02. 出会いは突然に訪れる
魔物が増えたと思う。
村でだってそれなりに被害は遭った。人が襲われたり。
でもそんなのごく僅か。
此処は細いし人通りも殆どないけれど、れっきとした街道だ。
あたしは大鉈を振るう。近距離過ぎて猟銃は使えない。弾も節約しなきゃだし。
獣系の魔物の頭部を叩き潰す。
これ何匹目?
周囲には似たような死骸が転がって、足場も悪い。どうしよう。場所を移動しようか。街道のど真ん中で動き易いっちゃ動き易い。代わりに身を隠せる場所もない。
背後はルオがいてくれる。けれど彼も戦ってるんだからずっと守ってる訳にもいかない。
そろそろ息が上がってきた。
不意に割り込む声。2つ。
「1人で倒せる数か」
「でもやらなきゃ」
「助太刀は要る?」
「要る」
見知らぬ他人を混ぜて、戦いの続き。
何匹屠ったのか解んない。血染めの街道。う、御免なさい。お掃除は出来ない。
流石に疲れた。大鉈を支えに息を整える。
あ、そだ。
「ありがとう。助かりました」
1人は一見して戦う人だ。鍛え上げられた筋肉、頑丈そうな鎧、使い込まれてそうな剣。あたしより頭2つ分くらい背が高くて、見上げなきゃ顔を合わせられなかった。
もう1人は魔術師。杖を持ってる。服装は普通。こちらを見た双眸は黒曜石みたいだった。
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