「I LOVE YOU/OFF COURSE」
5人編成時代のオフコース最後のオリジナルアルバム。このアルバムが発表される直前には伝説の武道館コンサートが行われ、最終日には“言葉にできない”を演奏中に泣き出してしまう小田さんの姿もありました。その最終日の翌日、そしてこのアルバムの発売日には新聞の全面広告でオフコース解散を発表するだったはずが、事前にマスコミに知られたために解散を見送ったとのこと。
ということで、このアルバムの曲は何故1年以上前に発表したシングルを今頃になって再録して収録したのかわからない“I LOVE YOU”の他はライブで演奏されたことがありません。また先行シングル“YES YES YES”以外は地味目で有名な曲はありませんが、逆にアルバムとして非常にまとまっていて渋いアルバムに仕上がっています。更に小田以外のメンバーの曲の占める割合が大きいのも大きな特徴。前作「over」が小田色の濃いアルバムだったことと対称的。
私はヤスさん(鈴木康博)や松尾(一彦)さんの方が小田さんよりも好きなので当然このアルバムは大好きで、ヤスさんの“素敵なあなた”“揺れる心”松尾さんの“かかえきれないほどの愛”が気に入っています。
19年前の暑いこの時期、このアルバムばかり聴いていたことを思い出します。
(2001.07.23)
BB5の未発表ものは今までもボーナストラック、ボックスセット、そして1998年に発表された「エンドレス・ハーモニー」でたくさん発表されたためさすがにネタ切れの感じがしてきました。そのため、今までモノラルミックスしか存在しなかった「トゥディ」「サマーディズ」の頃の音源がリアルステレオで聞けることが一番の目玉でしょうか。
ステレオミックスで新たによみがえった“ダンス×3”、“ソルトレイク・シティ”は本当に素晴らしいです。そして中期の曲でも特に大好きな「レット・ザ・ウィンド・ブロウ」と「英雄と悪漢」のステレオミックスは感激。中期のアルバムはモノラルの上、こもったような音で非常に音が悪くそれが気味悪さを更にアップさせていましたが、今回のステレオミックスで一気に雲が晴れ渡った感じです。全曲ステレオミックスで再発してくれたら絶対に再評価されるでしょうね。特に「ワイルド・ハニー」とか。
さて、一昨年に引き続いて今年もブライアン・ウィルソンが来日することが決定しました(^^)/。東京は2公演ですが、私は2日とも行きたいと思います。また近いうちにブライアン来日特集を作りたいと思っています。
「ZOOM/ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA」
ジェフリン率いるエレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)の新作。とは言っても現在のメンバーはジェフリンたった1人。これでオーケストラもないと思いますが、素晴らしいアルバムです。まず、ギターが良く鳴っていること。クレジットを見ると殆どのギターはジェフ本人がプレイしていますが、リズムギターからソロまですごく気持ちがいいギターサウンドになっています。
その他の楽器も殆どジェフが1人でプレイしているし、プロデュースもジェフなので、音もジェフリン独特のひしゃげた作り。どこをとってもジェフジェフジェフ(^^;。
リンゴスターとジョージハリスンがちょこっとだけ参加していますが、二人ともイントロのドラム一発やスライドギターの一音聴くだけでわかってしまいますね。さすがベテランは違う。今回はコーラス参加が無いのがちょっと残念。
ELOを聴いたのは今回が初めてでしたが、昔のアルバムも聴きたくなりました。
(2001.06.20)
「Zero Landmine/N.M.L.」
TBSの地雷ZEROキャンペーンソング。曲は世界の坂本。なんだか、今バカ売れみたいですね。オリコンでもチャート一位になったし。
この曲、様々な世代、国、ジャンルのアーティストが参加していますが、世代や普段聴いている音楽のジャンルによって気になるアーティストが変わって来るんでおもしろいですね。J-POPファンはGLAYやドリカム、ミスチル等が参加しているのに注目するだろうし、洋楽ファンはシンディローパーやブライアンイーノやデビッドシルビアンが参加しているのに注目するだろうし、クラシックファンは藤原真理に注目するだろうし。
私はなんと言っても坂本・細野・高橋のお三方が揃ったことと、クラフトワーク、そしてジャパンのメンバーが参加していることにゾクゾクしてしまいます。80年代前半に大活躍した東西のテクノグループが集結したんですよ、これはすごいことです。マスコミはそれ程注目してくれないけど(^^;。
