【冬に聴きたいアルバム】

over
over / OFF COURSE

Side A
心はなれて
愛の中へ
君におくる歌
ひととして
メインストリートをつっ走れ

Side B
僕のいいたいこと
哀しいくらい
言葉にできない
心はなれて

「冬になると聴いちゃうアルバム」

 この時期のレコード業界は12月までに新譜は出し切ってしまうわ年が変わって新作が市場に出てくるのは3月21日頃になるわ(最近は2月に早まってきてる見たいですけど)で言ってみれば“リリースの谷間”状態になっています。

 で、私みたいにCDを毎週買っていないと気が済まない(^^;みたいな人間の目は既発のアルバムに必然的に行ってしまいますが、個人的にはこの時期に購入したアルバムって実際には夏に出たものだろうが春に出たものであろうなんだろうがとにかく「冬の感じがするアルバム」と認識してしまって後々も冬にならないと聴かない存在になってしまいます。そんなわけで今回は「特に意味はないけど冬になると聴きたくなっちゃうんだなぁ」というアルバムをピックアップしました。

 いつものことながら私は評論家でも音楽家でもないし、ただ冬に聴きたいから聴いているアルバムというだけなので、あんまり気にしないで下さい(^^;。

<over / OFF COURSE>(1981)
over
over
/OFF COURSE
 冬といえばオフコース!と勝手に思っているのでトップバッターはオフコースです。オフコースは5人~4人の時代しかよくわからないのですが、この時期のアルバムで一番冬っぽいと思っているのがこのアルバムです。

 今聴くと小田色がちょっと濃すぎるかなとも思いますが(LPのB面にあたる後半はヤスさんの曲が一曲もない)、その分小田さんのぐっと来る別れの曲がこれでもかと続くので冬にはもってこいです(^^;。

 オフコースの曲で個人的に一番好きな“哀しいくらい”が収録されているアルバムでもありますが、この曲は後に英語詩となって2回もよみがえっているので、小田さんもお気に入りの一曲でしょう。あと、“言葉にできない”は泣けます。あっ、小田さんも武道館でこの曲を歌って泣いてましたね。

<RAM / Paul & Linda McCartney>(1972)
RAM
RAM
/Paul & Linda McCartney
 ポールの2枚目のソロアルバムです。この頃のポールはジョンとの仲が最悪で、ジョージ、リンゴにもぼろくそにこのアルバムをけなされていましたし、マスコミにも敵視され、とってもかわいそうな時期でした。

 私は初めて聴いた時からずっと大好きなアルバムで、なんでそんなにけなされたんだと思ってます。まぁ今でこそ「RAM」が好きと言っている人が結構出てきて再評価され始めてはいますが。

 “Too Many People”のイントロのギターからもういかにもポールらしくて、鳥肌が立ってしまいます。それから“3 Legs”、“Ram On”、“Dear Boy”と続くLPのA面はこれでもかとポールに攻められてきてもう何も出来ない状態です(^^;。

<たんぽぽ / 中嶋美智代>(1992)
たんぽぽ
たんぽぽ
/中嶋美智代
 92年の夏に発表されたアルバムですが、夏というよりも冬のイメージが個人的にはあるので選びました。アルバム全体は個人的な感想では「90年代のフォーク」で、特にギターとゲートエコーのドラムが気持ち良いです。

 “夢見る君と僕”はイントロから印象的なギターのリフとドラムから始まる大好きな曲です。続く“雨のスタジアム”は池袋から所沢方面へ行く電車の中で一生懸命に野球好きの彼と話を合わすために野球の専門用語を覚えようとする女の子がかわいく表現されていてこれも大好き。きょとんと目を丸くして彼の野球の話を聞いている主人公の女の子の姿が想像でき、ほのぼのとさせられます(^^)。そして“あの素晴らしい愛をもう一度”から“思い出にもなれない”と続くメドレーは70年代から90年代へのフォークの継承を示しているよう(かもしれない)。

<20 SONGS TO 21ST CENTURY / SADISTIC MIKA BAND>
20 SONGS TO 21ST CENTURY
BEST OF
SADISTIC MIKA BAND
/SADISTIC MIKA BAND
 同じYMOの細野さんのいたはっぴいえんどを秋のアルバムで紹介しましたが、今回は幸宏のいたサディスティックミカバンドを紹介します。メンバーの加藤和彦さんは“あの素晴らしい愛をもう一度”の作者でもありますね。

 サディスティックミカバンドが活動していたのはもう20年以上も前になってしまいましたが、幸宏のドラム、高中正義のギター、小原 礼のベースのシンプルなサウンドはすごく気持ちがいいです。特に“サイクリングブギ”、“ピクニックブギ”、“ダンス・ハ・スンダ”等の循環コードの簡単なブギは何回聴いても飽きません。

 特に冬を意識したと思われる曲はないのですが、“シトロンガール:金牛座流星群に歌いつがれた恋歌”や“ハイ・ベイビー”は冬っぽく聞こえるかもしれません。

 4年程前の冬に購入してからずっと冬の定番となっているアルバムです。

 毎年冬になると歌詞にスキーや雪などが出てくる「いかにも冬向けに作っているんだぞ」的なアルバムがたくさんリリースされますが、たまには「なぜかわからないけど冬をなんとなく連想させてくれる自分だけの冬のアルバム」を自分で探してみるのも良いのではないでしょうか。

(98.02.05)

ジャケット写真は全て私が所有するCD、レコードその他を撮影したものです。

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