縁(えん)

魂には、心ひかれあうグループというものがあるという。
そのグループに所属する魂たちは、時と場所をほぼ同じくして誕生・消滅をくり返す。
現世における親子・兄弟・恋人・夫婦・親友…。それらは、すべて同じグループに所属する。
自分の人生に大きな関わりを持つ魂のグループ。自分の魂の片われは、必ずその中にいるよ。

「縁がある人」 「縁がない人」
人と別れた時、よく「縁がなかったね」と言われる。
でも一概には、そうは言えないように思う。
心ひかれる人は、同じ魂のグループの人。
出逢えたことそのものが縁ある証拠なのだ。
ただ、その縁を育てることが出来なかっただけではないだろうか。

…もっともその縁を育てていくことが、一番難しいことなんだろうね。
本人の努力と周りの理解が必要だけど、その縁を育てることができない理由だって、
あるのかも知れないし。


【『予感』ほかに収録】

(初稿 2000.04.30)



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