旅先にて

 ここは沖縄県八重山郡西表島の”カンピラの滝”

”ミカドアゲハが十数頭集まって吸水している写真”、これを見せていただいたのは今から20年くらい前だろうか。西多摩昆虫同好会会員の鈴木氏が撮影されたものだった。
 私もいつかはカンピラの滝でミカドアゲハの集団吸水を見てみたい、そしてカメラに収めたいと思うようになった。
私が蝶の写真を撮り始めたきっかけとなった出来事だ。
 そしてついにカンピラの滝までやってきた。そこで見たものは・・・。
photo/アオスジアゲハ/1992/3/22
広い岩でできた川岸は、水の流れや小石によって浸食を受け、ウロコのような模様をつけ、あるところでは大きな穴があいていた。
 その所々に水色の蝶が翅を震わせながら集まっている。アオスジアゲハだ。残念ながらミカドアゲハは見られない。発生時期とずれているようだ。
 早速集団吸水している写真を撮ろうとするが、とても敏感で這うように近づいても一頭二頭と飛び去り、幸か不幸かそこにミカドアゲハが飛んできて舞い降りて仲良く吸水するのかと思えば、アオスジアゲハを蹴散らして飛び去っていった。
photo/アオスジアゲハ/1992/3/22

西表島編

カンピラの滝の水音も静かに聞こえる山寄りのシダの上にはカラスアゲハが翅を休めていた。

photo/カラスアゲハ/1992/3/22
西表島には昔、東部の大富から西部の白浜までを車道でつなぐ横断道路建設の計画があった。ところが”イリオモテヤマネコ”の発見で、道路工事は途中で中止された。そのとき、仲間川沿いに造られた道が仲間川林道として残されている。
昼でも薄暗い林道のセンダングサにはリュウキュウウラボシシジミが見られる。
photo/リュウキュウウラボシシジミ/1992/3/21