■西洋骨董洋菓子店　1 / よしながふみ　（Wings Comics)　520円  (bk1)
■西洋骨董洋菓子店　2 / よしながふみ　（Wings Comics)　520円  (bk1)
ごぞんじ、月9ドラマ「アンティーク」の原作コミックス。
これ、面白いです！

主要な登場人物は、そろいもそろってイイ男達。
伝説のパティシエにして、狙った男は必ず落とす魔性のホモ（笑）小野。
元商社の営業マンで、口が達者な辛党オーナー橘。
かつては将来を嘱望されたボクサーだったものの、病を得て泣く泣く引退した、ジャニ顔のパティシェ見習いエイジ。

彼らが働くお店には、美味しいケーキを求めて沢山の客がくる。
中には、ちょっと変わった常連さんも。
さらに幼少時に橘が巻き込まれた、××事件の謎も絡んできて…。
続きが気になる〜！

私の一番のお気に入りは、盛りを過ぎた勝てないボクサーのエピソード。
よしながさんは、傷つき弱った人生の敗者を描くのが、とても上手い。

みっともないこと、くやしいこと、自分の力ではどうにもできないこと。
そんなもやもやを抱えつつ、日々の小さな幸せを大切に生きる彼らが、とても愛しい。

気分が沈みがちなときに、ぜひ。
あま〜いケーキが食べたい時にも。…実際には口に出来ませんが（笑）。
おすすめです。

■絶叫城殺人事件 / 有栖川有栖　（新潮エンターテイメント倶楽部ＳＳ）　1600円  (bk1)
臨床犯罪学者・火村英生と、推理小説家・有栖川有栖が活躍する、ミステリ短編集。
手堅く楽しめる作品が揃っています。

私のおすすめは、ラストに収録された”絶叫城殺人事件”。

”絶叫城”とは、一部のマニアに人気がある、ホラー系ゲームソフト。
ある夜、その中に登場する殺人鬼・NIGHT PROWLER（夜、うろつく者）をなぞらえた、
凶悪な殺人事件が発生する。
乏しい遺留品をたよりに、必死の捜索を続ける大阪府警と火村だが…。

（以下ネタバレ→）終盤の、2度にわたるドンデン返しにびっくり！
そうか、この手があったのか…。
巧みなミス・ディレクションに、ころりと騙されてしまいました。←
いやぁ、おみごと！

ミステリがお好きな方は、ぜひどうぞ。
お値段分、しっかり楽しめる一品でした。

■死体をどうぞ / ドロシー・Ｌ・セイヤーズ　（創元推理文庫）　940円  (bk1)
20世紀初頭、英国は海辺の保養地を舞台にした長編ミステリ。
貴族探偵ピーター卿と、女性ミステリ作家ハリエットが大活躍！
これ、面白いです！

ひとり気ままな徒歩旅行を満喫していたハリエット。
しかし、海岸そばの岩上で、奇妙な死体を発見してしまう。
さらに不運なことに、満潮の高波が死体を海へさらってしまった！
ハリエットとピーター卿は、死体なき難事件に挑むのだが…。

主人公2人の論理合戦が面白い。
じっくりと、謎解きを楽しみたい方にお薦めです。

それから、（以下ネタバレ→）被害者が×××だったという仕掛けには仰天！
思い切り騙されてしまいました。
アレも伏線だったとは…。←
最後まで、気がぬけない作品ですよ！

■孤島の姫君 / 今市子　（眠れぬ夜の奇妙な話コミックス）　762円  (bk1)
6つの短編を収録した、読みきり作品集（漫画です）。

わたしのイチオシは、架空の大陸を舞台にした標題作。
心優しい気弱な青年と、男勝りな武闘派女性のコンビが楽しい。
繊細かつ美麗なこの絵柄で、ボケたおすあたりがなんとも…（笑）。

定石とおりに進まない、一風かわったファンタジーがお好きな方はぜひ。
おすすめです。