川辺川利水訴訟に関する最新の情報をお届けします。
8/16
■ 川辺川ダム予定地を訪ね、地元の人々と交流する ■
■■ 第7回 清流・川辺川現地調査のご案内 ■■
< 2003年8月23日(土)〜24日(日) >
今年も「現地調査」の季節がやってきました!
今年は、川辺川利水訴訟は見事勝訴を勝ち取った記念の年となり
ましたが、その後も「ダムからの水」にこだわる国と、地元農家、
漁民、住民との間で瀬戸際の攻防が続けられています。
川辺川ダム中止まであと少し!この機会にぜひ現地へと足をお運
び下さり、ダム建設予定地から川辺川ダム問題をいっしょに考え
てみませんか?
楽しい交流会やシンポジウムも予定しています。
川辺川で、みなさんのお越しをお待ちしています!!
■期日 2003年8月23日(土)〜24日(日)
■受付・集合
【8/23(土)11:30〜13:00】
相良村柳瀬農業構造改善センター(川辺川河畔)
(球磨郡相良村柳瀬377 TEL0966-24-9563)
・くまがわ鉄道川村駅下車 徒歩20分
・JR人吉駅下車 タクシー15分
【8/24(日)9:00〜9:30】
相良村総合体育館(相良村役場裏)
(球磨郡相良村深水2500-1 TEL0966-35-0090)
■日程
【8/23(土)】
11:30 参加者受付(柳瀬農業構造改善センター)
13:00 開会式、日程説明、諸連絡等
13:30〜 現地調査出発
<Aコース> 荒瀬ダム見学コース
<Bコース> 五木・川辺川ダム予定地見学コース
18:30 大交流会
♪食べて、歌って、大いに語りあおう!
(名物川辺川天然アユ、地元産野菜球磨焼酎飲み放題)
21:00 閉会 宿舎へご案内
【8/24(日)】
9:00 受付(相良村総合体育館)
9:30 開会 基調報告(弁護団)
10:00 パネルディスカッション
「地域社会と新しい公共事業」
12:00 閉会
■現地調査内容
【Aコース、Bコース共通】
球磨焼酎酒蔵:相良藩700年の時を越えて水とお米が生み出す米焼酎。
その生産工程を見学。
<Aコース/荒瀬ダム見学ツアー(バス1台限定)>
1)上原田ファームポンド(貯水槽)
2)荒瀬ダム見学と学習
3)あゆみ館(国交省の魚道と見学館)
<Bコース>
1)旧深田村鷲巣農地造成地
2)ダムサイト予定地
3)五木村頭地代替地
4)五木村子守唄公園
詳細はhttp://kawabegawa.jp/gencho2003.html
■参加費
【現地調査】
通し参加 \2,500(中学生以上)
現地調査バス代、資料代、見学代等含む。
1日目のみ参加 \2,000
2日目のみ参加 \500(中学生以上)
【交流会】
大人/\2,500 中高生/\1,500 小学生以下/無料
(バーベキュー、名物天然アユの塩焼き、おにぎり、地元産野菜、
ソフトドリンク、地元名産焼酎、ビール等含む)
■宿泊について
※民泊:\2000(一泊朝食・布団付き)
宿泊先は地域の公民館と一部原告宅を使用します。大交流会終了
(21:00メド)前後の時間帯に宿舎ごとにまとまって車でご案内し
ます。風呂は決められた時間帯に公衆温泉にまとまってご案内。
翌日の朝食は、公民館で簡単なものを準備します。貸し布団の
手配と宿泊のスペースが限られることから、事前予約(満員にな
り次第締切)が必要です。小さな子どもさんを除き、夫婦でも男
女別の宿舎です。
★☆★民泊は事前申込が必要です!★☆★
実行委員会事務局TEL/FAX0966-24-4844へご連絡下さい。
※温泉・ホテル・旅館等を利用される方:
各自でご予約をお願いします。実行委員会(TEL/FAX0966-24-4844)
に宿泊施設一覧表がありますので必要な方はお問い合わせ下さい。
一泊二食 \5,500〜 素泊まり\3,000〜 など
※キャンプをされる方:
場所は確保しています。各自でどうぞ!
■■■すべての問い合わせ先■■■
川辺川現地調査実行委員会
熊本県球磨郡相良村柳瀬94-3
TEL/FAX 0966-24-4844
Email EZG02376@nifty.ne.jp
http://kawabegawa.jp/gencho2003.html
★急ぎの方・確実に連絡を取りたい方は、eメールではなく、
上記TEL(できるだけFAX)へご連絡下さい。
■主催 川辺川現地調査実行委員会
■後援
川辺川利水訴訟原告団/川辺川利水訴訟弁護団/尺アユ裁判原告団
/子守唄の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会/クマタカを
守る会/清流球磨川・川辺川を未来に手渡す流域郡市民の会/美し
い球磨川を守る市民の会/川辺川ダムの見直しを求める農民・漁民
を支援する会/球磨川大水害体験者の会
5/31
本日判決確定!
川辺川利水訴訟控訴審判決確定にあたっての声明
5/19
午後8時 農水大臣記者会見
農林水産大臣談話を公表 →
たくさんのみなさんのたくさんのご協力ありがとうございました!
