人間関係ショートショート
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−もう,あがっちゃって..−

 「私はあがり症で困っちゃう」「人と話すのも苦痛なんだ」.最近うちのお客さまに多いかも...人にどんなふうに自分のこと見られてるんだろう? ひょっとして嫌な気分与えてないかな? ドジったらカッコ悪いなぁ.失敗したら嫌われちゃうかも..そんな思いで,頭ん中,一杯になっちゃっていないかな?
 心臓バコバコ,手は汗握ってぐっしょりと,もう酸欠で倒れそう...当たり前なんだよねぇ,これが..人には自律神経って神経があって,こいつが心臓の動きや呼吸の調節をしている.この神経にはアクセル役の交感神経とブレーキ役の副交感神経があって,両方が綱引きみたいに働くわけ.ある時は交感,ある時は副交感,どちらかがより優位になる.交感神経が緊張した時に,そのような症状が起こるんだな.しかし,なんで緊張した時に起こるわけ? 交感神経は攻撃の神経ともいって,これから臨戦体勢に入るぞって時,鼓動を速くして,血液を全身にたくさん回したり,手のひらに汗かかせて滑りにくくしたり,戦う準備を整える.自律神経的にいうと,これが「あがり」ってことになるのかな.なにも戦うわけでもないから,辛いよね
森田療法(2):「予期不安」と「精神交互作用」).
 前にも「森田療法(1)」「人の目が怖い?」ってところでお話したけれど,例えば上司との面接で,自分のプランを話そうって時.「うまく話さないとダメなやつなんて思われるよな,そんなんじゃ採用ムリだよな」そんなふうに思うから,あがっちゃう.ではお尋ねします.その上司との面接の目的はなに? 上司はあなたに,今後の仕事のプランを要求している.仕事においては成果が大事.それをうまく達成させるためのプランの提出.上司としてはプランの内容を知りたいわけで,うまくできると察しがつけば,面接の目的は達せられる.その過程において,あなたが話をする時に,多少ドジしようと関係がない.内容が正確に伝わりさえすれば,それで十分.にもかかわらず,カッコよく見せたいという意識が働き,頭がパニック... あぁもう,こんな面接やめてくれぇ〜.
 誰だって自分のことよく見せたいよ.上司に認めて欲しい.これ,当たり前の感情.だけど,その気持ちが強すぎると,いま言ったようなことになっちゃうよね.あがっちゃって,もうやだよ.そんな不安な気持ちで一杯になってる時,一息ついて,「いまやろうとしていることは,何のためなのか?」そんなことを考えてみよう.間違えてもいい,詰まってもいい.一所懸命なあなたの姿勢,きっと相手に伝わるよ.それでうまく行った時,それが自信につながって,次回の「あがり」,きっと少なくなると思うよ.
 
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