「…あ…ふ。…ぁ…」
絶え間なく与えられる刺激に呼吸を整えようとするが、先を読んだかのように激しくされる行為に、それは叶わなくて。
頭が、どうにかなってしまいそうだった。
既に、自分の取らされている体勢も施されている行為も霞がかったようにぼんやりとしか認識出来なくなってきている。
翻弄される。
全ての思考が感覚だけに支配される。
「も…や…。やめ…」
絶え絶えの息の中、何とか言葉を紡ぐ。
「…ねが…」
弱々しく手を伸ばし、カカシの頭に触れる。掴む筈で動かした指が、くしゃりと髪を梳く。
「…っ…あああ!」
音を立てて吸われ、喉がひきつる。かすれた悲鳴を上げて、背を思いきりのけぞらせた。
「…イっちゃったかな?」
真っ白になってしまった意識のまま、荒くなった息を吐き出すイルカの様子を窺いながら言う。
「も…も、おし…まい?」
焦点の合わない瞳で喘ぐ。
これ以上刺激されたら、本当にどうにかなってしまいそうだった。
「ん。まだ」
「…ぇ…。…っ…!」
申し訳なさそうに言われ、信じられなくて不安に視線を彷徨わせた瞬間、何かに身体を縫い付けられる。
「…あ、あ、あ…な…に?」
「少しきついかな。…痛くない?」
「や…な…なに?」
自身の内を探られる感触に混乱する。
「…指。指をね、入れたの。慣らさないといけないから。ね。痛くない?」
「や…ひゃあ…ん。…ん…ふ」
かき回され、落ち着きかけた呼吸がまた、乱される。痛みこそなかったが、知らない感覚に感情はついて行かない。
「…大丈夫そう?増やすよ?」
「…ぃ…っ」
言いながら増やされた質感に躯の中が圧迫される。
「…中。ざらついてる」
器用に中を動き回る指に意識が集中し、カカシの言葉も理解出来ない。
無意識に逃げようとしてか、知らず躯が揺らめく。
「二本でもかなりきついんだけど…」
「…っ!」
ひくり。
困ったように言いながら更に増やされた侵入者に、呼吸が一瞬止まる。
「すっごい締めつけ…」
「…え…?ごめ…」
「何謝ってんの?感じてくれてるのに」
痛そうな声に反射的に謝ると苦笑される。意味の判らない内容に困惑してしまう。
「…躯。むずむずしない?」
「…んん…!」
イルカ本人よりも状態を把握しているような科白を不思議に思う間もなく、思考を消される。
判るのは、この状態を嫌悪していないという事だけ。
「…か…かし…さ…」
「何?」
「た…すけ…」
何かを捜すように伸ばされる腕がカカシの首に回った。
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