アリオスさん・・・。 きっと私なんか・・・ アンジェリークは、言われたとおりに、素肌にローヴを羽織ると、ゆっくりと確実とした足取りで、控え室へと出た。 そこにはキャンディが待ってくれていて、アンジェリークをモニターの前の椅子へと進める。 「出たのね? じゃあここで待っていなさい?」 「はい」 やっとのことで彼女は頷き、言われたとおりにソファに腰をかける。 緊張が全身を駆け抜け、アンジェリークは、体が小刻みに震えていくのを感じる。 やだ…。 全身が緊張してきちゃった・・・。 どうしよう… 彼女は自分の身体を抱きしめて、ただ待つことしか出来ない。 見つめる時計の秒針がやけに重く感じる。 「マリアンヌです」 テレビから艶やかな声が聞こえてきて、アンジェリークは身体をびくりとさせた。 「あ…」 そこには、先ほどの艶やかな女とアリオスが一緒に映っているのがわかる。 しかもアリオスもローヴ姿で何もつけてはおらず、髪も艶やかな漆黒になっている。 「エンペラー・・・」 彼女は思わず呟くと、画面を釘付けになって見つめた。 「彼女肌も綺麗に出てるわね?」 背後からキャンディの声が聞こえ、アンジェリークははっとして思わず振り返る。 「これもオーディションの一環。モニターを通じてのカメラテストよ?」 優しい微笑をキャンディは浮かべるが、アンジェリークはさらに緊張してきて笑えない。 胃が引き攣り、それどころではない。 「マリアンヌ、脱げよ?」 艶やかな微笑を浮かべてエンペラーが手招きをすると、彼女も頷いてローヴをはずして、白い裸身を晒した。 映像の映る限りのマリアンヌの肌は美しく、そして玉のように艶やかに見える。 胸も豊かで、スタイルもまるで女神のようだと、アンジェリークは思った。 アリオスが手を広げて、彼女がそこに飛び込む。 アンジェリークは思わず身体を乗り出してみようとする。 だが、その瞬間、映像はぷつりと切れた。 「え!?」 アンジェリークはどうして映像が切れたか判らなくて、じっと真っ黒になった画面を見つめている。 「ここで映像のオーディションは終わりよ。これからは、エンペラーと一対一のオーディション」 キャンディの言葉に、アンジェリークは心の奥底で、醜い炎を燃え上がってしまうのを、感じる。 お願いアリオス・・・。 彼女には何もしないで・・・。 お願い・・・。 お願い…。 アンジェリークはドアを切なげに見つめながら、半分泣きそうな表情をしている。 か細い方がさらに小さくなって、震えているのが、キャンディにもわかる。 思いつめるように結ばれた唇が、キャンディにアンジェリークの淡い恋心を気づかせた。 そうか…。 エンペラーが好きだから、今回志願したのね? こんな純粋な子に好かれて、エンペラーは幸せ者かしら…。 二人はお似合いと思いキャンディはまるで自分の妹のことのように、アンジェリークに目を細めた。 「アンジェリーク、大丈夫よ? 平気だから、エンペラーはあなたが傷つくようなことはしないから…」 リモージュに優しく声をかけられて肩を抱かれると、ほんの少しだけアンジェリークは落ち着く。 だが、切ない想いは胸を締め付けたままだ。 「大丈夫だから、ね?」 「はい…」 答えるものの、彼女は泣くのをやめない。 神様、アンジェはこのまま消えてしまいたいです・・・っ!! ------------------------------- やっぱり、こいつじゃ勃たねえか…。 思ったとおりだな・・・ アリオスは、やはり、美しい女性の裸身を見ても何も感じない自分に、少女への想いを認めざるをえない。 この俺が、一目惚れだったんだからな・・・? 「オッケ。オーディションは終わりだ。ローヴを着ろ」 「はい」 アリオスはいつものように、女を抱きしめて確かめることもなく、そこでオーディションを終わらせた。 マリアンヌは仕方ないとばかりに溜息を吐くと、ローヴを羽織り、オーディション室から出る。 ドアが開き、出てきた彼女を、アンジェリークは切ない眼差しで捕らえた。 どうだったんだろう・・・ アンジェリークは不安で堪らないような小動物のような眼差しをマリアンヌに向けたが、マリアンヌは涼しく勝ち誇ったような表情で、彼女の横を通り過ぎる。 艶やかな笑みを浮かべて。 ・・・やっぱり、エンペラーはあなたを選ぶの!? そう考えるだけで、彼女は、声をあげてあげたかった。 「次ぎ、アンジェリ−ク・コレット!」 オーディション室から、アリオスの声が響き、アンジェリークは足ががくがくと震えてくるのを感じる。 震えは、彼女の全身を襲い、上手く一歩を踏み出すことが出来ない。 「ほら、いってらっしゃい」 「は、はい・・・」 キャンディに背中を押されて、アンジェリークはオーディション室に一歩踏み出す。 神様〜!!!! ドアがしっかりと閉められる音がして、アンジェリークは完全に隔離されたのを感じた。 もう逃げられない。 「あ、あの・・・」 アンジェリークは、大きな青緑の瞳に涙をいっぱい浮かべながら、アリオスをまっすぐと捕らえる。 まるで触れてしまえば壊れてしまうような印象をアリオスに与えた。 アリオスは目を逸らさなかった。 黄金と翡翠が対をなす不思議な眼差しを、じっとアンジェリークに向けている。 「------脱げよ、アンジェ」 挑むように言われて、アンジェリークは逆らえなかった。 彼女は覚悟を決めると、目をつぶりながら、震える手でもたもたとローヴの紐を解き、それを足元に落とした----- その瞬間、きぬずれの音が、艶やかにオーディション室に響く。 「・・・・!!!」 そのあまりにもの美しい裸身に、アリオスはしばし言葉を失っていた----- |
コメント
chatで生まれた、
「アリオスAV監督、アンジェ女優」物です。
ははははは。
中々オーディション本編に進みません(笑)
次回から行きますので(笑)
AV女優誕生か!?
これって犯罪かな〜。