--出会いと再会-- +3+
鮮やかな舞に一同は息を飲む。
体の身のこなし、剣の振り方、降ろし方、全てが見逃す事の出来ない、いや見逃す事を許されないような神々しさを持ち合わせる。
彼女の相手は間違いなく神を降ろした(トランス状態の)少年だというのに、圧倒的な威圧感や存在感を持ち合わせる彼女の方が神と感じずにはいられなかった。
聞こえてくるのはと斉天大聖役の少年がならす足音と剣戟の音。
そして笛子(竹製の中国式フルート)。
誰かの息づかいも聞こえない。
誰もが圧倒されたが故に息をする事さえも忘れていたのだ。
そして、二人が動きを止め大鑼 が盛大に鳴り響いた。
一瞬の静寂。
その後の割れんばかりの拍手喝采。
メインの剣舞は終了を迎えたのだった。
たくさんの人に囲まれながらかいた汗を流し式服から普段の服に変えて、逃げるようにして離れに戻ってきた時にが見たものは、手のつけられていない食事だった。
「どうしたの?口に合わなかった?」
「そうでなくて、あまりの舞の見事さに、食べるのを忘れてしまったんですよ。でね、どうせだったらが戻ってくるまでまとうと言う事になって」
問い掛けた言葉にそう答えた八戒には目を見開く。
「ごめんなさい!!!!!!!!それじゃあ、スゴく待たせちゃったよね」
「そんな事ねぇよ。の舞、スゴくよかったから、腹減ってるの忘れて………って思い出したら…腹へった…」
悟空の言葉にその場が和んだ。
そうして、を交えた食事が始まったのである。
「悟浄!!俺の春巻き食ったろ?」
「食ってねぇよ?」
「食ったよ!!今、俺が食べようと思ってとっておいたのに!!!」
「別に減るもんじゃねぇだろ?春巻きの一個や二個」
「食ったんじゃねーか!!!」
「うるせー、てめぇら、静かにくえねーのか!!!」
「三蔵、発砲だけはやめてくださいね」
いつもの騒動に拍車がかかろうとしていた時八戒の1トーン低い声がかかる。
「………」
「悟浄も、悟空もここ、どこだと思っているんですか?あいにく宿屋じゃないんです。少しは大人しくしていてくださいね」
とニッコリと八戒は微笑む。
確かにここは普通の宿屋や食事所じゃない。
…だからと言って…。
…宿屋だったらいいのか…。
と心の中で突っ込む。
もちろん、面と向かっては言えない。
「悟空、 小龍包食べる?おいしいよ」
その喧噪の中で唯一騒動に入らず食に向かっていたのは。
小皿に取り分けていた小龍包を悟空に差し出す。
「いいのか?。の分なくならない?」
「平気だよ。わたし結構食べてるし、炒飯食べた?春巻きわたしがとっておいたのあげる?」
「いいのか?」
「うん、全然、オッケー」
「、猿に餌付けすんなって」
「へへへん、いいだろ?」
「じゃあ、悟浄も食べる?」
そう言っては悟浄に小龍包を差し出す。
ちなみに、は悟浄と悟空の間。
「俺、ちゃんの方がいい」
「悟浄…打つわよ」
どこからかは銃を取り出し、悟浄に突きつける。
悟空が文句を言うよりも先に。
三蔵が発砲するよりも先に。
八戒がニッコリと微笑むよりも先に。
「……もしかして、用意してた?」
「まあね。一応、悟浄とは初めて逢った訳じゃないわけだし?何度か仕事した中で悟浄の特性、あしらい方は覚えたつもりだけど?」
「さすがですね」
「すげー」
「あなどれんな」
「ハハハハハハはぁ…」
フォローの何もない仲間の反応に悟浄は笑うしかなかった。
「そう言えば、はどうしてここに?祭の為だけとは…思えないんですが」
「まあね、ここに立ち寄ったのは単なる偶然…というか…近くにいるんだったら『斉天大聖祭』の剣舞をやっていけと洛陽の竜祥(の変わりに表に出ていた人)に頼まれたからって言うのもあるんだけど…」
食事後のお茶を飲んでいた時だった。
八戒が不意に訊ねたのは。
「旅はねちょっとした理由とたいした理由で旅してるの。
ちょっとした理由って言うのは思いっきりプライベートな事だからあれなんだけど…。数か月前にね、そう、最後に八戒達と仕事した後ぐらいかな?道教の秘術が盗まれたの。
それ門外不出の物だから、大騒ぎになっちゃって…一応責任者だし?
