04. 疑う気持ちをなくした訳ではないけれど



 道連れが出来た。
 キマナは傭兵で、今は魔術師サールの護衛。
 彼らが何者なのか詳しくは聞いてない。次の町で売り飛ばされるかもしれなかった。
 魔物とも遭遇した。何回も。
 彼らは強かった。キマナは勿論、サールでさえ戦い慣れてる。
 売られるかも知れなかったけど荷物にはなりたくなかったから頑張った。
 珍しくルオも彼らに懐いた。

「誰かに習ったのか?」
 キマナがあたしの持つ大鉈を指差して言った。
「ううん。自己流。猟師なの」
「成る程。綺麗な殺し方だと思った」
「殺すのに綺麗も汚いもあるの?」
「肉と毛皮が売り易いと思っただけだ。気分を害したならすまん」
 納得したあたしは頷いた。それから謝った。
 普通の獣でも魔物な獣でも毛皮や牙は売れたから、それは大事な収入源だ。子供のあたしより、大人のキマナが売った方が買い叩かれない。

 あたしもルオも、売り払われなかった。

「カケラはね、習った事がなくても魔法が使えるようになるんだよ」
 サールが言う。
 カケラの色によって魔法の系統が違った。赤なら攻撃、青は補助、緑が回復。カケラが大きく、数もあればより強力な魔法が使える。
「どうして教えてくれるの」
 2人とも、お互いに顔を見合す。そんな事を訊かれるのは意外、って表情。
「女の子が1人で頑張ってるのを見過ごせないよ」
「目的は一緒だろう?」
 魔王の元へ行く。

 ――何をしに?

 行って、何をする?
 何ができる?

 焚火の爆ぜる音だけが、夜の静寂に響く。







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