夢の代わりに

7月7日は、七夕でした。
七夕伝説、知っていますか?
「お前は、よく働くのう」
 天の神様が、娘の織姫(おりひめ)に言いました。
 織姫の仕事は、はた織りです。
 織姫は、はたを織るのが大好きで、毎日毎日、とんとんからり、とんからり
 と、はたを織っていました。
 天の神様は感心して、よく働くごほうびにと、織姫にお婿さんを迎えてやる
 ことにしました。

「婿には、彦星はどうかな?」
 彦星は、天の川の向こう岸で、天の牛の世話をしている立派な若者でした。
 織姫は、彦星を一目見て、すっかり気に入りました。
 二人は結婚して、仲良くくらしはじめました。

 ところが、あまりに仲が良すぎるのも困りもの。
 結婚してからというもの、二人は遊んでばかりいて、仕事をなまけるように
 なってしまいました。
 天の神様がいくら注意をしても、聞きません。
 おこった神様は、とうとう二人を呼んで言いました。

「仕事をなまけるとは、何事じゃ。もう、別れてしまえ!」

 びっくりした二人が、いくらあやまっても、神様はゆるしてくれません。
 泣く泣く、彦星は、天の川の向こう岸へ帰って行ったのです。

 彦星と別れた織姫は、毎日毎日泣いてばかりいました。
 どんどんやつれていく織姫を、神様はかわいそうに思い、こう言いました。

「彦星に会いたければ、はた織りの仕事を一生けん命やるがよい。そうすれば、
 一年に一度、7月7日の夜だけは、彦星の所にいくことをゆるしてやろう」

 織姫は大喜び。それからというもの、毎日はた織りをがんばってしました。
 彦星もそれを聞いて、牛の世話にはげみました。

 そして、毎年7月7日の夜が来ると、織姫は天の川を渡って彦星の所に行く
 のです。けれど、もし、この日に雨が降ると、天の川の水かさが増えてしまい、
 織姫は天の川を渡ることができません。
 でも、ご安心。そんな時は、カササギという鳥が飛んできて、天の川に橋をかけ
 て、織姫を川の向こうに渡してくれるということです…。
あなたには、自分が一生をかけて歩んでいる道があるね。
あなたは、その道を極めるために、ずいぶんがんばってきた。
道を極めるためには、時には辛いことだってあっただろうけど、
あなたは夢をあきらめない。
そして、そんなあなたを、わたしたちは応援しているよ。
あなたの人柄に惹かれて集まった人たち。みんな、あなたの味方。

これから進む、あなたの道は厳しいかも知れない。
でも、夢はあきらめなければ、きっと叶う。
あなたが本当に困っている時が来たら、遠慮はいらない。
手助けを求めなさい。あなたの元に集まる人(kasasagi)は、たくさんいるよ。



【『海嘯DVD』ほかに収録】

(初稿 2000.07.12)



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