だから、その責任をとって、まぁ、こうやって捜してるって訳?手がかりは西にある…ってだけでね…。そう言えば、みんなはどうして旅してるの?」
「まぁ、俺達も西に旅してるのよ。ちょっとした理由でさ。このな〜んも出来ない三蔵様のお供ってやつ」
「そう言えばさぁ、『三蔵法師』に逢った事あるっていったよな。どんな人?」
悟空は悟浄の言葉を遮るようにに聞く。
世間一般な『三蔵法師』をみたいからだ。
ついでに、妖怪(牛魔王一派からの刺客)から、経文も守れる。
「…ん…そうだね。スゴい、のんびりとして、穏やかで、のほほんとしてて、つかみ所がないっていうか…。陽溜まりのような人?かな…」
の言葉に三蔵は、記憶を呼び覚まされたような気がした。
三蔵自身、他の三蔵法師に逢った事がない(注:カミサマ編の前です)。
逢ったのはただ一人、師匠である光明三蔵法師ただ一人だ。
の言う『三蔵法師』の像は、あまりにも師匠『光明三蔵』に似通っていた。
「今、その方はどこに?」
何気ない八戒の言葉に三蔵は眉間にしわを寄せ、は少しだけ俯く。
「どうした、?」
「……三蔵様、その双肩にかかる経文は……、『魔天経文』とお見受けします。相違ございませんか?」
「………間違いない」
「そうですか……」
と三蔵の言葉に一同は気がついた。
の逢った『三蔵法師』は『光明三蔵』である事に。
「…分かってたつもりなんだけどな…。改めて事実突きつけられると…つらいかもね」
「……光明三蔵法師とはいつ?」
俯いたに八戒は静かに訊ねる。
「……10年まえ?かな。三蔵様、ここではなく、別室でお話ししたい事がございます。よろしいですか?」
「……構わん」
「じゃあ、みんな、三蔵様、借りてくね」
そう言って笑顔に憂いを湛えたままは三蔵と共に別室へと向かった。
「……なぁ、八戒、俺…まずい事聞いたかな?」
悟空が、不安そうに八戒に問い掛ける。
部屋を出ていく時に見た憂いを含んだ笑顔が気になったからだ。
「そうですね…。何とも言えませんが、大丈夫だと思いますよ」
「ホントか?だったらいいな」
悟空の笑顔を見ながら八戒と悟浄も思っていた。
あんな風に憂いを含んだの笑顔は見た事がない。
仕事上でしか付き合っていないせいと言われればそれまでだが。
「なぁ、八戒」
何事か考えていた悟空が八戒に尋ねる。
「俺さぁ…思ったんだけど……」
「僕ね、悟空の考えてる事、何となく分かりますよ」
「俺も、分かるわ」
「戻ったら言ってもいいかな?」
「そうですね、何というか分かりませんが」
「俺、賛成よ。華はやっぱあるべきっしょ」
「エロガッパにはぜってー近づけさせねー」
「そうですね、危険ですし、18禁指定されてますし」
「…って俺?モザイク?」
「あぁ、モザイクモザイク」
そう言って和やかに話ながらも三人は、二人が出ていった先を見つめた。
月は穏やかに辺りを照らしている。
先ほどの中央の広間で起きていた喧噪は止み、周辺より笑い声が響く。
話も弾む宴会が執り行われているようだった。
「話とは何だ」
向かい合わせに座っているに三蔵は問い訊ねる。
は三蔵に向かって頭を下げていてあげる事をしようとしない。
「話があるといったのは、そっちだが」
「……三蔵様、光明様をお助け出来ず、申し訳ありません」
思いがけない言葉に三蔵は訝しげにを見る。
「どういう意味だ」
「10年前ののあの日、光明様が私の住む町に来たおり、光明様に気をつけるよう申し上げました。別れ際に見た光明様には……凶相が映し出されていたからです」
「凶相…くだらんな」
吐き捨てるように三蔵はいう。
