春までなんぼ


『嘘をつくこと』・『人を騙すこと』。

似ているけれど、違うもの。
嘘には愛があり、騙すには悪意がある。
受け取るならば、嘘がいい。騙されるより、嘘がいい。
騙されることがわかっているなら、積極的に騙されてるふりをしたい。
あの人の悪意を感じたくないから。

親切な気持ちも、度が過ぎれば、お節介と呼ばれてしまうことがある。
本当にその人のことを想うなら、もうこれ以上、関わらないで。
だけど、見かけほど、そんなに健康じゃないってこと、知っている。
見かけほど、割り切って冷めてもいないってこと、知っている。
自由って、見かけほど自由なんかじゃない。

どんな冬にも春が来る。どんな夜にも朝が来る。
だから、無理なんかしなくたって、いいんだよ。


【『はじめまして』ほかに収録】

(初稿 2000.04.29)



御機嫌如何    みゆきトップ     夜風の中から