いろんな職場のことば * エッセイ民話 * Mog
       

     
  1. 有機無農薬* 農業関係者の話
  2.  

               有機無農薬という言葉がある、
     有機とは、化学肥料の替わりに堆肥を使うことで、イナワラや落ち葉を積んで 
    米ぬかや家畜の床敷きや糞尿・・・昔は人糞尿も・・・等々を振りかけ、混入し 
    発酵させたもので、チッソ分が多いため、骨粉や草木灰等を併用することもある。
     無農薬とは、農薬を使わないことだが、炭焼きのときできる・・・・
    木酢液等の「自然農薬」は使う、除草剤を使わぬ分、草取りは多くなる、
     害虫を遮断するために、目の細かい「ネット」・・・ガーゼみたいな網をかぶせる、
    それやこれやで、経費や労力は・・・特に労力は大変なもので、生産農家の善意に
    ささえられている。
    お店に並んだとき、消費者は「高い」と思うがやむを得ない。
     農協は「この薬は、収穫の何日前までに」と厳密に指導する。
     しかし、消費者のぜいたく・・・無知による「わがまま」もある、
    ハクサイに虫のあとでもあればつき返す、ダイコンに僅かな病斑が見つかると
    もう食わない。生産者も「クレーム」を恐れて多めに使おうとする。
    5年前とか10年前に使った農薬は土に残っているし、
    大雨のとき上の田畑から水が流れ込む。
     輸入品に使われた農薬はもっとずさんで。 日本で使われない農薬は、
    ほとんど検査もしない、(2006年当時) 
     大型温室で、水耕栽培した野菜に、「完全無農薬」と表示していたところ、
    販売店にたいして、お役所から「不当表示」と止められた例もある。

  3. 畝俵(せびょう)* 農業関係者の話
  4.  
                      畝俵(せびょう)という言葉がある
     米が1畝(せ)あたり1俵収穫できたという、1反あたり10俵、今風に言うと
    10aに600kgということか。
     昔は反当6俵くらいが普通の収穫といわれていた。・・・・それが10俵も獲れると
    よくよく、土質や気候に恵まれたところで、よくよくの精農家・・・努力する農家で、
    と、評判になるほどだった。時には若干の誇張やホラもあったが。
     昔は北海道には米は獲れず、寒冷地はしばしば冷害に見舞われていた、
    1つには品種改良もある、1つには栽培技術の向上もある、一番大きいのは虫も
    病気も出させない農薬である。
     いつの間にか北海道にも米が獲れ、寒冷地は穀倉地帯となった。今では「畝俵」も
    普通の収穫量となった。しかし米価は下がる一方である。

  5. ポストハーベスト* 農業関係者の話
  6.  

               ポストハーベストという言葉がある、
     収穫した穀物・主に小麦にたっぷりと粉剤を振りかけて、船の輸送中に虫もカビも
    絶対につかないようにする、陸揚げするとき海上に吹き飛ばすから大丈夫だとか、
    日本人が食うだけだとか、しかしこの粉剤の使用は日本では許可されてはいない。
     この小麦が、パンやうどんの大部分に使われており、給食にも使われている。
     我が家では毎日「めし」はたいているが、家族の朝食はトーストで、
    子供の家庭では米の消費量はずっと少ない。
     BUT BUTじゃがしかし、白くなるほどの粉剤を振りかけた小麦を見た者は
    パンを買ってまでは食えない。うどんも美味くはない。

     
  7. 遺伝子組み換え* 農業関係者の話
  8.  

                  遺伝子組み換えという言葉がある、
     植物・中でも農産物の遺伝子を操作して、より優秀な品種を作る技術で、何百年も
    かかる品種改良が数年で可能になる、できなかったこともできてくる、
    けっこうな話である、大切な研究でもあるが、
     大豆の場合、ある除草剤に特に強い品種ができた、草が生えると、除草剤をどっと
    かける、雑草はすぐ枯れるが、大豆は元気である、
     この大豆は日本では栽培は認められていないが、なぜか輸入は認めてしまった、
    トーフを買うとき、「遺伝子組み換え大豆は使用していない」とあるのはこのことで
    食用油やしょうゆ等では表示もあいまいで、この大豆が広く使われている、
    その分、除草剤を食うことになる、
     遺伝子組み換え大豆の輸入を禁じているフランスが、日本の輸入開始にあたって
    「日本は壮大な人体実験をはじめた」と言った。

  9. 農政* 農業関係者の話
  10.  

