C'est Toi

13


 屋敷と呼ぶのにふさわしいほど、アリオスの家は立派だった。
 彼に、”お姫様抱っこ”をされながら、アンジェリークは家を見て回る。
 ほんの少し、彼と結婚をした気分になり、とても嬉しい。

「バスルームは自由に使ってくれればいいからな?」
「はい」
 見せられたバスルームはシンプルだが、とても広い。

 アリオスさんと入っても、十分な広さよね。

 そう考えた瞬間、アンジェリークは、顔を真っ赤にした。
 彼女が何を考えたか、すぐにお見通しの彼は、耳朶にキスをして、耳元で囁く。
「期待してるからな?」
 彼女は真っ赤になってすっかり俯いてしまった。

 次はキッチン。
 余り使っていないのか、ぴかぴかで、最新のシステムキッチンが入っている。
「ここも勝手に使ってくれて構わねえ。俺は遅くなることも多いから、適当にメシ作って食ってくれ?」
「はい」
 ひとりの食卓だと思うと、少し寂しくて、力なく頷いた。

「最後はおまえが使う部屋だ」
 アリオスに二階に連れていかれ、アンジェリークは期待で胸を膨らませた。
 部屋は、客間のようだった。シンプルで生活感のない、ホテルのような部屋。
 ベッドは寝心地が良さそうで、ふかふかとしてそうだ。
 ベッドの上には、真新しいクリーム色のネグリジェがある。
 アリオスに腕から下ろされて、アンジェリークは真っ先にベッドの上に乗った。
「ふわふわ!」
 アリオスは、無邪気な彼女に笑いながら、荷物をクローゼットに直してやる。
 ぽんぽんと座りながらベッドの上を弾む彼女の横にアリオスは腰を下ろす。
「代えのシーツや制服、当面の下着や服は、クローゼットの中に入ってるし、洗濯機と乾燥機は、洗面所の中だ」
「はい・・・」
 アリオスは、軽く顎を持ち上げると、軽く唇にキスをしてくる。
「アンジェ・・・」
 甘いキスは、アンジェリークを甘い雰囲気にさせるのに十分だった。
「ここで寝るのは、昼寝とか、夜寝るのはお互いに風邪などで気分が悪いときだけだ・・・。
”同棲”だからな? もちろん俺のベッドで一緒に寝るのが基本だ」
「はい・・・」
 彼の温もりに毎晩包まれて眠るのが嬉しい。
 アンジェリークは、頬を染め上げて、一度だけこくりと頷いた。
「腹減っただろ? 体力をつけてもらわなきゃならねえからな?」
「食材があれば作りますけど?」
「今日は無理すんな? ちゃんとデリバリーを頼んでおいたから。
 明日から頼むからな?」
「はい」
 アリオスは一階に降り、キッチンでデリバリーを待つことにした。

 デリバリーを、アリオスが受け取ってくれ、テーブルの上に並べてくれる。
 夜遅いということもあり、胃に優しく、しかも、栄養価も高い中華粥だった。
「美味いぜ? ここの”薬膳粥”は。身体にいいからな?」
 彼はここまで言った後に、彼女の耳朶に唇を寄せる。
「精力もつくらしいぜ?」
「もう・・・」
 真っ赤になって俯く彼女が可愛らしくて、アリオスは柔らかく微笑んだ。

 お粥も食べ終わり、二人はデリバリーの後片付けを仲良くした後、少しだけテレビを見た。
 男と一緒に夜を過ごすのは初めてなアンジェリークは、妙に緊張してしまう。
 畏まってテレビを見ている彼女が可愛すぎて、アリオスは腕の中に閉じ込めた。
「あっ・・・」
「AV見ようぜ? もちろん、うちのな?」
 アンジェリークは、少し戸惑ったような表情をすると、アリオスを見つめる。
「エンペラーのはいや・・・」
「なぜ?」
「・・・あなたが・・・、他の女性(ひと)を抱いているのは、いや・・・」
 最後の声は消え入るようだった。
 不意に彼が立ち上がる。

 怒ったんだ・・・。
 こんな所有物のような発言をして・・・。

 肩をしゅんとさせて、アンジェリークは、うなだれる。
「きゃっ!」
 無言でアリオスはアンジェリークを抱き上げると、テレビを消し、二階へと連れて行く。

 相当怒ったんだ・・・、きっと・・・。

 アンジェリークは、嫌われるのが恐くて、小さな身体を小刻みに震わせる。
 彼女の予想を反して、アリオスは自分の寝室にアンジェリークを連れていった。
 彼女をベッドに座らせるなり、アリオスは異色の瞳でアンジェリークを捕らえる。
「脱げよ?」
 指先で身体をなぞりながら、アリオスはきっぱりと言った。
 逆らえるアンジェリークではなく、彼女は唇をきゅっと噛むと、ワンピースをゆっくりと脱いだ。
 下半身は下着を付けていない。
 ワンピースを脱いだだけで、栗色の茂みが露わになる。
 それがとても美しくて官能的で、アリオスは見惚れずにはいられない。
 アンジェリークは指を震わせて、ブラジャーを外した。
 泣きそうな瞳をしているアンジェリークが堪らなく欲しい。
 もう理性は限界だった。
「あっ!」
 彼に激しく抱きすくめられ、そのまま押し倒される。
「おまえがあんまり可愛いことを言うから、我慢できなくなっちまっただろ?」
「怒ってないの?」
 アンジェリークは、彼に求められるのが嬉しくて、また、びっくりもする。
「怒るわけねえじゃねえか…。あんな可愛いこと言われて・・・。
 今夜はゆっくりさせてやろうと思ったが、予定変更だ…。
 とことんまで付き合ってもらうぞ?」
「ああああっ!」
 シーツの海とアリオスに、アンジェリークは溺れ始めた----

コメント

chatで生まれた、
「アリオスAV監督、アンジェ女優」物です。
アリオスさん絶倫28号(笑)
流石はAV男優!!!
腰が違います!