アンジェリークはキスで確信する。 マリウスはアリオスだと。 この唇の固さも、深いキスも全て彼のそれだ。 そのまま、マリウスはアンジェリークの体に手を這わせる。 ゆっくりと情熱的に。 彼女は彼の息を吸い込んだ。 この香りも、私を包み込む暖かさも、アリオスのものだわ・・・。 どうしても止められねえ・・・! この体も甘い声も、俺のものであった気がする。俺しか知らない・・・。 「んっ・・・!」 情熱に任せて、マリウスは首筋に唇を這わせながら、アンジェリークの衣服を脱がしにかかる。 上半身が露わになり、白い肌が現れる。 シミ一つないまろやかな肌。彼は欲望に駆られた瞳でしばし見惚れた後、胸のまわりにキスの雨を降らせた。 そして、胸の砦のフロントホックの鍵を、口で外す。 それはアンジェリークにとっては衝撃だった。 アリオス・・・! あなたはアリオスだわ!! フロントホックになった理由は、アリオスが望んでのことだった。 それ以来、彼は口で脱がしにかかっていた。 同じしぐさ。アンジェリークは喜びが満ち溢れてくるのを感じる。 胸の砦を外されて、白く豊かな双丘が姿を現し、マリウスは息を飲む。 ゆっくりと持ち上げるように、下から揉みこんで、その柔らかくとろけるような感触に、彼は溺れた。 「綺麗だ・・・」 「ああっ!」 彼が白い丘を舐めあげれば、アンジェリークからは甘い声が溢れ出す。 両方の掌で、アンジェリークの丸みを帯びた胸を、円を描くように愛撫した。 時には回転を変えて、張り詰めるまで・・・。 「あっ!」 跳ね上がる彼女の体をしっかりと抱き締めてやりながら、紅に染め上がった蕾を口に含んだ。 「んっ・・・!」 根元に歯を当てながら、彼は舌先で蕾を出したり引っ込めたりして刺激する。 「あっん・・・!」 左右どちらにも同じ刺激を与えられ、唇を受けていないほうは、手で愛される。 「ああっ!」 その愛撫のし方も、胸に顔を埋めて、夢中になってくれる姿も、全て同じ。 快楽がさざ波のように全身を覆いつくし、寒さではない震えが起こる。 汗がうっすらと肌にまとわりついて、シルクの肌がさらに輝きを増す。 「アンジェ・・・」 その熱を持った声も、呼び方も、全て、アリオスのそれだった。 彼もまた彼女の匂いや、その柔らかな体に、いつも溺れていて、心から愛していたような気がする。 そして、今のように彼女を抱いている自分の影像が脳裏に浮かび上がる。 「俺は・・・、おまえをこうして同じように抱いていなかったか?」 「あなたはいつもこうしていてくれた・・・」 涙を流しながら喘ぐ彼女に、彼は今の自分に疑念を抱く。 俺はアンジェのアリオスなのか・・・? それを確かめるには、アンジェを征服するしかない! 彼はさらに彼女を抱きすくめる。 舌で、唾液まみれになるまで蕾を愛した後、唇を下へと落としていった。 彼女の黒いジーンズに手を掛けて、一気に脱がしていく。 白く長いすんなりとした足を、彼はじっと見つめ、感嘆の声を上げた。 「綺麗だ・・・」 「あっん・・・」 爪先から彼は唇を落としていく。 指一本ずつ丁寧に舐め、足に舌を這わせた。 「大好きっ!」 熱に冒されたように、彼女はうわ言のように呟く。 「俺も好きだぜ? アンジェ」 白い砦にてを掛けたとき、彼はすっと小さな丘を撫で上げると、布越しに、蜜が溢れているのが判る。 「感じてるな?」 耳朶を噛みながら囁くところも同じだった。 「やっ・・・ん」 彼女が小刻みに体を震わせながら、自然と腰を浮かせれば、彼が砦を取り去る。 濡れて深い栗色になった茂みを、彼は優しく撫で上げた。 