アンジェリークのカメラテストに向けて、照明などのセッティングが始まる。 「アンジェ、おまえは風呂にでも入ってこい。俺もシャワーを浴びて、”エンペラー”になってくるから」 「はい」 スタジオの奥にある女優用のバスルームに入ると、アンジェリークは溜め息を吐いた。 もう、後には引けないわよね・・・。 だけど、ローズとアリオスが一緒なのはもっとイヤ・・・!! 彼女は意を決すると、熱いシャワーを浴びて肌を磨きにかかる。 念入りに風呂に入った後、髪を乾かしローウ゛を纏う。 その下には何も身につけないのが決まりごとだ。 他のスタッフに肌を見せるのは嫌だが、アリオスがローズを抱くのは更に嫌悪感がある。 「アリオス、なるべく守ってね・・・」 ぎゅっと身体を抱き締めると、彼女は頬を薔薇色に蒸気させながらスタジオに入った。 スタジオはすでに空調や照明、カメラの準備は整っていたが、スタッフは誰もいない状態だ。 「出来たか?」 心地好い声に導かれて振り返ると、そこには”エンペラー”になったアリオスがいた。 「アリオス、他のスタッフは?」 「カメラテストだから必要ねえ。監督は俺だから、それもいらねえしな」 それはアリオスなりの配慮だった。 まだ、初めてのことである彼女を馴れさせる為でもあった。 「本番はカメラマンや照明が入るから、人がいっぱいになっちまう。 ある程度の覚悟をしておいてくれ」 「うん・・・」 やはりカメラや照明を前にすると、多少の緊張は否めない。 「カメラの前でセックスするのは初めてだろうが、俺が付いてるから、いつものようにすればいい…」 ぎゅっと抱き締めてもらうと、アンジェリークは安心するような気がする。 「うん、有り難う・・・」 アリオスはなるべくアンジェリークの気持ちを甘く高まらせる為に、華奢な身体を抱き上げてベッドに運ぶ。 そこに座らせて、抱き締めてやった。 「アリオス・・・」 彼の腕の中にいると、ゆっくりと緊張で固まった身体がほぐれていく。 彼の肌の熱さを感じるだけで、アンジェリークは胸を撫で下ろした。 そっとベッドに寝かされる。 ”エンペラー・レウ゛ィアス”としての彼に憧れていたところもあるのに、どこか切なかった。 それは彼女が生身の彼にどうしようもなく恋をしているから。 彼女は徐々にその気持ちに気がつきつつあった。 「エンペラーは、映画で何人の女の人を抱いたの?」 今にも泣き出しそうな眼差しで見つめてくる彼女に、アリオスは深い眼差しで応えてやる。 「まあ、500人は下らねえな」 「そう・・・」 切なそうな表情をする彼女を、彼は慰めるかのように優しく抱き締めた。 「どれも愛なんて籠っちゃいねえよ。本気出して抱くのはおまえだけだ…」 ローウ゛の前を彼が開けると、ほんのりと蒸気をした彼女の肌が、美しく輝いている。 「今度の脚本はもう考えてあるんだぜ?」 「どんな内容なの?」 彼は頷くと、指先で露わになった肌を官能的になぞっていった。 「あっ・・・」 「おまえの為に書いたストーリーはボディガードの話だ・・・」 「んっ、あっ、ボディガード・・・」 甘い声を上げながら、アンジェリークは言葉をとぎれがちに言う。 それもそのはずで、アリオスは指先で胸の蕾を愛撫していたからである。 「------男は、ある任務で心に傷を負い、捜査官からプリンセスのボディガードになる。 プリンセスは”天使”と国民に慕われるほどの人物で、男はすぐに惹かれる。 だが、心に深い傷を持った男は、彼女を愛しているがゆえに遠ざける。 が、プリンセスはそんなことではへこたれなかった。 彼女もまた男に魅力を感じ、彼の傷を癒していく・・・」 「ああっ!」 ”素敵な話”と言おうとしたが、同じタイミングで、アリオスが蕾に吸い付いたものだから、彼女は甘い声を上げた。 「ちなみに、おまえの兄の役がオスカーで、その妻がリモージュで、連作になる予定だ」 「んっ、・・・、ああっ!!」 素晴らしいアイディアだと思うが、アリオスの与えてくれる官能のお陰で、アンジェリークはもう言葉を繋げることが出来やしなかった。 彼女は、すっかりアリオスの腕の中でリラックスし始めている。 彼の紡ぎだす官能の世界にいつもの様に溺れ、何も考えられなくなっているのが良かったかもしれなかった。 だが、アリオスは違っていた。 彼はいつものAV撮影と違い、複雑な気分だったからである。 アンジェは相手役に申し分ねえ…。 いや、これほどの相手はいねえ… だが… 回されているカメラを、アリオスはちらりと見つめた。 いくら女性向とはいえ、男も見る場合がある…。 あいつの肌を他の男に晒して、俺は我慢できるんだろうか… アリオスの胸の奥からふつふつと嫉妬深い感情が湧きあがってくる。 彼は急に愛撫を止めると、アンジェリークをじっと見詰める。 「アリオス…?」 急に止まったので、アンジェリークも驚いたように彼を見つめた。 俺は、アンジェリークの肌を誰にも晒したくねえ…。 アンジェは、俺だけのもんだ… アリオスは初めて気づく。 アンジェリークに、深く狂おしいほどの独占欲を持っていたことを------- |
コメント
chatで生まれた、
「アリオスAV監督、アンジェ女優」物です。
甘い新婚さんのような同棲です。
いつまで続くのか(笑)
今のところまったり連載中。
終わりもわからんがいつまで続くのか(笑)
このAVみたい方いますか(笑)
エンペラーさんはとっても素敵ですが(笑)