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古本屋探訪日記 2005年12月
 『『資本論』も読む』 名古屋古書会館即売会報告 『宇宙都市008』が18000円 購入する時期 名古屋オフ

 『『資本論』も読む』 2005/12/30(金)

 毎年、年末には、大掃除で整理された古本が出回ることを期待してしまうが、これまで一度だって年末にレア本を入手したためしなどない。それでもやっぱり僥倖を期待して古本屋に行かずにはおれないんだよ。鶴舞、上前津を廻っただけだが、案の定今年もだめだった。
 これならブックオフでも行った方がよかったか。でも、私のほしい本はブックオフでは廃棄されてしまっていそうで、あまり行く気にならないんだよ。

 購入した古本は、
『漫画にみる1945年』清水薫(平7吉川弘文館)600円
 1945年に書かれた一コマ漫画を集めたもの。1945年は戦中、終戦、戦後の全てが凝集した年であり、漫画に限らず、その年に生まれた作品というのは興味深い。
『探偵と恋人の愛の会話 スペンサーとスーザンに学ぶ』西尾忠久(1994年太陽企画出版)100円
『幻色日本怪奇漫画図鑑九十九殺』(ソフトマジック)1200円
 ひばり書房から出版された怪奇漫画の紹介本。
『バスジャック』三崎亜紀(2005年11月集英社)800円

 新刊購入は、
『社会派くんがゆく! 維新編』唐沢俊一/村崎百郎(アスペクト)
 このシリーズでは一環として、被害者を罵倒するというタブー破りを続けている。こんな本を出し続けている出版社には感心させられる。

『『資本論』も読む』宮沢章夫(2005年12月WAVE出版)
 これは名著という気がする。『資本論』の解説書ではない。著者が『資本論』を読み進むところをそのままリアルタイムに伝えていく記録なのである。
 著者が楽しんで書いていることがよくわかる。完読が前提なので、著者はまず「第一版の序文」を読む。「第二版後記」を読む。「フランス語版序文および後記」を読む。「英語の序文」を読む。ようやく「第四版へ」へと進む。このペースでいくと完読にはおよそ25年位はかかるなどと言い出す。だが、『資本論』の骨子を理解しようとして読むのではない。ただ『資本論』を読むために読んでいる。だから、これらの延々と続く序文も余裕を持って読めるのである。勉強のためではなく楽しみで読む。これぞ読書の王道。
 私もこれまで何度も『資本論』を読み出しては挫折を繰り返してきたが、そうか、こうやって読めばいいのか。真似したくなった。こういう読み方で『資本論』を読むことを来年の抱負にしてみるか。


 名古屋古書会館即売会報告 2005/12/23(金)

 今日は名古屋古書会館即売会の初日。レジでは「最近は、G倶楽部の目録の作成経費も割に合わなくなってきました」などとの会話中。私も以前は10万円以上の注文をしたこともあったのに、この2年くらいは1冊も注文してないもの。
 会場には黒岩涙香なども並んでいたが触手が動かない。購入したのは、「猪木VSアンドレ」のビデオ300円。その試合が収録されているかどうかは不明だが、その昔、愛知県体育館で猪木がアンドレに腕固めでギブアップ勝ちした試合をじかに見た。でも、会場内のほとんどの観衆は全く感動を覚えなかったはず。唐突にゴングが鳴らされたときも、誰もが、何で試合が終わったのかさっぱりわからず、そこ、かしこで「あれはたぶんレフリーストップだったんだよなあ」などと言い合いながら帰路に向かっていた。あくる日のスポーツ新聞で「ギブアップ勝ち」の完全勝利と知った時は驚いたなあ。
 3冊100円コーナーで『クイズグランプリ』他を購入。

 『玉ねぎむいたら DVD VOX2』を購入。石立鉄男の共演者では、岡崎由紀や大原麗子、大場久美子などと比べても桜田淳子がダントツ。石立鉄男の場合、ポンポン言い合う相手の方がスイングするんだよなあ。本作と並行して放映されていたという大場久美子共演の「秘密のデカちゃん」なんぞ全然見たいと思わないもの。もちろん「奥様は18歳」も興味なし。

『SFセレクション1』赤木かん子編(2005年2月ポプラ社)読了
「ザ・パインハウス・デッド」舞城王太郎(『新潮 2006年1月号』所収)読了
 ディスコ探偵水曜日第二部。2005年5月号所収の第一部を読んでいないので理解できるかが懸念されたが、こりゃ全然わからんわ。第二部全体が第一部の謎解きになっているのだからどうしょうもないぜ。まだ完結はしていないので、次回掲載号もおそらく買ってわからないままに読むことになるだろう。そんで単行本で出版されてからもう一度読み返すしかないね。


 『宇宙都市008』が18000円 2005/12/17(土)

 なかなか古本屋に行く暇がないのに加え目録注文もしていないので、古本は全く買えていない。
 それにしても目録掲載のジュニア向けの本は高い。廃本扱いだった中一時代の附録文庫等はしばらく前から急騰しているが、ついこの間までどこにでもあった推理探偵傑作シリーズの『どろぼう天国』とか『魔女のかくれ家』なども軒並み3,000円。さらに驚くのは『宇宙都市008』小松左京(昭44講談社)18,000円。1800円の間違いじゃないの?それでも買わないけど。