農林水産大臣は記者会見で新たに計画を変更して同意を取り直すこともありうると発言したそうです。このごに及んでまだ計画中止を判断できない農水省は情けない。しかし、対象農家の過半数の人が裁判の当事者となったこの地域で、どういう変更計画がありうるのでしょうか。私たちは、気持を新たに、気を引き締めて、これからの対応に臨んでいきたいと思います。
5/19
18:30
上告断念!!!
たった今マスコミ筋から入った情報です。
農水省は上告断念を決定したということです。
5/19
農水省前座り込み行動
原告農民らは、農水省玄関前で座り込み行動を開始しました。
5月19日、午前10時、梅山原告団長が高らかに座り込み宣言をおこないました。
座り込み宣言 →
10:25の速報
午後3時から農水大臣との交渉がセットされました。
農林水産大臣への要請書 →
15:00
大臣交渉での農水大臣の発言
「3分の2の同意が認められず遺憾である。上告については関係者と検討している。農業について川辺川関係者(町村長ら)が水が必要だとのことも先ほど聞いた。慎重に関係機関と相談している。皆様の要請はわかりました。」
5/18
上告断念を!
農水省と首相官邸へ、上告断念を求める意見を集中してください。
下記サイトから意見を送ることができます。
FAXの方は下記FAX番号へ。
■ 農水省
http://www.maff.go.jp/white56.html
FAX 03−3592−7696
■ 首相官邸
http://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
FAX 03−3581−3883
5/16
福岡高裁判決の骨子及び要旨
判決骨子 →
判決要旨 →
原告団弁護団の声明
声明(判決直後) →
上告断念を求める声明 →
5/16
14:10
判決速報
勝訴! 勝訴! 勝訴!
<判決の骨子>
国営川辺川土地改良事業のうち、用排水事業と区画整理事業は、土地改良法による対象農家の3分の2以上の同意の要件を満たしていないので違法である。
裁判所が認定した同意率
用排水 65.66%
区画整理 64.82%
農地造成 68.84%
控訴人からの手続き違法の主張については、いずれもそれだけで事業全体の取消事由となるほどの違法はない。
<解説>
事実認定だけで勝訴。事実認定の誤りについては上告理由にできないので、国は上告できない。法律理論で負けて良かった。
photos by Ohata
4/21
4月21日福岡高裁弁論再開、5月16日判決変わらず!
4月21日、福岡高裁第3民事部で1月24日に終結した弁論が再開された。
農水省側は、用排水事業の三条資格者はこれまで3952人(用排水事業)としていたものを4161人に増やした上で、第7準備書面と意見書を追加して提出し、原告農家側は反論の準備書面と意見書を提出した。
これを受けて、原告農家の代理人は、森徳和事務局長と板井優団長が意見陳述をおこなった。意見陳述の中では、国が当初計画の同意署名簿を調査したところ、200人を超える3条資格者が脱落していたのでこれを追加したことについて、原告側の計算では同意率は3割に過ぎないことを指摘し、さらに約5%にあたるこれらの3条資格者に同意するか否かの意見を聞かなかったことは重大な違法であり、国は直ちに請求認諾をすべきと厳しく糾弾された。
これに対し、農水省側は、現地の利水事業事務所長だけに、事業に問題はなかった、と弁解じみた意見を述べるのが精一杯だった。
by 板井
<コメント>
ものの本によれば、漏れている三条資格者があっただけで手続は無効だと言われています。だって、所有権に制限を受ける手続でその意見さえ聞かれなかった権利者がいるわけですから。そんな恥ずかしい事実を弁論を再開してまで主張しようとした農水省の動機はただひとつ。判決期日の引き延ばしです。しかし、予定の判決期日は維持されました。
意見陳述内容はこちら →
4/2
3月28日、一審被告農水大臣は口頭弁論再開の申立を行いました。
一審被告は3月31日付で弁論再開に反対する上申書を提出しました。
しかし、福岡高裁は本日5月16日の判決期日を変更しないことを前提に4月21日に弁論を再開することを決めました。
当日の日程は以下のとおりです。
午前10:15 進行協議 503号法廷
午前10:30 口頭弁論 501号法廷
弁護団長声明 →
3月31日付上申書 →
1/24
判決は5月16日午後2時!
1月24日の最終弁論で結審しました。
弁論では、双方からの最終準備書面が陳述された後、控訴人側が予定通り意見陳述すると、被控訴人側も意見陳述を行いました。
被控訴人側の意見陳述は、ダムの水が来るとこんなに良くなる、と農業の未来の夢を展開したのですが、そんな夢をつぶしてきたのはほかでもない、国の農業政策だったのではなかったのでしょうか。そんな夢物語では生きていけない農民の叫びこそ、「ダムの水はいらん!」だったのです。同意取得時はともかく、現在においては対象農家の過半数から見放された夢物語を農水官僚の口から聞くことのなんと空しいこと。
判決期日は5月16日(金)午後2時と指定されました。
控訴人(一審原告)最終準備書面
目次 前半 後半
川辺川利水訴訟結審
川辺川利水訴訟弁護団事務局長 弁護士 森 徳和
(「公害弁連ニュース」原稿)
最終弁論意見陳述 → 工事中
2003年
1/23発
明日の最終弁論のお知らせ
<弁論予定>
控訴人 梅山 究 真の農民の声を反映した判決を
弁護士 馬奈木昭雄 よみがえれ!有明訴訟と川辺川利水訴訟
弁護士 内川 寛 合成行為論に託されたもの
弁護士 西清次郎 同意取得の実態
弁護士 原 啓章 許されない偽造署名
弁護士 寺内大介 暴かれた同意署名簿の変造
弁護士 奥村惠一郎 同意の撤回は取り消せない
弁護士 森 コ和 用排水事業の同意率は3割にとどまる
弁護士 三角 恒 本件事業の必要性と費用対効果
控訴人 茂吉隆典 ダムの水はいらん!
