C'est Toi

24


 翌週の晴れた日曜日、アンジェリークの引っ越しが正式に行われた。
 アリオスはアンジェリークの家財道具を一切合切自分の邸宅に運ばせる。
 慌ただしい引っ越しに、アンジェリークは大家に挨拶をしたりして、ぱたぱたとした。
「アンジェ、これでおまえは、もう俺以外に帰るところはねえからな」
「・・・うん」
「幸せにする」
 車の中で、しかも白昼、本当に誰が見ているか判らないのにも関わらず、アリオスは堂々と唇を奪ってくる。
 その俺様な強引さが、アンジェリークには堪らなく素敵に感じるのは、やはり惚れた欲目だろうか。
 たっぷりと深いキスをした後、アリオスはぎゅっと抱き締めてきた。
 アンジェリークには、彼の下半身がしっかりと反応しているのが判り、驚く。
「おまえは媚薬だぜ、まったく・・・。すぐに俺を反応させちまうんだからな」
 アリオスは艶やかに低い声で甘く囁くと、耳朶を噛んだ。
「やん・・・。お引っ越しの最中なのに」
「我慢するぜ。その代わり、今夜は覚悟するんだぜ?」
「もう・・・」
 恋人の甘い囁きに、アンジェリークははにかまずにはいられない。
 何とかアリオスは理性で欲望を抑えて、引っ越し作業を手伝うのだった。

 あまり荷物がなかったせいか、アンジェリークの引っ越しは、すぐに終わり、昼過ぎには全て終了とあいなる。
 手伝ってくれたアリオスに感謝を込めて、アンジェリークは精力のつく韓国風冷麺を作ってやった。
「アンジェ、これ食ったら判ってるだろうな? 一緒にシャワーだぜ」
「うん・・・」
 この後にどんな淫らで濃密な時間が待っているか、判らないアンジェリークではない。
 掠めるようにアリオスに太股を撫でられて、アンジェリークは甘い吐息を吐いた。
 ふたりきりの幸せな時間に割り込むかのように、不意に電話が鳴り響く。
 アンジェリークのジーンズのファスナーを外したところだったせいか、アリオスのイライラは募った。
「待ってろよ」
 アリオスはしょうがないとばかりに立ち上がると、不機嫌にも電話に出る。
「はい、俺だ」
 その不機嫌な声に、電話の主は一瞬たじろいだ。
「え、あ、エンペラー、エルンストです」
「何だ」
 ここまでアリオスが機嫌が悪いと言うのは、やはりアンジェリークとの時間を邪魔されたからと言うのは、すぐに理解できる。
「----急なのですが、新しいプロジェクトの打ち合わせが入りましたから、アンジェリーク共々会社に来て下さい」
 エルンストはなるべく冷静に、事実だけを淡々と伝えた。
「ああ、判った。シャワーを浴びてから行くから、少々待ってもらってくれ」
 その言葉尻から、アリオスがかなり怒っているのは明白だ。
「はい。何とか場は繋ぎますから、お早くお願いします」
「ああ。じゃあな」
 アリオスは電話を切ると、すぐにアンジェリークの元に向かった。
「アンジェ、メシ食ったら、シャワーを浴びて、すぐに仕度する。仕事が入ったからな。一緒に事務所に行くぜ」
「はい」
 慌てて、前を外されたジーンズを整えようとして、アリオスに制される。
「一緒にシャワーを浴びて、時間短縮だ」
 その意味を深読みして、アンジェリークは頬を赤らめた。
「するの?」
「さっきおまえも感じただろ」
「・・・うん」
 恥ずかしそうに俯くアンジェリークを、アリオスはぎゅっと抱き寄せる。
「さっさと食っちまおうぜ」
「あん」
 残った冷麺をするすると食べて、食器を食器洗い乾燥機に入れてしまうと、アリオスはアンジェリークを連れて浴室に向かった。
「今日は時間がねえからな。とっととやっちまうぜ」
「やんっ」
「ジーンズとかパンツ類は脱がしにくいな」
 アリオスが少し苛立ちを覚えているのが、アンジェリークはおかしくてくすりと笑った。
「私、自分で脱ぐわよ?」
「俺に脱がさせろ」
「はい」
 子供のように苛立つアリオスを可愛いと感じながら、アンジェリークはくすりと笑って、アリオスに身を任せる。
「笑ってるのは今のうちだけだぜ? 今日の俺は我慢し過ぎて”獣”だからな」
「我慢って、今朝だって・・・」
「あれじゃ足りねえよ」
 アリオスは一気にアンジェリークのジーンズを下ろしにかかった。
「こんな脱ぎ方嫌だ・・・」
「脱げたらどうだっていいだろ?」
 強引にTシャツと下着も脱がされて、アンジェリークは喘ぐ暇など与えられない。
 裸にされて立たされているのが、妙に恥ずかしい。
 自分のは、やはり馴れているようで、アリオスはすぐに服を脱いでしまった。
「ほら、行くぜ」
「うん」
 アリオスに手を引かれる形で、バスルームに入っていく。
「手早くシャワー浴びようぜ。時間がねえからな」
「もう・・・」
 アリオスは浴室に入るなり、シャワーを勢いよく出す。
「お互いに汗をいっぱいかいたから、たっぷり浴びねえとな」
 素早く清涼感のあるボディソープを手にとって、泡立て始める。
「お互いに洗いあいっこしようぜ」
「うん」
 お互いの手を泡だらけにして、躰を洗い始めた。
 少しずつ互いの息が上がっていく。
「ここもいっぱい汗をかいただろ?」
「んんっ、やだっ」
 胸の谷間に手を這わせて、アリオスはアンジェリークの滑らかな肌を洗い上げた。
「・・・やだ、もう・・・」
 アリオスの腋の下を洗う手が、わずかばかり震える。
「ちゃんと洗えよ」
「あっ、んんっ!!」
 意地悪に囁きながら、アリオスは乳首の先を摘んだ。
「やあんっ!」
「良い声してんな、おまえ。どれ、こっちはどれぐらい汗をかいた?」
「やだ、そこっ」
 熱く反応し始めたアンジェリークの襞は、ぴくぴくと動きながら、熱い蜜を垂らしている。
 花肉を摘むと、更に蜜をしたたらせた。
「何だ? まだ汗かいてるのかよ?」
 相変わらずアリオスはそのゴールドフィンガーでアンジェリークを意地悪にも翻弄する。
「汗じゃないもんっ!!」
 否定をするものの、もう立っていられないほど甘い痺れに支配されていた。
「アリオスっ!!」