「んっ・・・」 甘い声がアンジェリークから漏れる。 濡れて怪しく光るそれを、アリオスは指を伸ばした。 「好きよ・・・」 彼は軽く笑うと、乱れたタキシードを総て素早く脱ぎ去って彼女に覆い被さる。 彼が花弁をかき分けると、淫らに水音が響く。 蜜壺に指を入れ、親指の腹で花芯を擦り上げる。 「はあああんっ!」 指で胎内をかき混ぜながら、指で花芯を摘み上げた。 ピクリと体を跳ねる彼女を押さえつつ、マリウスは彼女の体を知り尽くしているかのように、胎内をくいっとひっかいて感じさせる。 「んっ、ああっ!」 シーツをぎゅっと握って、アンジェリークは苦しげに悶えた。それがまた彼を刺激する。 「あっ・・・」 そのまま彼は顔を埋めて、蜜で一杯になったそこを舐め始めた。 「脚開け」 「恥ずかしい・・・」 「おまえはいつも恥ずかしいって言うな? こんなに綺麗なのによ」 そう言いながら、彼は舌を巧みに使った。 アンジェリークは、彼の与える愛撫に翻弄されながら、僅かに残った理性で、彼の言葉を見逃さない。 やっぱり、あなたはアリオス・・・! 脚に手を掛けられて、アンジェリークは素直に開き、彼に蜜で濡れた中心を曝す。 「いい子だ」 甘く囁いて、彼は蜜を音を立てて飲む。 「あああっ!」 舌先で花芯を転がされ、アンジェリークは体を何度も浮かせた。 「はあああっ」 彼女の手をしっかりと握ってやる。 同時に花芯を噛んだとき、アンジェリークは最初の絶頂を迎えた。 彼の熱く高まったものが、濡れた入り口をなぞっていた。 「あっん・・・」 「行くぜ?」 その言葉に、アンジェリークは潤んだ瞳で彼を見つめて頷く。 足の間に、彼は身体を入れて、一気に腰を推し進めていく。 「んっ!!!」 アンジェリークは彼に早く近づきたくて、彼の腰を引き寄せる。 「ああっ!!! 」 彼が完全に胎内に入りきったとき、その窮屈感にアンジェリークは心が切なくも甘い感覚に支配されるのを感じた。 アリオスだ・…。 アリオスもまた、彼女の締め付けに言いようがないほどの快楽を感じた。 この締め付けは、俺が一番好きだった締め付けだ…。 この世で一番愛する女の…!! マリウスは確信する。 俺はマリウスなんかじゃねえ! アリオスだ…! 俺はアルカディア公国の国際警察警部、アリオスだ! 彼の脳裏に一気に記憶が駆け巡ってゆく。 アンジェリークと過ごした、あの甘い日々が、記憶の渦となって蘇る。 彼は何度も彼女を突き上げた。 「アンジェ・…!!」 おまえを苦しませてすまなかった…!! 「アンジェ…おまえをようやく幸せに出来る…!」 突き上げられて半分意識を飛ばしながら、アンジェリークは涙を流しながら、息を乱しながら、それに答える。 「あなたなの? アリオスあなたなの!!」 「ああ、アンジェ、ただいまだ」 「あああっ!」 彼女が感じる場所を一気に擦り付け、アンジェリークは全身を痙攣し始めた。 そしてアリオスも---- 愛する女性の大切なものであることを感じ、何よりも快楽を感じる。 「ああっ!! アリオスっ!!!」 「アンジェ!!!!」 二人はしっかりと抱きあう。 アリオスが熱い愛の証を放ったとき、二人は絶頂を迎え、アンジェリークは失神した。 失神した彼女を彼はしっかりと抱きしめる。 「愛してる・…。 ただいま、アンジェリーク…」 |
コメント
20000番のキリ番を踏まれたnemori様のリクエストで、
「失踪した恋人アリオスを見つけたアンジェだが、アリオスは記憶喪失になっていてアンジェのことが判らなくなっていた」
です。
えっちして思い出しました…。