               農政という言葉がある
     「無うせい」(なくせ)の意味もある、農業政策は農家の将来を約束するものでも、
    消費者の食物を確保するものでもないようで、
     あるときには米作を奨励し、ニワトリを奨励し、また乳牛を奨励してきたが、今では
    輸入の自由化やら、関税の撤廃やら、外国の圧力に押されて、次々と農産物の自由化を
    約束しているが、歯止めが無い、米はここまで、牛肉はここまで、大豆はここまで
    自給するといった「めど」がない、政策目標だけはあるが。
     富国強兵を目指すにも、平和国家を目指すにも、兵糧ぜめには弱い、
     イギリスも肉や小麦の一定の自給はたもっているし、アメリカでは大豆の不作の
    年にはすぐに輸出を禁止した例もある、(当然日本に対しても、)
     今、日本の農業は高齢者がやっとささえている。

  11. ぬるま湯ガエル* 農業関係者の話
  12.  

               カエルが熱い湯に入ると、あわてて飛び出すので助かるが、
    ぬるま湯の中にいて、いつの間にか熱くなると、
    逃げ出すチャンスを失って死んでしまうそうで、
    (このこと自体科学的にはおかしいが)
     急に、農業の税金が跳ね上がったりすれば、
    農民も慌てて離農して助かるが、
    いつの間にか、肥料も、農薬も、税金も上がり、
    できた農産物は、輸入に押されて下がってくれば
    離農のチャンスも失って、助からないとか。

  13. ボスミン* 病院で聞いたはなし
  14.  


                 病院の会話に、「仮病・大げさ」 を現す言葉や
      「さじを投げた」 時の言葉があります。
    学術専門用語か、その病院だけの隠語か
    よう解かりませんが、
    影響が大けぇんで、止めときます。


     耳鼻科で処置中に、先生が、「ボスミン」 ということが
    あります。

     「ボスミン」 は商品名で、副腎の髄質から出るホルモンで 
    「アドレナリン」のこと、
    Long Long Ago の昔、喘息で度々使ったので、
     よう、知っとります、

     血圧を上げ、呼吸が楽になるようで、でも心臓に 
        良ぅねぇとか、今は使いません。

     このクスリがどういう訳か、血止めにもなるようで、
    なにか「風が吹けば桶屋が儲かる」ようなはなしで、

     先生がつつきすぎて、失礼、手元が狂ぅて、またまた失礼、
    出血だ、ソレ、血止めだ、
     この時、「ボスミン」 と言うようで、
    看護婦さん(昔はみんな)が差し出す「ワタ」 にはこれがたっぷり
    しゅんでいて、少々の出血ならすぐ止まるようで。

     むかし、ぐっしょり、今も、ぐっしょり 



  15. 落ちる* 動物園で聞いたはなし
  16.  


               サルが 「落ちた」 と言う、サルも木から落ちるとか、

      ゾウが 「落ちた」 と言う、 え ??


       動物園関係者は死んだことを 「落ちた」 という、

      これなら誰に聞かれてもかまわない。


       BUT BUTじゃがしかし、

      部長が 「落ちた」 とか、園長が 「落ちた」 等とはけっして

      言わないようで。丁寧に「落ちられました」とか 


                  むかし、ずっしん



  17. 大工さんのことば * 動物が多い
  18.  


                と言うのがあった


    今で言う、キャタツ、昔は折りたたみも無く、電信柱を切ったようなものに

    がっちり4本の足を付け、その上で作業しとった、

      どっしりと安定して、馬の風格があった、

    ねこと言うのがあった

     ねことも、ねこ車とも言って、木でできた長い一輪車に、なんでも乗せて運んでいた。

    ねこも見かけんようになった、その後広く使われていたリヤカーももう無い、

    鉄板の小さな一輪車をときどき見るが

    たこと言うのがあった

     建築前の地固めに使っていた、電信柱の輪切りに足が4本出ていて、

    それを4人で持って、足は8本になる、掛け声に合わせて、一気に一声に大地に叩きつける、

    足の数から、手作りのこの道具を「たこ」と呼んでいた。

    殺すと言うのもある

     しっかり締めて、緩まぬようにということだが、「殺したかぁ」とか

    「殺しとけぇよう」こんなのを聞いたらこわい



    葬儀屋で聞いたはなし

         *** 葬儀屋も、埋葬も、ものすごく様変わりしてきたようで ***

  19. 散骨 * 葬儀屋で
  20.  
               散骨というのがある、焼いた骨は少なめに取って、細かく砕いて海に撒くとか、
    海水浴場などが近くにない、問題のない所で、海岸より○○Km離すとか、
     本人の要望で「思い出の○○海岸に頼む」というのが増えてきたとか、
     とにかく安く済むし、なにより後くされがなくていい、
    But But じゃがしかし、遠く離れた所を希望していると、けっこう高くつくし、
    行くのも大変だし、「もう 近くに流しとけぇ」てなことになるのもあるとか。