新刊購入は、
『新潮 2006年1月号』(新潮社)
 目的は、舞城王太郎「ザ・パインハウス・デッド」。ディスコ探偵水曜日第二部にあたるとのこと。第一部が掲載された5月号は買いもらしてしまっているのだが、時空を超えた、言葉・物質・意識のミステリーと聞けば、読まずにはいられない。単行本になったときにもう一度通して読めばいいのだし。
『いつもの道、ちがう角』松尾由美(2005年12月光文社文庫)
『エムズワ−ス卿の受難録 P・G・ウッドハウス選集2』(2005年12月文藝春秋)
『鬼の末裔 三橋一夫ふしぎ小説集成2』(平成17年12月出版芸術社)
 ウッドハウスや三橋一夫に限らず、最近、売れるとも思えないような本が続々出版されているのが不思議だ。固定客があるといっても全国で1000人位のところじゃないの。採算が取れるとはとても思えないのだが、どういう仕組みになってるのだろう。


 購入する時期 2005/12/10(土)

 鶴舞の古本屋に入ると、店主が主婦らしき方に説明中。どうやら紙袋に大量の雑誌を積み込んで売りにおいでになったらしい。
 「ネットオークションで皆さんが売るようになってから、こういう雑誌は皆さんの押入れに大量に存在することがわかってしまったんですよ。今までだったら幾らかの値段が付いていたんですが、いくらでもあることがわかってしまうと、値段もどんどん下がって、1冊1円なんてことになってしまったんです」
 なるほど、こういう説明もあるのかな。もっとも、ネットオークションが普及する以前でも、普通の雑誌にそれほどの値段が付いていたわけではないはずだが。
 その方はその袋を持ってまた重そうに店を出て行った。よその店にも廻るんだろうか。

 別の店で、長沼弘毅『シャーロックホームズ健在なり』600円、和田奈津子編『検視官研究』105円を購入。
 『検視官研究』はブックオフで105円になったら買うつもりだった本。ブックオフは普通の古本屋と違って辛抱が足りないから、そのうち105円に落ちてくると思っていたのだ。別に珍しい本でもないから、たとえその前に売れてしまっても後悔することもないし。

 それとは逆に、先日、某店の店主にお客さんが電話をかけてきていた。店主の受け答えから推察するに、そのお客さんが、ある店で『俳優パズル』が8000円位で売っているのを発見したが、見逃したら3日後にはもう売れてしまっていた。そちらの店には在庫はないか、というような内容のようだ。
 買っときゃいいのに。この本を売る用意がある人でも、今はネットの普及で、多少値が高くても売れると見込んでいる人が多いので、安値で出てくることはそうそうないだろうから。
 もっとも『俳優パズル』は復刊される可能性もあるけど。

『悪役レスラーは笑う』森達也(2005年11月岩波新書)読了
 『A』、『A2』の森達也のプロレス書。岩波新書からプロレス本が出るんだねえ。しかも書店で平積み。
 一応、内容はグレート東郷の出自を探るとの体裁をとっているが、記述はプロレス創世記から現在までを縦横無尽に行き来し、日本のナショナリズムや政治の状況、取材方法や執筆方法の迷いなど、まさに「ドキュメンタリーは決して客観的なものではなく、主観的なものである」を示した、主観的ドキュメンタリーの極北。おすすめです。


 名古屋オフ 2005/12/3(土)

 久しぶりにDVDショップをのぞいてみて目を疑う。『玉ねぎむいたら BOX1』が置いてあるではないか!最近、石立鉄男出演の作品が相次いでDVD化されているけれど、桜田淳子主演のこの作品までDVD化するとは思わなかったよ。夢のようだぜ。
 『パパと呼ばないで』も『雑居時代』も面白いけれど、『玉ねぎむいたら』は桜田淳子のさばさばした明るさと石立鉄男の男気がスイングした、石立鉄男主演作品の最高傑作だと思っている。店員さんに尋ねると『BOX2』も今月発売とのこと。予約しとこうかな。

『落下する緑』田中啓文(2005年11月東京創元社)読了
 天才芸人を描かせたら右に出るものがないと言っても過言ではない田中啓文の最新作。天才テナーサックスプレイヤーが活躍する連作推理、7編収録。
 うん、『笑酔亭梅寿謎解噺』もすばらしかったが、これも傑作。本格推理の楽しさと、嫌な登場人物を最後にこてんぱんにやっつける痛快さを存分に味わえる。これがミステリーの本道なんですよね。

 さて今日は名古屋オフ。
 今回はくろけんさんの欠席とは直接関係があるわけでもないだろうが、珍しくミステリーの本質に迫る話題が頻出する。
 参加者全員が納得した定義は「ミステリーとは悪人をやっつける物語である」というもの。この定義では水戸黄門も、タイガージェットシンをやっつけるアントニオ猪木もミステリーということになってしまうが、「それも広義のミステリー」ということで共通確認できたのは今回のオフの豊かな収穫の一つであった。
 名古屋オフのプレゼント交換会のルールは厳しい。くじ引きの一番から、各自の持ってきた本の中からほしい本を選んでいき、最後まで売れ残った本の持ち主が次期幹事を指名するというものだ。
 その結果、次期幹事に選ばれたのは...... バババババン......本日欠席のくろけんさんであった。もっとも誰が最後に残っても、結局くろけんさんを指名しただろうから結果は一緒ではあるが。


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