エディットコラム プレイアビリティ -ArmA訓練所-

ArmA訓練所
2007/10/22

目次


プレイアビリティとは

プレイアビリティとは、一言で言えば遊びやすさのことです。
ArmAにおけるミッションのプレイアビリティについて考えてみたいと思います。

プレイアビリティの特性

一般にプレイアビリティが高いほど(遊びやすいほど)多くの人に楽しんでもらえますが、
そのためには操作やルールを単純にするなど、ゲームの中身は薄くなってしまいがちです。
ゲームの中身を充実させていけば行くほど、覚えることや操作が複雑になりやすく、
プレイアビリティが低下(遊びにくく)する傾向にあります。

これはどんなゲームでも企画の段階で気を遣う部分だと思います。
ArmAはもともとリアル系のジャンルに属するゲームのため、もともとプレイアビリティは他のゲームに比べて低めになっています。
射撃一つをとっても、多くは100m以上の距離で打ち合うため目標が小さく照準に時間がかかります。
自然な手ぶれに加えて息切れや怪我の影響でさらに手ぶれが大きくなります。
そして標的までの距離によって銃弾の弾道は重力の影響を受けて下がり、その銃弾も銃の精度によって発射時にばらけてしまうという
手の込みようで、これに加えて発射から着弾までのタイムラグを考慮すると他に例を見ないほど射撃が難しいゲームだと言えます。
ゲームによっては常に画面の中央にタイムラグが無く正確に弾が飛ぶため、比較するのが馬鹿らしいほどです。

ArmAは射撃一つでもこれだけ面倒で大変なゲームであるにも関わらず、OFP同様に世界中に熱狂的なファンが多数存在します。
これは面倒でもそれを超えた楽しさがそこにあるということを証明しているのだと言えます。
しかし、同時にEA Gamesのバトルフィールドシリーズやハンゲームで遊べるスペシャルフォースと比較して
プレイ人口がかなり少ないことも同時に証明されています。
これは一般にプレイアビリティが高い方が好まれることを表していると言えます。

プレイヤーの好み

プレイアビリティが高い方が好まれるといいつつも、ArmAのようなプレイアビリティの低いゲームが支持されるという
実に奇妙な矛盾が存在していることが分かると思います。
これはプレイアビリティとゲームとしての面白さは必ずしも相反するものではないということです。
しかし、マクロ的な視点で見ればほぼ相反するものとして捉えられるのも事実で、結局よく分からないということになってしまいます。
この問題は基本的にプレイヤーの嗜好の違いに大きく左右されると言うことが分かっています。
そこでプレイヤーの好みとプレイアビリティを平行して考えていきたいと思います。

ミッションエディットとプレイアビリティ

ミッションエディットのコンセプトによって大きくプレイアビリティは変化します。
例えば、通常のデスマッチであれば近くに動いている兵士がいたらそれを撃ち、自分の命を守るという実にシンプルなゲームとなります。
敵に一度でも見つかってはいけないステルス(潜入)ミッションは攻略が難しく、気軽に遊べるゲームタイプとは言えないでしょう。
こうした違いはどこから来るのか、ポイントに分けて考えてみましょう。

リスポーンの有無

SPミッションではチームスイッチ、MPミッションでは複数タイプのリスポーン設定があります。
単純に1回死んだらゲームオーバーとなってしまうより、復活して長く遊べた方が遊びやすいと言えます。
ただし、ゲームの敗北条件が無くなってしまうとやりがいがなくなるゲームタイプもあるので注意しましょう。

プレイヤー数

自キャラのみより、複数のAIがいたり、他のプレイヤーと一緒にプレイできた方が遊びやすいと言えます。
ただし、ステルスミッションのようなケースでは仲間が多いとかえって不利になる場合もあります。

難易度

難しいゲームよりは易しいゲームの方が遊びやすいと言えます。
ただし、簡単すぎるとすぐに飽きてしまいます。

プレイ時間

1ミッションのプレイ時間が短い方が遊びやすいと言えます。
目安は1ミッション30分以内がおよそ遊びやすい範囲だと思います。
難しいミッションだと1時間程度になるかもしれません。
ArmAでは途中参加機能があるので好きなときに出入りできますが、ミッションの開始から終了まで遊べる方が楽しめると思います。

移動時間

移動時間が短い方が遊びやすいと言えます。
ミッションの大半を移動に費やすとどうしても退屈になりがちです。

ミッション目標のわかりやすさ

ミッション目標がきちんと示され、プレイヤーにわかりやすくなっている方が遊びやすいと言えます。
行き先が分からなくなったり、何をすればいいのか迷ってしまうような作りは好まれないでしょう。

バグや脆弱性

プレイヤーのちょっとした動作でゲームの進行に支障が出ない方が遊びやすいと言えます。
そもそもバグっていたり、制作者の想定が甘いととたんにゲームが成り立たなくなることがあります。

どんなゲームが良いのか

結論から先に言ってしまえばこうであるべきというものは存在しません。
面白くする変わりに遊びにくくなることはよくありますが、面白さを維持したまま遊びやすくする努力を怠らないようにすべきだと思います。
移動時間が退屈なミッションになってしまったら、移動中も戦闘が起こる緊張感で楽しめるようにするなど、工夫の余地はあります。
比較的簡単なミッションでも、ゲーム性が良くできていれば何度でも遊べると思います。(OFPのRealPaintBallなど)
そして、どんなミッションもプレイヤー次第で評価が変わってくることも忘れてはいけません。


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