たったひとつだけ、中島みゆきの曲を選べと言われたら、わたしはためらうことなく、 この曲を選ぶ。 前にも話をしたが、それまで15年間ぐらいに渡り、ベストの座にあったのは『歌姫』である。 別に歌姫に魅力がなくなったわけではない。より、わたしの心に響く曲が見つかっただけだ。 人が人と出逢い、逢瀬を重ねながら二人の時を刻んでいく。 (このまま時が止まればどんなにいいだろう…) その流れの中では、無駄な時間など刹那にも感じないものだ。 あなたは、つらい恋に泣いたことはないだろうか? でも、その涙があったから次のめぐり逢いがある。 その時に流した涙は、けっして無駄なものではないはずだ。 どんな出逢いをしても、たとえどんな別れをしても、 『覚えていること』…これが一番大切なことなんだと思う。 『誰かが自分を覚えてくれている』という支えがあるからこそ、人は前に進むことができる。 |