弁護士 板井 優 小林コートに期待するもの
<集会のお知らせ>
川辺川利水訴訟結審報告福岡集会
2003年1月24日(金)18:30〜20:30
福岡市立中央市民センターホール
(福岡市赤坂2−5−8 電話092-714-5521)
18:00 開場
(開会前に歌あり)
18:30 開会
主催者あいさつ
「ダムの水はいらん!」ビデオ上映
利水裁判の現状報告
強制収用や県民討論集会の動き
労組・民主団体から連帯のあいさつ
行動提起
原告の決意表明
20:00 終了予定
12/26
12月26日証拠調&弁論・進行協議
1 桐木正男証人尋問
この間の証拠調で同意署名簿には各所に改ざんのあとがあることが判明していた。
このことについて山江村の担当者桐木氏は陳述書で事務的な処理として訂正を行った旨を述べていた。
しかし、この日の尋問で、桐木氏には具体的な記憶がほとんどないことが判明。同意署名簿には桐木氏の説明では説明のつかない改ざん部分が多々あった。その部分について質問されると桐木氏はすべて覚えていないと証言。陳述書は事後的に作成された作文にすぎなかった。改ざんについての合理的な説明はなされなかったというべきである。
2 1月24日の期日について
この日法廷での弁論では期日について特に話題にされることなく終わった。
法廷後の進行協議で、被控訴人は突然結審を延ばして欲しいと申し入れてきた。
その理由は、当初同意書(変更前の事業についての同意書)を点検した結果、当初同意書では三条資格者だった者が本件同意書では三条資格者になっていない例が相当数あり、その調査のために時間が欲しいというのである。
つまり、本件では三条資格者となるべきものが増えることになり、控訴人側に有利な事情となるから延期を認めて欲しいという。
しかし、当初同意書については控訴審も後半になりようやく開示されたものであるが、国はこれを調査しようと思えばこれまでにいくらでも調査可能だった。しかもこの調査のために4〜5ヶ月は必要だと発言した上、その数がどのくらいになるのかは全く不明。
4〜5ヶ月待ったところで三条資格者の数は数十人増えたくらいで国の主張が相変わらず3分の2の同意があったとなることは目に見えている。
これは国のなりふりかまわない引き延ばしとしか考えられない。
控訴人は裁判所に予定通り1月24日結審することを強く主張。
裁判所は合議の末、国の申し出をしりぞけ、1月24日に結審することを宣言。
被控訴人にも予定通り書面を出すように、さらに24日の弁論では、被控訴人にも弁論を行って欲しいとの要望まで述べられた。
11/29
1月24日 結審!
11月29日の弁論とその後の進行協議で、1月24日に結審することが決まりました。
次回:12月26日午後3時〜(桐木正男証人尋問)
次々回:1月24日午後1時30分 結審
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進行協議内容
控訴人 同意者総数に関する準備書面を12月10日までに提出する。
被控訴人 三条資格者数・同意者総数に関する準備書面を1月17日まで提出する。桐木証人についてはいて双方申請にする。
当初同意書について次回まで当事者双方で閲覧手続を済ませておくこと。
10/30
10月30日 進行協議
1 控訴人は三条資格者の確定作業の結果を次回までに報告する。ただし、10月18日の求釈明に回答がない場合は指摘したすべてのものが三条資格者から漏れていたものとする。
2 被控訴人は、@改ざんの経緯についての証人は申請しない、A再度の求釈明には釈明の必要がない、B改ざんの経緯については陳述書を補充する、B三条資格者総数については次回まで報告する、C当初同意書を閲覧させるかは至急検討する。
10/18
10月18日 第7回口頭弁論(検証&弁論)
1 検証
裁判所は同意書名簿に控訴人の申立のとおりの改ざんが存在する事実を確認!
