稀源




「おつかれさまでした」
「お疲れ様でした」
「カカシさん、いっぱい疲れた?」
「ん。大丈夫」
 結婚式自体は恙無く終わったし。
 要人の皆様もお帰りになった。…それぞれ、暗部と上忍を護衛に付けてあるから、多分、問題もない。
「先生達きれいだったね」
「そだね」
 二人共、中身はさておき美男美女だから。見応えだけはあった。
「イルカもあんな風にしたい?」
 オレは嫌だけど。もっとずっと簡単で良い。でも、結婚式なんて、普通は女の子の意見が最優先でしょ。
「んー。イルカ、カカシさんが大変なのはヤだなー」
「そぉ?」
「うん。あんなに人いっぱいいなくて良い。でもね」
「何?」
「先生のお着物はきれいで良いなって」
「着たい?」
「うん。アンコちゃんと先生に貸してくますかって聞いたら、良いって」
 へぇ。確かにイルカは好きそうだとは思ってたけど。アンコもああいうのが良いのか。
「ね、イルカとカカシさんの時は先生達とおんなじの着ようね」
「良いよ」
 先生、泣いて喜びそう。
「あ。でもイルカ、似合うかな?」
「大丈夫。似合うよ」
「ダメだったらナシにしようね」
「え、そうなの?」
「うん!」
「まぁ、イルカの好きで良いよ」
 オレの希望は多分、先生に破壊されるし。イルカの希望なら大丈夫だろうけど。
 そう考えると、オレって何から何まで先生に左右されてるんだなぁ。
 …ま!今更だけどね。









 どんなに迷惑かけられたって、振り回されたって、先生には敵わないんだよね。
 別に、嫌じゃないけどね。



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