歌をあなたに

卒業式に泣いた思い出、ありますか? 良いものだよ。
小学校でも中学校でも、卒業式には歌を歌うことが多かった。
高校はともかく、今も、小中学校の卒業式では歌を歌うようだ。

それは、何万語句のことばを並べた手紙を書くより、ワンフレーズの歌の方が、
その瞬間の自分の心を表すことができるから。

6年間・3年間の思い出を、一気に凝縮するパワーが、歌にはある。
歌う者・聴く者、みんなの心がその歌でつながり、気持ちを交歓できる。
歌う者も泣ける。聴く者も泣ける。そんな歌に数多く出逢えたら、幸せだ。

中島みゆきの初期の作品。彼女が歌を歌い続ける理由は、ここにあるのかもしれない。


【『私の声が聞こえますか』 ほかに収録】

(初稿 2000.03.24)



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