2 当初同意書を署名・押印の照合に使っての国の主張に対して
控訴人側から強く抗議。当初同意書はこれまで提出を求めてきたのに存否不明を理由にこれまで提出されなかった。にもかかわらず、これを対照文書として持ち出して一部のみを書証とすることは許されない。国はこの部分に関する主張を削除の上陳述すべきだとした。しかし、国はそのままの主張を陳述。
3 求釈明をめぐって
控訴人は従前から国の三条資格者の特定に関して疑義ありと主張してきた。6月24日は具体例を示しておかしいのではないかと釈明を求めた。これについては9月4日国から回等があり一部三条資格者が漏れていたことを認めた。控訴人は9月9日にさらに国が誤りを認めなかった分について求釈明を行った。国は10月11日にこれにも回答したが納得の行く回答は得られなかった。
さらに本日控訴人は当初同意書に三条資格者とされながら本件変更計画では三条資格者とされていない者、対象地区に農地を有しながら三条資格者にされていない者などの存在を明らかにして求釈明を行った。
(進行協議)
1 当事者双方において三条資格者の総数について確定作業を行うこと。
2 控訴人は国から提出された改ざんに関する調査報告書に対して意見をまとめる。
3 被控訴人は求釈明に対する回答があれば早急に回答書を出すこと。
4 次回弁論は11月29日午後1時30分
9/11
9月11日 進行協議
1 被控訴人は同意書の署名が真筆であることを立証するために当初同意署名簿を部分的に使用することを表明。控訴人はそうであれば全体を証拠とすべきだと主張。(昭和58年の当初計画の際の同意署名簿はこれまで一度も国から開示されていない)
2 7月10日申立の検証についての検討。
8/4発
第6回川辺川現地調査日程:
8月31日(土)第6回川辺川現地調査
11:00参加者受付(柳瀬農業構造改善センター)
13:00開会式、日程、諸注意等説明
13:30出発(見学コースは六角水路、高原台地、五木村頭
地代替地、子守唄公園、ダムサイト予定地)
18:30大交流会(権現河原)
21:00閉会
9月1日(日)報告集会
9:00受付(会場は相良村総合体育館)
9:30開会、基調報告、治水代替案、水害体験者、利水、
漁民、環境、海の漁民ら報告
12:00閉会
費用:参加費2500円、交流会費2500円、民泊2000円
主催・問合せ:川辺川現地調査実行委員会(TEL:0966-24-4844、090-1346-4526)
7/19
7月19日第6回口頭弁論(弁論更新)
控訴人らは、本日の弁論更新に当たって更新弁論を行いました。
梅山原告団長と5人の弁護士が意見陳述を行いました。
1 なぜ、人吉・球磨の農家は、裁判に立ち上がったか
(原告団長 梅山 究)
2 本件事業の必要性と中島証人尋問
(弁護士 三角 恒)
3 費用対効果は1.0を大幅に下回る
(弁護士 原 啓章)
4 ずさんな同意取得体制
(弁護士 内川 寛)
5 農家(三条資格者)尋問で明らかになった同意取得の実態
(弁護士 西 清次郎)
6 アタック2001の意義と成果
(弁護士 森 コ和)
進行協議
1 7月10日申立検証についての打合せ
2 6月24日付控訴人求釈明に対する被控訴人の回答は9月4日までに
3 裁判所は検証に関し当事者双方の意見を聞いて証拠調べの要否・範囲を検討する。
7/10
同意署名簿原本の検証申立
7月10日 同意書の検証を申し立てる。
国は当初の行政手続では一切同意書を控訴人側に見せなかった。裁判が始まってようやく写を書証として出してきた。
それでもこれまで原本は隠し続けてきた。
5月の尋問を行う中で、「同意書原本は何かおかしいのではないか」という疑問が浮き彫りになり、控訴人は原本開示を強く要求。前回ようやく裁判所に原本が提示された。
控訴人は7月4日裁判所において原本のチェック作業を行った。
すると原本には多数の改ざんのあとが発見された。これらの改ざんは記載事項が修正液(いわゆるホワイト)ないし砂消しゴムで抹消されていたためにコピーには写らないものだった。
控訴人は原本のこの現状を裁判所に確認させるために検証を申し立てた。
6/24
6月24日 進行協議<この日の進行協議で確認されたこと>
1 同意取得の関係では、控訴人・被控訴人共に基本的な立証は終了したこと。
2 控訴人は今後はアタック2001での総当り調査の調査方法の的確性を立証する。(このために何と森弁護士を証人にしようと考えています。ただし、陳述書を提出して証人尋問の必要性を検討することになりました。)
3 被控訴人は今後必要な補充立証のほかは立証の予定はないこと。
<この日の控訴人側からのアクション>
1 調査嘱託
1) 熊本県議会分
土地改良事業で受益者負担がないとするには県議会の議決が必要です(土地改良法90条9項、10項)。国は国営の分はタダだと言っていますが、熊本県議会はそんな決議をしたのか、裁判所から調査を求めてくれ、というのがこの調査嘱託の趣旨です。
→ これに対して国はこの日、そのような決議が存在しないのは国も争わないと明言しました。実際こんな決議は行われていないのです。国が勝手に「タダだ」と言っているだけなのです。
2) 熊本県知事分
多目的ダム法10条は、ダムの水をかんがいに使うものはダム建設費の一部を負担しなければならず、この負担金は知事が徴収すると定めています。調査嘱託では、熊本県知事に対してこの徴収の予定、その額等について回答を求めるものになっています。
国は、この負担金の徴収があることを受益者に説明せずに「タダだ」とだけ言って土地改良事業への同意を求めました。
→ 国は今回この点については後に書面で意見を述べると言いました。裁判所はその意見をまって調査嘱託を決定することになります。
2 求釈明
本件の土地改良事業は用排水事業が本体なのに、用排水にかからない人で区画整理や農地造成にかかる人がいるのはなぜか?という求釈明を行いました。
3 同意書原本の閲覧要請
同意書自体の不備を確認するための同意書原本の開示を求めていたのに対し、この日国からようやく同意書原本が裁判所に渡されました。裁判所預かりとなったこの同意書原本を控訴人側で裁判所に出向きチェックすることになります。
森弁護士曰く「何年もやってきてようやく原本を見ることができる」
<今後の予定>
7月19日 13:30 弁論
9月11日 16:00 進行協議
10月18日 13:30 弁論(証拠調の場合もあり得る→森証人)
詳細は次回7月19日弁論後に進行協議を持ってそこで決める
さあ、年内結審となりますか?!
