| 「あ〜あ、歳はとりたくないもんだね」 「いつまでも若いままでいたいよね」 誰もが若さに憧れ、老いを畏れるものだ。 でも、時として、早く時間が過ぎればいいなんて、思うことはないだろうか。 時間が解決してくれるものだって、世の中にはある。 今の自分を取り巻く環境が、明日もこのままだという保証はどこにもない。 もしかしたら、うれしい明日がやって来るかも知れない。 もしかしたら、悲しい明日がやって来るかも知れない。 その時、はたして自分がどうなるのか、その姿を想像してみたことがあるだろうか？ 歳をとった時に、いったいどんなことを思い出すんだろうか。 いい想い出になっているだろうか。 とりあえず、時が過ぎるのを、あなたと一緒に、じっと待ってみようか。 |
【『寒水魚』ほかに収録】
（初稿 ２０００．０５．０８）
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雪