C'est Toi

22


 突然、アリオスは愛撫を止めると、アンジェリークにローウ゛を掛けた。
「アリオス?」
「カメラテストは中止だ」
 彼はそれだけを言うと、立上がり、ローウ゛を羽織った。

 ・・・そんな・・・。
 私は、エンペラーにとったら”ローズ以下”ってこと・・・?

 ショックだった。
 身体がほんの少し震えるのを感じる。
「アンジェ、早く着替えて来い。セックスの続きは家でする」
 アンジェリークは動けなかった。
 全身に悔しさが滲んできて、泣きたくなる。
 彼を潤んだ瞳で見つめると、彼女は恨めしげに見た。
「・・・。やっぱり、私じゃ、だめなんだ・・・。私なんかいらないんだ・・・」
 唇を噛み締めると、アンジェリークは思い詰めたように部屋から駆け出そうとする。
「待て!」
 アンジェリークの思い詰めた表情に、アリオスははっと息を呑み、慌てて彼女の華奢な腕を掴んだ
「嫌・・・、放してっ!」
「ダメだ!」
 じっと彼女の眼差しを見つめると、大きな瞳が涙でいっぱいに潤んでいる。
「・・・私なんか、エンペラーはいらないんでしょう? だったら私は消えたほうがいいもの・・・」
「消えさせねえ!! おまえはずっといるんだ・・・」
 アリオスはアンジェリークを抱き寄せ、その腕の中に閉じ込めてしまう。
「・・・放して、だって、私・・・、あなたが他の女性とするのは、見たくないもの・・・。嫌だもの・・・。だから・・・」
 もうこれ以上は言葉はいらないとばかりに、アリオスは優しい笑みを浮かべると、アンジェリークに深いキスを送る。
 包み込むような甘いキスに、彼女は抵抗する力を奪われてしまった。
「あっ・・・、いや・・・」
 甘い声の抵抗なんて説得力のかけらもない。
 震える彼女を抱き上げると、アリオスはベッドに戻った。

「いやっ! 帰るんだから、おうちに・・・! 私のアパートに・・・!」
 足をばたばたとさせて、アンジェリークは最後の抵抗をするが、アリオスには通じない。
「おまえは、ずっと俺のそばにいろ。・・・返さない!」
 きっぱりと情熱的に言われて、アンジェリークはぴたりと暴れるのを止めた。
「アリオス・・・、そばにいていいの?」
 潤んだ眼差しを、彼女は切なげに投げ掛ける。
「ああ。そばにいろ」
 アリオスはぎゅっと抱き締めると、耳元で強く囁いた。
「うん、そばにいたい・・・」
「アンジェ・・・」
 アリオスは再びローウ゛をはぎ取ると、アンジェリークの甘い肢体を愛し始める。
「あっ・・・!!」
 胸を揉みこまれれば、彼女の唇からは極上の甘い声が漏れた。
 身体に再び甘い戦慄が流れ込む。
「アンジェリーク・・・」
「あっ・・・!」
 蕾を何度も舌で転がされる度に、アンジェリークは甘い声を上げずにはいられない。
「お前の肌がこんなに綺麗に染まることを、誰にも見せたくねえ…。
 俺以外には晒したくねえんだ…。
 アンジェ…、おまえは俺だけのものだ・・・。映像なんかで晒させない…」
「アリオスっ・・・!」
 身体をのけ反らせながら、愛撫に彼女は溺れた。
 彼がカメラテストを止めた本当の理由。
 それが、独占欲からだと判り、胸が苦しくなるほど嬉しかった。
 彼の指が下に滑り落ちていく。
 先程から攻め立てられ、アンジェリークの秘所は蜜でべっとりとしている。
 彼の指が中心部分を突く。しびれるような感覚が、彼女を襲った。
「あ、ああっ!」
 高らかな声を上げながら、アンジェリークは腰を振り始める。
 アリオスから情熱的な言葉を囁かれた後のせいか、彼女は感じやすくなっていた。
 固くなった宝石を摘めば、とたんに美しい身体は跳ね上がる。
「あっ、ああんっ!」
 指先でいじりながら、襞を刺激してやると、アンジェリークは恍惚とした表情となった。
「ああっ!」
 長い指が、胎内をぐるりとかき混ぜる。
 その感覚は甘く切なかった。
「アリオス・・・っ!」
 足を大きく開かされた上に、熱く熟れた部分に彼は唇を這わせてくる。
「あっ、ああんっ!」
 舌の心地が良すぎて、涙を流した。
 腰が淫らに動いていく。
 もう快楽は目の前まできている。
「あ、あああっ!!」
 懇願するかのように腰を振るアンジェリークを見、満足そうに笑うと、アリオスは濡れた場所から顔を上げた。
「アリオス…」
「最高の世界を味合わせてやるぜ?」
「ありっ!!!」
 彼は彼女の脚の間に身体を入れると、そのまま熱いものを、濡れた場所に宛がう。
「は、ああああっ!!!」
 求めていた場所にぴったりと納まる彼に、彼女は満足そうな嬌声を上げる。
「ああっ!!」
 じかに伝わる熱は初めてだった。
 アンジェリークは驚いたようにアリオスを見つめる。
 彼は微笑んだだけだったが、次の瞬間から、アンジェリークは言葉が発せなくなった。
「あっ!!! ああああん!!」
 初めて感じる直の熱さと力強さ。
 アンジェリークは腰をくねらせながら、その熱に喘ぐ。
 頭の芯が痺れてきて、身体が何度も揺さぶりをかけられた。

 …私、アリオスを直に感じているんだ…

「あああっ!!!」
 彼がほんの少し動くだけで、酷く感じる。
 しっかりとアリオスを締め付けて、この熱がどうか逃げていかないようにと頑張る。
「アリオス・・・っ!!!」
「アンジェっ!!」
 お互いに補いたいところを補い合いながら、二人は夢のような感覚になった。
 アリオスはアンジェリークをしっかりと揺さぶり、彼女は彼を強く締め付けている。
「はあ、ああ、ああああっうう!!!」
「アンジェ・・・っ!!!」
 お互いに快楽に向かって進みあう。
 愛し合うものとして。
 男女として------
「あっ、あああ--------!!!!!!!」
 手をしっかりと握り合う。
 二人は、最高の高みに今、上り詰めた------
 お互いが最高のパートナーであることを、再度確認しあう。
 熱いものを交換し合い、真の意味で”ひとつ”になるのだった。

 もう離れられない・・・。
 もう離れたくないから…。

 意識をそのまま失い、アンジェリークは暫くの間眠っていた。
 次に目を覚ました時は、アリオスが見つめてくれている。
「アリオス…」
「おい絶対に家には帰さねえからな?」
 ぎゅっと抱き締められ、彼の腕の中でアンジェリークは幸せな溜息を吐いた。
「うん・・・。ずっとあなたのそばにいたいから…」
「アンジェ…」
 アリオスは澄んだ眼差しをアンジェリークに向ける。
「-------愛してる」

 アリオス…!!!!

 次の瞬間、アンジェリークは嬉しさのあまり、彼の胸の中で泣き出し、暫くの間泣き続けていた------

コメント

chatで生まれた、
「アリオスAV監督、アンジェ女優」物です。
少し物語が進みました。
果たして二人の運命は!?(笑)