ビデオ「ダムの水はいらん!」
昨年5月のビジュアル弁論で使われたビデオが
ビクター主催の国際的なビデオフェスティバルで
グランプリを受賞しました。
原告団はこのビデオを販売しています。
川辺川の美しさに胸打たれるビデオです。
時間20分 1500円
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5月29日 事実上の検証
5月30〜31日 現地尋問
弁護士 原 啓章
人吉に福岡高裁裁判官3名が来る
5月29日,福岡高等裁判所の裁判官3名により,川辺川流域の事実上の検証が実施され,翌30日と31日には,熊本地方裁判所人吉支部において,所在尋問(証人尋問,本人尋問)が実施されました。
29日に実施された事実上の検証とは,正式な検証の手続ではありませんが,第1審で施行された川辺川流域の検証結果の理解を助けるために,控訴審裁判官が実際に現場に赴いて主立った検証箇所を実際に視察するというものでした。本件を担当する3名の裁判官は,同日午後1時過ぎから午後5時前までの4時間弱にわたって関係箇所の視察をしました。具体的には,多良木町の小椎野川小椎野取水堰,相良村の高原台地,川辺川高原揚水場,川辺川六角水路橋,川辺川六角水路,山江村の山田川井手の口取水堰,人吉市の馬氷川嵯峨里取水堰付近の視察が施行されました。同日の天候は晴れでしたが,検証途中に見ることができた田や畑にはいずれも必要十分な水が引かれており,「水が足りない」と感じることはありませんでした。また,川辺川流域の農地の植付作物はタバコ,茶などが主流となっており,地域の農家の皆さんが,現場の状況に応じた適切な作物を導入して成功を収めているように感じました。相良村は,現在,品質や収穫量において全国的にも主要な茶所となっているとのことでした。
今回の事実上の検証によって,各裁判官に対し,少なくとも,重厚長大な川辺川ダムや,これから流域農地に水を引くための本管,支管などを多額の建設費をかけて建設する必要性が乏しいことを印象づけることができたと思われます。
次に,検証の翌日から2日間にわたって人証調べが実施されました。原告ら弁護団は,従前から,変更計画の有効要件である3分の2以上の同意はなかったと主張してきました。 今回の人証調べの結果,原告団の立証はほぼ成功したということができると思います。
今回の証拠調べによって,本人に確認を取ることなく近親者から同意を取り付けた事例,熊本県外に居住しており連絡を受けたこともないのに同意をしたとされた事例,ほとんど説明を受けないまま署名をした事例,虚偽の説明を受けたことにより署名するに至った事例,同意取得の担当者が対象者の家に上がり込んで飲酒をしながら同意をとった事例,手が汚れているなどの些細な理由から,担当者が庭先などで安易に代筆した事例,同意取得者自身が同意の対象事業を十分認識していなかった事例,公告の前にすでに同意署名を開始し,これが問題となるや同意署名簿を廃棄処分したことになっているのに,これを流用したことが疑われる事例など多岐にわたる問題事例が明らかになりました。
今回で主要な証拠調べはおおむね終了したといえることから,年内結審も現実的になってきたように思います。
同意署名簿原本をめぐる議論
今回の尋問を行う中で、同意署名簿原本への疑義が出てきました。控訴人は国に対してこれまで写(コピー)でしか提出されていない同意署名簿原本の開示を強く求めました。
4/25
4月25日進行協議
1 控訴人は5月7日までに5月29日(現地進行協議)のプランを策定する。
2 被控訴人はそれに対する意見を5月9日までに具申する。被控訴人側証人について人証申請を行い5月15日までに陳述書を提出する。
3 裁判所は最終プランを5月13日まで当事者双方に提示する。
4 裁判所は現地尋問計画を5月8日までに当事者双方に提示する。
3/18
3月18日 進行協議
1 控訴人は同意取得手続担当職員4名を3月25日までに人証申請する。
2 本日申請した証人8人について4月25日までに陳述書を提出する。
3 被控訴人は担当職員について4月25日までに人証申請する。
2/15
2月15日 宮入興一先生反対尋問
弁護士 原 啓章
2月15日,宮入興一先生の証人尋問(反対尋問)がありました。費用対効果の観点からも同計画には相当性があったと言いたい国側は,宮入先生の主張には合理性が欠けるとの印象を与えるべく,今回,尋問を行いました(ただし,それが不成功に終わったのは後述のとおりです。)。
国側の反対尋問の前半は,宮入先生が推論の基礎とした資料が不十分ではなかったか,宮入見解の論証の過程には論理飛躍等の問題があったのではないかということを立証することにあったと思われますが,全体としてみれば,宮入先生の証言が破綻することはなく,相手方の反証が功を奏することはありませんでした。次に,反対尋問の後半は,本件変更計画は合理的な予測に基づいて策定されたものであることを立証することにあったと思われますが,これに対して,宮入先生は,国側の予測は,十分な根拠に基づかない,抽象的,理念的なものにすぎず,本件変更計画は,地元の実情を十分に斟酌しないまま策定された官僚的なものである旨の主張を展開され,結局,後半の反対尋問も奏功せずに終了しました。