「…私も、そう思います。ですが、あの方に見たものは間違いなく死相でございました。私にはいつの間にか、先見の能力が備わっておりました。とは言っても精々、相をみるぐらいで、単なる予知にございます」
は頭を下げたまま三蔵に答える。
「師匠は…光明三蔵は何と言っていた」
「は?」
「その予知に対してだ」
「…穏やかに笑っておられました。人には死すべきさだめがある。いつ死ぬかは神が決めるものではない。自分で決めるものだと。たとえ、それが、悲しみを呼ぶ事だとしても。それが運命と言うのならそうなのだろうと。でも、間違いなく自分が選んだ事なのだから後悔はしないと、おっしゃっていました」
顔を上げ、は三蔵をまっすぐ見つめながら言う。
光明から三蔵へと伝えるように。
あの雨の日。
煩いぐらいの雨の音。
生暖かい、血の雨。
自分の目の前で殺された光明三蔵の姿。
今、再現されているかのように三蔵の脳裏に浮かび上がる。
自分を…自分なんかをかばって死んだ、師匠。
確かに、その死に顔は安らかだったという。
けれど、残された方はどうなる?
後悔はしない。
その言葉はあの人らしいと…感じるけれど。
「気がかりなのは、私を慕ってくれた者の事です。私は、他人が言うほど偉くもなく、そして強くもない。だから、あの子には強くあって欲しいと思うのはわがままでしょうね」
「光明様、その人は光明様が生きていて欲しいって思うんじゃないんですか?」
「そうですね、きっと…いえ、間違いなく思うでしょう。でも、それすらも乗り越えて強くあって欲しいんです。いつか来るべき時の為に。あの子には来るべき時にかまえる力を持って欲しい」
「来るべき時?なんですかそれは…」
「いつか、必ず分かる時が来ます。もしかすると、、あなたも知るかも知れません」
「……光明様」
「もしあったら、私の言葉を伝えてください。強くあって欲しいといつか来るべき時の為に。穏やかにいろというわけじゃない。『もてあますぐらいの強い感情』を持って立ち向かって欲しい。と」
「…はい」
古い記憶。
10年前の別れ際の記憶。
穏やかなあの人はいつも微笑んでいた。
険しい顔をすることがなかった。
いつも穏やかにいられる事はある意味とても『強い』事なのかも知れない。
目の前にいる人はどうなのだろう。
そっとは三蔵を見やる。
この人は眉間にしわを寄せいつも不機嫌そうにしている。
少なくとも初めてあった時から間違いなく不機嫌そうにしている。
今もかと思ったがそうでもないようで少しだけほっとした。
「記憶を呼び覚ましてしまい申し訳ございません」
結局伝えなかった。
目の前にいる人は、強くあろうとしている。
別に自分が伝えなくても大丈夫だと思う。
自分の勝手な思いかも知れないけれど…。
今でなくてもいいとはそう思った。
「いや、別にいい」
の言葉に三蔵は小さく首を振る。
記憶は今だに自分を苛める。
常に付きまとう物なので今更だった。
「あの白鷺は…お前の式神か?」
「はい、力の内に光明様の気配を感じましたので」
三蔵の言葉には頷く。
あの時は別に三蔵の為に飛ばしたのではない。
光明の死を感じたから、光明が誉めてくれた式神を哀悼の意を込めて飛ばしたのだ。
「そうか…」
三蔵は思い出す。
雨の止んだ夜空に一羽の白鷺。
普通、鳥は夜目が利かない。
それなのに、自分を導くように飛ぶそれを三蔵はながめていた。
「一つ、いいか?」
「はい」
「式を…さっきの式神を見せてほしい」
三蔵の言葉にはゆっくりとうなずき、常日頃持っている呪符を一枚取り出す。
「天道晴明、地道安寧…飛翔」
呪符が静かに白鷺に変化する。
そして、ゆっくりと羽ばたきの手より離れ三蔵の手に止まる。
「……西に旅していると行ったな」
白鷺をゆっくりと撫でながら三蔵はに聞く。
「はい…」
「道教の秘術とはなんだ」
