欧州の多極出力管(直熱管)

バルボのL497Dです。ムラードのPM24DやフィリップスのF443N同等の直熱5極管です。セラミック碍子を巧みに使って電極を保持した丁寧な作りの電極はさすがです。フィリップス系特有のST形状ですがBF25より一回り大きいです。比較に並べたPM24Dや6BM8が小さく見えます。

バルボのL496Dです。テレフンケンのRES964と同等です。外形はバルボ独特のST管ですが、内部の電極はRES964と全く同じです。

欧州で最もよく使われた初期の5極管、RES964です。テレフンケンのナス型管(メッシュプレート)と後期のST管です。規格は、直熱管ですが6F6クラスで3W程度の音声出力が得られます。この点は、当時のアメリカの247よりも優れています。

AL1は、RES964のサイドコンタクト版で規格は同じです。この他にもRES964同等管はフィリップスのF433など、たくさんあります。フィリップスはカーボンコートで内部が見えませんが、テレフンケンのものは前述のRES964と同じプレートが入っています。大変丁寧なつくりです。

フィリップスのE443です。245を一回り大きくしたような形状で、プレートが横向きに入った面白い構造の真空管です。プレートに400Vまで印加することができる分、出力が取れます。

フィリップスの小型出力管、B443です。バリウム昇華型(ミニワットカソード)のフィラメントです。米国輸出仕様のようで、ベースがUYになっています。

ロシアの直熱5極管の4P1Lです。プレートの素材は、先のGY50と同様のもののようです。

東ヨーロッパ製(国名?)のRS337同等管のSRS503です。トリウムタングステンフィラメントのプレート損失150Wの直熱5極の送信管です。ゲッターはなく、プレートに取り付けられた板状のものが、ゲッターの代わりになっています。