今回の反対尋問により,国側は,メロンの作付面積が平成16年まで右肩上がりで伸びることを前提に費用対効果を論じている一方で,本件計画変更の趣旨につき,農業情勢の変化等による事業推進意欲の減退,農業従事者の高齢化,後継者難等の要因を背景に事業施行の困難な地域を除外し,地元要望による新規編入など,事業別面積の整理,関連事業を含めた再編成を図ることなどを挙げています。つまり,今後益々状況が悪化することが見込まれる川辺川流域の農業環境を前提として,高収益が見込まれる起死回生的な商品として「メロン」が取り上げられるに至ったと見ることができます。そして,確かに,平成2年ころまでは,メロンの作付面積は右肩上がりの状態でしたが,平成4年ころから,メロンの作付面積は減少傾向となっており,その将来性については,前記のような農業環境の悪化も踏まえれば,少なからず疑問が呈せられるにもかかわらず,前述のように平成16年まで作付面積が右肩上がりに伸びることを前提に費用対効果が論じられたのです。しかも,その数値がほとんど1なのです。すなわち,いくつものかさ上げをして漸く1という数字がひねり出したと言われても仕方のないやり方だったのです。
国側は,かかる費用対効果の算定方法も,行政裁量の範囲内の行為であり,裁判所がこれに口を差し挟むことはできないと言いたいのでしょうが,宮入先生の証言によって,国側は,豊富な情報や人的物的施設があるのに,自分に都合の良い情報のみを拾い集めて,合理的根拠に欠ける計画を策定した疑いが強いことが立証されたと言って良いと思います。宮入先生は,証言の中で,本件を「予測の問題」で裁量の範囲内とする国側の主張に対し,「予測」ではなく「淡い期待」に基づく計画であったと厳しく断じています。「淡い期待」に基づく計画は誰が見ても行政裁量を逸脱したものです。今回の証拠調べにより,原告団の主張は,費用対効果の点においても,正当であることが明らかになったと言えるでしょう。
以上
弁論後の進行協議
1 控訴人は、3月18日までに、三条資格者についての人証申請の要否の検討結果を報告し、同意取得手続担当の職員4名について証人申請する。
2 被控訴人は同意書認否に関する再調査結果資料を整理した準備書面および人証申請を3月18日までに提出する。また、控訴人が申請する証人の要否について至急検討する。
3 控訴人は上記被控訴人準備書面に対する反論を4月25日までに提出する。
4 次回進行協議に立証計画を確定する。
5 証拠調べは5月29〜31日に実施する。
2002年
1/16
1月16日 宮入興一先生証人尋問
キーワードは「メロン」?
宮入先生は、専門家の立場から費用対効果について証言されました。
費用対効果は、次のような投資効率の式で表されます。
投資効率
=
妥当投資額
>
1
総事業費
つまり、妥当投資額が総事業費を上まわっていなければなりません。
では、本件変更計画の費用対効果はどうなっているのでしょうか?
たとえば、メロン。
変更計画では、メロンの作付面積が大幅に増加することを前提にその効果が算出されています。しかし、作付面積が増加するという見込みは客観的なのでしょうか?
実はこの作付面積には何の裏づけもないのです。楽観的な目標数値にすぎません。
宮入先生の計算では、このメロンの作付面積がわずか1%減少するだけで、投資効率は1を割り込んでしまうのです。
この一事だけでも、いかに農水省の算出した費用対効果が客観性に乏しいいいかげんなものかわかります。
まさにこの利水事業が無駄な事業であることが数字の上でも明らかにされました。
次回反対尋問は、2月15日午後1時30分〜 です。
本日の進行協議の内容
控訴人側の3条資格者への聞き取りに対して、国から対抗調査の結果が出されました。
この調査も、地元の市町村の職員等によってなされたもののようです。
控訴人側の調査は多くの市民の方の協力を得て実施されたものですが、役場の職員等がそのあとを回って、「同意は正当にしたもの」との言質をとって回っています。これは、当初の一連の「同意」−「撤回」−「同意」−「撤回」−「同意」を繰り返したあの悪夢の最来です。
控訴人側の弁護団は、この調査方式に対して厳しく抗議しました。
今後の対応については国から出された資料を検討した上決めていく予定です。
11/30
11月30日 進行協議
本日予定されていた宮入先生の尋問は、宮入先生のご都合で延期されました。
事前にお知らせしていなくてすみません。
このため、本日の証人尋問期日は取り消され、今後の進行について話し合うための進行協議がもたれました。
本日の進行協議の内容
1 書類のやり取り
控訴人からは、同意書に関する追加の認否書と準備書面を提出しました。
準備書面は、中川先生の証言に基づく合成行為に関する理論的展開です。
被控訴人からは、控訴人が同意に問題ありと指摘した同意について、同意取得の担当者を明らかにする書面が出されました。
2 宮入先生証人尋問予定
主尋問 1月16日午後1時30分〜
反対尋問 2月15日午後1時30分〜
先生の意見書は12月末までに提出を!