  21. 直火 * 葬儀屋で
  22.  
               直火と書いてチョッカと読む、
    「葬儀も、埋葬も、何も要らんから、焼くだけ焼いてくれ」とにかく安く、簡単に、
    早くというのがこれ、当節、失業者も増え、離婚も増え、家出も増え、ホームレスも増え、
    一人住まいで、身内も不明といった仏も増えて、大家や近所が引き取り手を捜すが
    わからない、役場がやっと捜しても、受け取り拒否になったり・・大変なのがこれ。

  23. 手元供養 * 葬儀屋で
  24.  
               特製の小さな・小さな骨壷(七味入れよりやや大きいか)に、ほんの少しだけ骨を納め、
    これまた小さな仏壇の下に収納するというもの、 安くて済むし、
    いつでもお参りできるし、(する気があれば) 転勤族の間で人気上昇中とか。
    他にも焼骨をオブジェに組み込んだり、ペンダントに加工したり、
    こんなのが 増えたら、石屋が困るでぇ、でもなぁ、普及はまだほんの一部で
    あまり、知られてもねぇ。
     「ご先祖様に申しわけねぇ、わしの目の黒れぇ内は・・・・・・・・・」という
    お年寄りも、だんだん亡くなっているから、先のこたぁ、わからん。

  25. 樹木葬 * 葬儀屋で
  26.  
               樹木葬というのがある、
    山の指定された所に木や竹の容器に入れ、埋葬して、そこに木を植えるとか、
    地球環境に理解と憧憬の深い自然派は特に望むが、ご家族は?ネェ・・・・・・・・
     我パソコンをひもとくと、全国で数ヵ所あったが金額がない、いや、一ヶ所
    だけあったが数十万と高い、原野商法を彷彿とさせる。
     後日「本人が近くの海に散骨を希望して・・・・・・」てなことになるやも。

  27. 献体 * 葬儀屋で
  28.  
                 献体というのもある、
     「持病もあり、病院にも、お医者にも、看護婦さんにも大変お世話になった
    後は献体して、少しでも医学のお役に立ちたい、」という崇高なのがこれ、
    各県の医大でやっており、遺骨や位牌やらを納骨堂に納め、年に一回法要もしてくれる、
    安くすむし、後々全自動とか。

  29. 分骨 * 葬儀屋で
  30.  
               古典的なのがこれ、2号邸にもお墓がほしい、とか、いやいやもっと立派なのも
    あった、会社に特に功績のあった人を、会社にも埋葬したいとか、
    歴史上の有名人の墓が何ヵ所かあったとか、
     歴史が長いだけに、社会的にも、法律的にも認められて、
    「分骨願いやら、分骨許可証もあって、焼き場で「骨」のかけらを盗むんじゃあ
    ないようで、
     不景気な昨今、減るでしょうなぁ、いやぁ、まずねぇでしょうなぁ。

  31. 代行 * 葬儀屋で
  32.  
               代行も車の運転代行だけじゃねぇ、墓参りの代行も前からあった、
    代参とも言ようた、墓の周りの草を取って掃除し、墓石も洗って花を添え、
    線香も立てて、○年○月○日、墓参と記した写真を送ってくれる。
     散骨等にも「代行」があるとか、
     便利な時代になったもんじゃ、金・金・金はつくけぇど。

       *** 葬儀屋のコマーシャルも明るぅなって、葬式のイメージはねぇ、***
       *** 霊柩車の飾りも少のぅなって、よぅ分からん、           ***
       *** 霊柩車が出る時の「ポワー」は昔と変わらんのぅ、***



            
  33. ジャガイモの種いも* 農家で聞いたはなし
  34.  


                 ジャガイモの種いものことじゃあ、1つまるごと種にしたら、
      よけぇこと種いもが要るけぇ、3つとか4つとかに切るわなぁ、
    この切り方が問題でなぁ、切った1つ1つに芽がつくようにする、
    こりゃあ当然じゃが、もう1つ「こつ」があるんじゃ、
    真ん中の元気な芽をつけて3つとか4つに切るんじゃ、
    小さい芽がついていても良ぇことにゃあならん、
    長げぇことジャガイモをつくってきたわしが言うんじゃ、
    間違ぇねぇ、だまされた思ぅてやってみぃ。
    もちろん、芽のない「切れ」は腐るだけじゃあ 



  35. 三味線のはなし*演奏者に聞いた
  36.  


                 まず、お尋ねしたいのは、
      ピアノでもギターでも、「ド」の音の位置は決まっていますが、
    三味線の場合は指の定位置がなく、少し高くても、
    低くても鳴ります、合奏のとき、バラバラにならないですか?
    また、習うとき指の位置が決めにくく、方言のように少々
    高めや低めのまま固定化してしまわないですか?