「…………『反魂』を…ご存じですか?」
の言葉に三蔵は眉根をあげる。
反魂とは魂を人の体に戻す術。
すなわち、死んだ者を生き返らせる事の出来る術の事だ。
「数か月前、反魂の方法を記した書物が洛陽の白雲観より盗まれました。内部に手引きした者があったようで…。犯人は取り押さえたのですが、すでに書物は行方知れずとなっていました」
「それが西にあるとは限らんと思うが」
「…間違いありません」
「何故、そう断言出来る」
「書物にはある特殊な術を施してあります。それは代々の天道師が行うもの。現在は私の力を施してあります。術を消す事はできません。たとえ何人であろうとも。三蔵様であろうともです。この桃源郷の者では解く事は出来ないでしょう。神でもない限り…。その力を私は感じる事が出来ます。かなり弱い物ではありますが西より感じます」
は静かに西の方角を見る。
もちろん、その力だけで西に向かおうと思っていたわけではない。
ありとあらゆる事が秘術の書物は西にあると出ているのだ。
「随分な自信だな」
「…10年ですから。天道師となってから」
「…奇遇だな。俺も三蔵になってから10年がたつ」
「そうですか…」
沈黙が落ちる。
だが、不思議と気まずい雰囲気ではない。
何故か心地よさを二人とも感じていた。
「…俺達の旅の目的は西の果て、天竺国の妖怪、牛魔王復活の蘇生実験を阻止する事だ」
三蔵はを見ずに静かに言う。
「道教の秘術『反魂術』も関わりあるかもしれん。俺達と来い」
そしてまっすぐを紫暗の瞳で射抜くように見つめる。
…………?
の頭に疑問符が浮かぶ。
「は?」
「それから三蔵様と呼ぶのはやめろ。あと、敬語も使うな!!」
「ちょっと待ってくださいっ三蔵様っ」
「聞こえなかったか、敬語、様をつけるのはやめろと言ったはずだ」
「そう言う問題じゃなくって。あなた達と行くって…」
「西に向かっているんだろう?問題はあるか?」
「ない…ですけど…」
あまりにも突拍子な申し出だった。
そしてあまりにも突然だったから
「……少しだけ考えさせてもらえませんか?」
三蔵にはそう言った。
「なぁ、遅くねぇ?」
「確かに、遅いですね…」
「…大丈夫だよな…」
「まぁ、相手はあの三蔵ですし…」
「ナニかされてたりして」
「大丈夫ですよ、悟浄じゃあるまいし」
「お前ねぇ、人をなんだと思って」
「赤ゴキエロ河童」
「18禁指定動物とも言われてましたっけ?」
「っつーかに対しては出来ません」
「そうですね、あなたの場合、前科がありますし」
そう言って笑った八戒の言葉に悟浄は憮然とする。
「なぁ、ナニがあったんだ?」
「まぁ、悟浄の名誉の為に黙っておきますけどね。後でわかりますよ」
まだその時を思い出しているのか憮然としている悟浄とそれをおもしろそうに見ている八戒を見ながら悟空は話題を変える。
「なぁ、八戒。戻ってきたら言ってもいいよな」
「そうですね」
「どんな反応示すかねぇ」
「俺、すっげー楽しみっ」
「多分大丈夫っしょ?大丈夫じゃないのは三蔵ぐらいで」
「何がだ」
丁度と共に戻ってきた三蔵は悟浄の言葉に顔をしかめる。
「なんの話してたの?」
戻ってきたはどことなくとまどいを見せている。
「なぁ、一ついいか?」
「何?悟空」
「は、西に旅してるんだよな」
悟空の言葉にはうなずく。
「でさぁ、八戒や悟浄と話したんだけど、俺達と一緒に来ない?」
「え…」
悟空の言葉には目を丸くする。
「やっぱ、なんだかんだ言っても女の子だし?一人じゃ危ないでしょ?だからこの俺が守ってあげるからさ」
そう言いながら悟浄はの肩を抱き寄せる。
「あ、あのね…」
「あーどさくさに紛れてにさわんな、エロ河童!!」
