かわいい・じっちゃまとばっちゃま * エッセイ民話 * Mog

       立派な持病もあり、たびたび入院した、そんなときの、はなしじゃ。
    入院した当日は、気が付かにゃあけぇど、2〜3日もすりゃあ、不思議な
    連帯感が わいてきて、話し掛けるようになる。

     そねぇな中に、ときたま、見かける、かわいいじっちゃまや、かわいい
    ばっちゃまが、 おった、もちろん、かわいげどころか、ひね曲ったんが、多ぇえ

     見舞いが来たとき、ようわかる。まず、「よぉ来てくれた」と労をねぎらう、
    相手が子供なら、「今日、学校でなにがあった?」と聞く、自分のこたぁ、
    ほってぇて (おいといて)、家族のことを聞く、

     相手により、「あきにゃあ(商売)は?」、百姓なら、「よけぇ、とれたか?」、
    もっばら聞き役、

     お見舞いが出りゃあ、必ず頭を下げ、両手で受け取り、全身で感謝を
    表現している。
    その間にも、病室中のイスを借り集め、全員が座れるように、気を配り
    接待これつとめる。

     様態を聞かれても、「わしゃあ、良ぇ、わしゃあ、良ぇ」と過小評価する。
    客が帰る時には、とにかく見送りに行く、杖をついても、車椅子でも
    かまやぁせん、
    本当の寝たきりでも、両手をいっぱいに振って、「ありがとう」 を連発する。

     頂いたものが食品なら、菓子であれ、くだものであれ、かならず
    切り分けて、部屋の全員にくばる。 
    このときも、「あんた、これを食うても良いかのぅ?」 と食事制限や好みを
    聞きながら、・・・・・・・・・・・・・

     終りに、部屋の全員に、まご娘の○○とか、近所の○○さんとか話し、
    「お騒がせしました」 でしめくくる。   病人もかくありたいもの。

     BUT・BUT じゃがしかし、なみの、お方は、そうはいかねぇ、
    まして、御老体ともなれば、せっかく、来てくれた見舞いにも、
    「なんで、来たんなら?」 言うような仏頂面さげて、子供でもくれば、
    「こかぁ、子供の来るところじゃあねぇ」、

     見舞いが出ても、手も出さねぇ、イスも出さねぇ、帰りかけても、
    見送らねぇ、 いよいよ、見えなくなると、急いで仕舞う、
    食いもんなら、ひとりで隅のほうで、ぼそぼそ食よぉる、

       相手が家族なら、「痛てぇ・痛てぇ」の連発、
    「庭の草取りゃあ?」「盆栽は枯らすな!」「犬の散歩は!・・」
    注文の多えぇことが、「ありがとう」 も 「ごくろうさん」もなし、

         他山の石か・・よそのじじ!、わしも、あねぇに、ならにゃあ良いが!!!

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