命の別名

この世に生まれてきた以上、誰かの役に立ちたいと思う。
役に立てないなら、せめて毒になりたい。
そうすれば、きっと覚えていてもらえるだろうから。
毒にも薬にもなれず、忘れ去られていく人生なんて、
あなたは寂しい気がしないか?

たやすく涙を流す人って、あまり信用できない気がする。
ただ顔の表面を流れ落ちるだけのものに見えてしまうから。
泣いている自分の姿に憧れているのかもしれないなって…。

本当にその人の心が泣いているかどうかは、きっと、出逢う
自分の心が感じると思う。たぶん、わかると思う。

同じあやまちをくり返さなければ、人は成長できるそうだ。
それがわかっていても、くり返してしまうから、あやまちなんだろう。
あなたの心のままに進むことが、必ずしも自分に正直に生きることとは
言えないのではないだろうか。
命の別名が心なら、心のままに進むことは、自分の命をかけること。
つまり、何があっても、どうなろうと、後悔しないこと。


【『わたしの子供になりなさい』ほかに収録】

(初稿 2000.05.05)



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