「うっせーよ、猿!」
「二人とも、話はまだ終わってないんですが」
「は…、はい」
八戒がニッコリ微笑みながら悟浄はの肩から手を離し、悟空も大人しくなる。
「貴方の実力は、常に足手まといは要らないなんて言ってる三蔵だって納得してるでしょうし、僕や悟浄はすでに知っています。悟空も分かりましたね?」
八戒の言葉に悟空は頷く。
「けれど、やはり女性一人で西まで旅をするのは危険だと思うんですね。それに時間もかかりますし。移動手段があった方がいいでしょう?まぁ、僕達と一緒にって言うのも『ある意味』危険かもしれませんが…。どうです?」
「ちょ…ちょっと…」
の言葉を遮って八戒は言葉を続ける。
「三蔵の意見が不安ですか?大丈夫ですよ。ほら、3vs1の多数決で僕らの勝ちですから」
「違うのっっ。もー八戒、悟浄も、悟空もちゃんと話聞いてよぉ!」
「何?」
の言葉に八戒、悟浄、悟空の視線が集まる。
三蔵は違う方を向いている。
「あのね…三蔵様にも誘われましたーなんて」
その言葉に時が止まったような気がした。
「マジ?」
「うん」
「冗談抜きで?」
「あの三蔵が?」
「陰険な三蔵が?」
「人任せで面倒くさがりの三蔵が?」
「女に興味無しの三蔵が?」
「の事、俺達よりも先に誘ったの?」
並べ上げられた言葉には大きく頷く。
そして、今度こそ本当に時が止まったような気がした。
信じられない。
そう言った視線を三蔵に向けても、当の三蔵は知らんぷりを決め込んでいる。
言い返してこないところを見ると事実なんだろう。
「……信じられません」
八戒の言葉に三蔵以外、すらも頷く。
「聞いたわたしも驚いたから」
「で…返事聞かせてもらえませんか?」
「…少し、時間くれる?」
そう言って、は4人を見渡した。
は自分が使う部屋に向かい、そのまま寝台に倒れ込む。
突然の言葉に混乱したからだ。
4人の申し出は思いがけない事でもあり、そして嬉しくもあった。
八戒と悟浄の二人と最初に仕事をした後、もう一度、逢いたいと思っていた。
そして今日ジープに揺られて思った事はあまりにも居心地がいい事だった。
旅のもう一つの目的。
それは『あるもの』手に入れる事。
その『あるもの』とはの中でなんなのか分かっていない。
でも、ある日突然、喉が渇くようにそれを欲するようになった。
「いつか出あうモノの為に強くおありなさい」
別れ際、光明三蔵がに言葉を贈った時だ。
その時、何かを強く欲した。
その『なにか』が分からずに当時のはひどく混乱した。
何だか分からずに、光明の言葉を思い出すように強くあれるように生きてきた。
その『なにか』は彼等と共に行けば見つかるだろうか。
自問自答する。
答えは…見つからない。
けれども、彼等と行けば見つかるような気がする。
答えは見つからなくても、それでも……。
いつか、必ず、手に入れる事が出来るような気がした。
あとがき
夜編です。
三蔵様に誘われてみました。
……文句不可!!!
三蔵は誘わない!!なんて言うな、誘ったんだもん。
斉天大聖祭。実際にあるかは分かりませんが、斉天大聖は実際に道教で祭られています。邪鬼や悪霊退治に絶大なる威力を持つ神様としてあがめられ、台湾ではこの『斉天大聖』の像が一般宅に貸し出されるそうです。
で、悟空と演舞をやるつもりでした…。
当初の予定では。
でも、ここで時間をとっても仕方ないし、悟空かなりお腹すいてるだろうなって事で、却下。
せめて音楽だけでも、京劇な感じにしようかと思ったらあの京劇でよく聞く音は『孫悟空』では使われないとの事。
その代り、『孫悟空』で使われる、笛子を登場。
…ですが簡単になってしまったが故に1シーンのみの登場となりました。
次が最後、エピローグ。