それにしても、めちゃくちゃイントロが長いオリジナルバージョン。このカッコ良さは何でしょう。テレビではイントロをカットしたので、わかりやすいメロディ、そして“ウィ・アー・ザ・ワールド”みたいに順番にボーカルをとっていく部分だけになってしまい、甘ったるい印象を与えてしまいますが、イントロこそこの曲の命です。YMO+スティーブジャンセンの完ぺきなリズム隊(細野さんのベース最高!)に乗って様々な国の様々な音楽、音、語りが加えられ、緊張感が薄れてくるとそれを引き締めるように現れるクラフトワークのサウンドロゴ(^^;、この構成がなんともかっこいい!!まぁ、テレビではドリカムやGLAYが歌うシーンを入れた方が視聴率とれるし、わかりやすいでしょうから、それもアリだとは思いますが。
それにしても、ひとつの曲で老若男女問わずインパクトを与えられる教授ってやっぱりすごい人だと思います。このプロジェクトが成功してくれることを祈ります。
(2001.05.19)
「Morning Musume。 Special CD/モーニング娘。」
モーニング娘。のオフィシャルファンクラブ通販とコンサート会場のみで購入することができたメンバーのソロシングル。全員分購入すると特製ケースがもらえました。
娘。の曲は基本的にユニゾン、またはコーラスなのでメンバーそれぞれの声が良く判別できませんでしたが、こうやってソロ曲を聴くことでやっと声の判別ができるようになりました。わかりやすいのは中澤裕子と石川梨華かな。他のメンバーは発声法が似ているのでちょっと判別が難しいですね。
曲は中澤の“ゆ・う・わ・く”、矢口の“マリンスポーツ!”のようにどれも自分の名前をもじったタイトル。あとカップリングにはメンバーのスペシャルメッセージも入っています。個人的にはアニメ声石川梨華ちゃんの“理解して!>女の子”とよっすぃの“よして、よして”が気に入りました。
インディーズの盛況やCD-Rメディアの登場などで大手レコード会社に頼らなくてもこのような企画性の高い実験的なCDが作れ、売られる時代になりました。音楽の可能性が広がって良いことだと思います。
なんだか、娘。ネタが多いですが、そんなに娘。が好きというわけではありませんです、わたし(^^;。
(2001.05.19)
「Wingspan/Paul McCartney&Wings」
ポールマッカートニーがビートルズ解散後に結成したバンド、ウィングスのヒット曲(HITS)と代表曲(HISTORY)を納めた2枚組アルバム。ウィングス時代だけではなく、1970-71年と1980-84年のソロ時代の曲も収録されています。
ただこのアルバム、あんまり新鮮みがありません。というのも以前出ていた「オール・ザ・ベスト」の収録曲と殆どダブっている上、売りとなるような未発表曲もないからです。せいぜい“テイク・イット・アウェイ”と“タッグ・オブ・ウォー”のシングルバージョンが初めてCD化されていることぐらいでしょうか(両曲ともアルバムではクロスフェイドで繋がっているので、単独の曲として聞くことが出来なかった)。あと、特に80年代のソロ曲を入れたのが非常に中途半端な印象を持たせます。ウィングスのベストならウィングスの曲だけで勝負して欲しかったな。
ただ、「ビートルズ1」と同じく24ビットデジタルリマスタリングされていることで格段に音が良くなったことと、やはり「ビートルズ1」と同じくポールマッカートニーやウィングスの曲を聞いたことがない人への入門編としては最適な選曲なんじゃないかなと思います。
ポールも本当は「アンソロジー」みたいな未発表曲、未発表テイクだけのアルバムを考えていたのに「ビートルズ1」が爆発的に売れたので、ウィングスもまずベストアルバムを出したくなったんじゃないでしょうか。まったく、気まぐれやさんですね(笑)。未発表曲集は年末に発売するそうです。
(2001.05.12)
「B-2 UNIT/坂本龍一」
教授こと坂本龍一の2枚目のソロアルバム。当時はニューウェイブブームまっただ中だったので、非常にニューウェイブっぽく、且つヨーロッパ寄りの音になっています。当時日本に来日したニューウェイブ系のミュージシャンは必ずこのアルバムを買って帰ったとか。とにかくこの頃の教授の音楽にはトゲがあり、難解でもあり、それが逆に当時中学生だった私を大いに刺激したのでした。
1曲目の“ディファレンシア”からテンポのやたら早いドラムとノイズだけの曲で、圧倒されます。しかし、2曲目の“ザットネス・アンド・ゼアネス”で教授のへなへななボーカルを聴くとちょっと落ち着かされますが(笑)、すぐまた難解なノイズとリズムの曲が延々と続きます。個人的には“E-3A”とかYMOライブバージョンもかっこいい“ライオット・イン・ラゴス”とかとにかく気持ち悪い“ジ・エンド・オブ・ヨーロッパ”が好きです。
今でもこのアルバムは良く聴きますが、そのトゲトゲしさは全く色褪せていません。
(2001.04.21)
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