     初心者の三味線には「ゲン」の上の見やすいところに
    「2」とか「4」とか数字のシールが貼られていて、
    そこを押さえます。上の一本目はともかく、二本目・三本目
    ともなると、見る角度によってすこしずれ易い、
    しかし、練習中に先生から、「高い」とか「低い」とか
    たびたび指摘されるので、「4」の音はこの姿勢で手指の
    位置はこうと、身体で覚えこみます、音の高さは「ドレミ」
    ではなく、2の糸の4とか3の糸の7という言い方をします。
    ひく前に尺八や専用の笛で音を合わせます、
    尺八は上級者があたり、専用の笛は「4」とか「6」とかの
    いろいろな音が出て、それに合わせます。
    最初の音合わせと、身体の角度や指の位置で「4」の音は
    こうと決まってきます。
    しかし、「ゲン」は前の音に戻ろうとして、少し高くなったり
    低くなったりしてきます、これに自分が気がついたり、先生に
    指摘されると、音を調整します、このときが演奏中でも
    音の調整は押さえる指ではなく、「ゲン」の「張り具合」です、
    「ゲン」の調整は「さっと」やらねばならないしできます
    そうでないと人前・舞台には出られません。
    私どものところでは準師範以上でないと出られないのです。

     三味線とも蛇皮線ともかきますが
    今は何の皮が使われていますか?
    沖縄のは蛇皮線・・へびのかわです、種類は分かりません。
    私たちが使う稽古用の三味線が、合成の皮で7万円〜8万円
    くらいだと思います。小学校で使うのはもっと安く、
    本物の三味線の音色とはずいぶん違うと思われます。
    良い三味線は100万円ぐらいします、かなり良いと200万円
    はします、これはもちろん猫の皮です、中間は犬の皮です。

     「三味線を抱えた放浪の旅」と言いますが皮は丈夫ですか?

     水には弱いです。濡れたときはわかりませんが、
    乾くとき破れます、猫の皮が薄いので特に弱く、つぎが犬、
    合成品はやや強いですが、張った所がはがれてくるし、
    音もよくないです。

     三味線の演奏で他の楽器と違うのは?

     たたくのは「バチ」で、押さえるのは「指のツメ」です、
    「指のハラ」は使いません、この「ツメ」の位置が
    1ミリずれても音は違ってきます。
    「バチ」もたたくように押さえて止めるのや、たたいて
    はねるのや、押さえたのを離すだけのもあります。
    ピアノなどは音の「ふれ」がありません、沖縄の蛇皮線も
    「ふれ」をとっています、この微妙な「ふれ」を
    「さわり」と言い、こちらの三味線の特徴です、これが
    良い音に聞こえます。

     三味線の舞台を観ていると、だれも楽譜を見ていません、
    吹奏楽とか管弦楽とかでは、全員が楽譜を前に演奏して
    いますが?

     上手な人は寸暇を惜しんで練習しています、夢の中でも
    三味線がひけるくらい覚えこんで舞台に出ます、譜面
    には頼らないようにしています。
    でも歌手と共演するとき、その方がプロでもアマでも
    私たちは黒子に徹します、
    歌手が高めなら高めに、低めなら低めにあわせます。
    万一歌手が2番をとばして3番を歌い早く終わった
    ときには一緒に終わります、そのために譜面を
    見ながらひきます。この譜面も「2や4」の数字で歌詞も
    ついています。

     習う人は多いですか?

     少ないです、ピアノは学校の授業にひくからとか、
    保母や学校の先生とか、音楽の道にすすめたらと子どもに
    習わせる方もあり、教室もあちこちにありますが、
    三味線の方は出会いが少なく、習う人はずっとすくないです。

     三味線を習うのに困ったことは?

     近くに教室がないこと、楽器が高価なこともありますが
    はじめ指の位置が定まらないことです。
    やっと少しひけるようになった時、たよりのシールを
    はがされます、この時はパニックでした。



    バス停の名前 


  37. バス停の名前* うん十年むかし  バスガイドのはなし
  38.  


             
     そのこらぁ、バスは運転手と車しょうが「セット」で

    乗りょうて、女性は先でバスガイドになって、

    男は先で運転手になりょうた、

    そんなころのはなしじゃあ、



     南のほうに「秀天」という停留所がございまして、

    車しょうが「しゅうてんです」と言いますと、

    みな、降りてしまいますので、「秀天橋」となったそうです


     すこし北に「草生」・・・くそう という

    停留所がございまして、男性の車掌ならまだよろしい、

    「くそう・くそう」言うだけですから、

    女性の車掌ならそうはまいりません、

    「みなさん、くそう、ございませんか」と言いますので

    乗客の皆さんは鼻をつまんだそうでございます。

     今も草生の停留所はございますが車掌は居りません、

    電光掲示板に「草生」と表示されるだけでございます。

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