 …エンペラーの指が私の胎内に…っ!!

 胎内に侵入してきたアリオスの長い指でかき回されて、アンジェリークは無意識に腰を振ってしまう。
 浴室内には、アンジェリークの淫らな水音が響き渡った。
「あっ! んんっ!!」
 アンジェリークは甘い痺れの中、アリオスを洗おうとして、熱いモノを握り締める。
「アンジェ・・・っ」
 アリオスの息が僅かに乱れた。
 いつものモノよりも昴まって熱く、もうすっかり準備は出来ている。

 …欲しくてたまらねえ…。
 アンジェがたまらなく欲しい…!!!

「アンジェ・・・」
 いきなり足を大きく開かされ、アンジェリークは準備の整ったものを思わず手放した。
「あっ、いやんっ・・・!!!」
 手放したモノが、そのまま胎内に侵入してくる。
「んっ、ああっ・・・!!!」
 いつもとは違った角度で攻められて、アンジェリークはアリオスにしがみつくしかなかった。
 力強くて熱いモノで、アンジェリークの胎内はいっぱいになる。
「んっ、んっ! ああっ!」
 息を吐く暇もなく、アリオスは激しく突き上げてきた。
「ああっ!!」
「やっぱりおまえは最高だ・・・」
 アリオスは息を乱しながらも、容赦なくアンジェリークを突き上げて、感じる場所を集中的に攻める。
 下半身の力が抜けてしまい、立っていることがやっとのアンジェリークを、アリオスは支えてやった。
「あっ、ああっ、ああんっ!!」
 力強いアリオスの愛撫に、アンジェリークは思考を真っ白にして、何も考えられなくなる。
「アンジェ・・・っ!」
「あっ、ああ、アリオスっ!」
 アリオスが渾身の力で突き上げると、アンジェリークは高みまで舞い上がり、意識を暗転させた。


「おはようございます、エンペラー、アンジェ」
 ふたりが仲良く、事務所に出勤すると、レイチェルがにやにやにやと笑いながら出迎えてくれる。
「おはよう」
 アリオスはあくまでクールにレイチェルの横を通り抜け、アンジェリークはその後ろをちょこまかとついていく。
「おはよう、レイチェル」
 隣りにアンジェリークが通ると、レイチェルは余計ににんまりと笑った。
「アンジェ」
「何?」
「エンペラーと同じ匂いがするよ〜」
 その瞬間、アンジェリークは耳まで真っ赤になり、俯く。
 湯気が出そうな雰囲気に、レイチェルは可愛くてしょうがなかった。
「アンジェ、会議室だ。行くぜ」
「あ、うん…! あ、レイチェルまたね」
「うん、またね〜!」
 アリオスに引っ張られるようにして、アンジェリークは会議室の中に入っていく。

 ったく…。
 エンペラーはすっかりアンジェに夢中よね〜

 会議室に入ると、そこには見慣れないスタッフが数人来ていた。
「これは、アリオス監督!」
 立ち上がった男とアリオスは軽く挨拶を氏逢うと、名刺の交換を始める。

 何が始まるのかな…。

 一通り挨拶を終えた後、アリオスはアンジェリークに手招きをする。
 隣りに行くと、しっかりと腰を抱かれる。
 それがまた心地よかった。
「アンジェ。新宇宙企画で今度ゲームを創ることになった。実写の女性向けの18禁ゲームだ。おまえは、そのプレイヤーの分身をするんだぜ?」

 え〜!!!!
 嘘!!!

 アンジェリークはその話を聞くなり、驚いて目を丸くする。
 新宇宙企画では新たなプロジェクトが、動き始めていた-------

コメント

chatで生まれた、
「アリオスAV監督、アンジェ女優」物です。
久しぶりの更新です。
アンジェちゃん初仕事が決まりました。
頑張るでしょう(笑)
相手役は勿論…ですよ〜。