/30+1/31-1/32+1/34-1/35+1/36-1/37+1/38-1/39+1/40-1/41+1/42
-1/43+1/45-1/46+1/47-1/48+1/49-1/50+1/51-1/52+1/53-1/54+1/56-1/57+1/58-1/59+1/60-1/61+ ・・・
= (π/11){1/tan(π/11) - 1/tan(2π/11) + 1/tan(3π/11)- 1/tan(4π/11) + 1/tan(5π/11)}
このように異様に美しい秩序が存在していたのである。
まとめておきたい。 11の倍数の項がないの場合も同様に導出できるので、3の倍数の項がない場合ともあわせてその結果を
載せておく。
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