3 現地での農家と担当者の尋問
予定がずれ込んできた関係で、2月の現地での尋問はさらに後にずれ込む見込みになりました。でも、裁判長は「現地を見てみたい」と意欲的。
次回進行協議(1月16日の尋問終了後)までに双方証人リストを提出し準備を進めていくことが確認されました。
10/19
10月19日 進行協議
1 次回の予定について
次回は宮入興一証人の主人のみとし、反対尋問は次々回以降に実施する。
次回の期日を11月30日午後1時30分に変更する
2 同意書の認否について
控訴人側の認否の内容の確認。最終的な認否書を11月20日までに追加提出する。
被控訴人は控訴人が成立を争う同意書について確認照合作業を行い11月20日までに書面で報告する。
9/14
9月14日 証人尋問期日期日 2001年9月14日午後1時30分から内容(担当の西弁護士の報告)1 中島熙八郎先生反対尋問前回の主尋問に対し、農水省側からの反対尋問が行われましたが、中島先生は農村経営学の研究者として、本件利水事業へ多くの農民が提訴している現状をふまえて、対象農家へのアンケート調査をすることになった事情を説明しました。また、調査の手法として、約1年半の期間に熊本県立大の学生(延べ約150名)に現地の農家を戸別訪問してもらって行い、その経費(約70万円)を研究費だけでなく、中島先生が自己負担して、まかなったことを証言しました。
農水省は側は、中島証人が控訴人らに片寄った立場で調査したではないかと印象付けようとしましたが、そのような調査でなかったことが証言で明らかになりました。
控訴代理人は、農水省からの予断に基づく不当な質問に対して、度々異議を申し立て、農水所の狙いを粉砕しました。
2 進行協議証拠調べの後の進行協議では、控訴人側から提出した同意書の調査結果を前提に、下記のとおりの日程を確認しました。
10月19日 午後4時〜 進行協議
11月30日 午前10時〜午後4時 宮入興一先生尋問、地区担当者の尋問
1月16日 午前10時〜午後4時 同上
2月25日〜27日 現地においての農家の尋問と事実上の検証
8/12発
第5回川辺川現地調査
裁判勝利に直結する「農家の同意書確認」調査を柱に
〜農家の心に迫る「アタック2001」調査〜
2001年8月25日(土)〜26日(日)
(日 程)
25日(土) 12:30 参加者受付(*昼食はすませてご参加ください)
(柳瀬農業構造改善センター=川辺川河畔)
13:30 開会式 日程・諸注意等説明
Aコース (五木バスツアー)
Bコース (農家の訪問調査)
19:00 川岸大交流会
食べて、歌って、大いに楽しもう!
21:00 宿舎へご案内(*お風呂は各自で)
26日(日) 9:00 受付(JAくま藍田支所)
9:30 開会
9:40 基調報告(弁護団)
各団体からの報告
大会アピール
11:00 農家の訪問調査
13:00 解散
詳しくはこちらを!
7/13
7月13日 証人尋問期日(情報提供者 内川寛弁護士・三角恒弁護士)
期日 2001年7月13日午後1時30分から内容1 中川義朗先生尋問まず、中川義朗先生の尋問です。午後1時30分から主尋問が始まり、行政手続における適正手続保障という観点から、司法審査のあり方について、行政法学者としての意見を述べられました。
内容を要約すれば、@本件は農民の人権に関わる問題であるから、司法は厳しく審査すべきである。A3条資格者は厳格に特定されるべきである。B計画概要書を添付しないことは認められない。C同意取得にあたっては、関連事業の分担金についても説明すべきである。とういことです。
農水省側からの反対尋問は、ほんの数点のみで、それも内容には踏み込まないというおそまつなものでした。2 中島熙八郎先生尋問主尋問予定時間1時間を大幅に延長して、約2時間主尋問を行いました。
前半部分は中島先生の行ったアンケート調査に基づき、事業の必要性に関する農民の声を法廷に出すというのが主眼でした。後半部分は上原田地区、下原田地区、六角水路、八城迫果樹団地、阿蘇地区、鷺巣地区について、農業の実情と水が足りているかという点について中島先生の調査、研究に基づいて証言してもらいました。
又、国営川辺川事業では、莫大な費用を投じることになりますが、はたしてこのような費用を投じなければならないものなのかについて、重大な問題提起をしてもらいました。既存の施設や水路を新たに利用したり、補修したりすることによって、どの程度の費用があれば農民の需要に答えうるのか、この点について中島先生の試算によると、国営川辺川事業の何十分の1の費用で足りるということであり、費用対効果を考えるうえでも、今回の中島先生の証言は農水省にとっては極めてショッキングなものであったと思います。3 その他、今後の予定等尋問終了後の進行協議では、宮入興一先生(愛知大学教授)の証人尋問が採用されました。いよいよ公共事業における「費用対効果」本論に入ります。
今後の日程は下記のとおりです。9月14日午後1時30分〜 中島先生の反対尋問
10月19日午後4時〜 進行協議
11月30日午前10時〜 証拠調べ(宮入先生の尋問と、可能であれば個別立証も、との裁判官の意向)
というわけで、次回は、9月14日午後1時30分〜
5/25
5月25日の福岡高裁第1回弁論(情報提供者 内川寛弁護士)
期日 2001年5月25日午後1時30分から内容1 ビジュアル弁論まず、控訴人側から大画面のスクリーンに圧倒的な迫力でビデオ上映を行いました。おそらく、こんな弁論(ビデオ検証ではなく)は日本で初めてでは?ビデオの冒頭では、「ダムの水はいらん!」という原告のどアップで迫りました。また、意見陳述自体も、重要論点を的確に指摘するもので、裁判官の理解を得たと思います。休憩後は被控訴人側から、スライドによる事業概要の説明的意見陳述がありました。あとで裁判官が、すごい迫力でしたね、と感想を漏らしておられました。2 進行協議進行協議では、次回期日を7月13日午後1時30分とし、中島先生、中川先生の尋問期日としました。反対尋問については、中川先生についてはできるだけやるようにすると言っていました。福岡さんについては、裁判官は採用するつもりはないとのことです。次次回期日は9月14日午後1時30分からと指定されました。被控訴人側の反対尋問となる予定です。また、アタック2001(一審で証拠調べ未了の三条資格者に総当りするプロジェクト)について、裁判官も強い関心を示し、質問票の中身を一緒に検討しないか?との申し入れがあり、FAXでやりとりすることになりました。この質問票は、後日、証拠として提出することが予定されます。被控訴人側が、推進委員の名前を明らかにすることを躊躇するため、まず具体的な求釈明を控訴人側からして(それを9月初め頃までにする)、それで明らかにできないということであれば、それ自体が弁論の全趣旨になるということで合意できました。→つまり明らかにしないと裁判所は国に不利に解釈するぞということ。さらに、費用対効果の基礎資料について、公表できるかどうかを、被控訴人側が6月8日までに知らせることになりました(本当は、期日までに検討を終わっておくはずだったんですよね)。
3/5
3月5日、福岡高裁の513号法廷(ラウンドテーブル)で、第1回弁論前の進行協議が行われました。進行協議では1時間ほどの話し合いがもたれ、次のことが確認されました。
- 第1回弁論について
- @ 日時
- 5月5月25日(金)午後1時30分〜3時30分
- A 内容 裁判所に対する説明会のような弁論を
- B 持ち時間
- 控訴人(農民ら) 90分
- 被控訴人(国) 30分
- 裁判長「絵でも図でも何でも使ってください。機材が必要であれば機材をつかって、わかりやすくやってください。」
- 第1回弁論後の進行について
- 控訴人は半年くらいをめどに同意調書の認否を行う(原審では半分ほどが保留のままだった)。
- その間、できるものから証拠調べを行う。
- というわけで、最初の証拠調べ期日も決定(誰を証人とするかは第1回弁論で決める)。
- 7月13日(金)終日
- 同意調書の認否を求めるということは、その証拠調べをするということ。
- 裁判長「3分の2の同意があったかというのが重要な論点だと考えています。これについての証拠調べはちゃんとするつもりです。」
- つまり高裁は、原審がきちんとした証拠調べをしないままに3分の2の同意があると事実認定したことをまずかったと思っているのです。
- さらに裁判長「同意を取って回った人の証言が原審では不足しているようですね。」
- 控訴人「役場の職員だとはわかっていても名前まで特定できない地域もあります。」
- 裁判長「班別のリストがあるでしょう。被控訴人は出してください。」
- 被控訴人「検討します。」
- 費用対効果について
- 裁判長「控訴人は基礎資料を出してほしいと言っているが、基礎資料はあるんでしょ?」
- 被控訴人「あるとは思いますが、出せるものかどうか・・・。」
- 裁判長「出す方向で検討してください。」
- 被控訴人「(しぶしぶ)はい。」
- 印紙代について----超重要!
- 行政訴訟を行う際の印紙代について、国は、提訴したもの全員が1人1人印紙代を払うべきだと主張。これは地裁では8200円、高裁では12300円。控訴人らは地裁でも高裁でも1人分しか払っていない。だって事件としては1個じゃありませんか。これを控訴人760人分払うとなると、本件の高裁では934万8000円!!!
- 裁判長はこれを明快に否定。
- 裁判長(議事の終わりになって)「何かほかにありますか?」
- 被控訴人「あのう、印紙代のことはどうなっていますか?」
- 裁判長(事も無げに)「ああ、それはもう結論が出ています。追徴するつもりはありません。この点では判例も確立していますし。合議の上で決定を出すつもりです。意見があれば書面でどうぞ。」
- (当然と言えば当然ですが、ヤッタネ!)
進行協議のあとは街頭での宣伝行動のあと、福岡県弁護士会で交流集会を開きました。原告団の本体は200キロの道のりを帰らなければならないので夜の集会は失礼しましたが、それでも50名ほどの方に集まっていただきました。その後は懇親会へ。福岡のみなさん、これからもどうかよろしくお願いします。
2001年
2/10発
2001年3月5日(月) 午後3時30分 福岡高裁にて
- 福岡高裁では控訴された川辺川利水訴訟事件について第1回弁論を開く前に、今後の訴訟進行について打ち合わせる進行協議の手続を先に開くことを決めました。
- 第1回進行協議の日程は次のとおりです。
3月5日(月)
- そこで、3月5日の動きについて、弁護団は次のとおりの行動を提起します。福岡にお住まいの方も、是非下記行動にご参加ください。
午後3時 裁判所前集会
午後3時30分 進行協議(非公開)
午後5時 天神西鉄駅前街頭宣伝
午後6時 川辺川交流集会(福岡県弁護士会館)
午後8時過ぎ 懇親会