C'est Toi

12


 お風呂から上がり、必殺技を掛けられたこともあり、アンジェリークはかなりぐったりときていた。
 それでも身体中が喜びに満たされて、とても嬉しい。
「ワンピースを用意した。制服もちゃんとプレスしておいたからな?」
「はい・・・」
 幼子のように見つめてくる彼女が可愛くてしょうがない。
 アリオスは、愛しげに彼女を見つめて栗色の髪を一房取り、それに軽く口づけた。
「おまえ、最高だぜ?」
 真っ赤になって俯いた彼女が可愛い。
 アリオスは再び、欲望を奥底まで沸き上がっていくのを感じる。
 だがそれをなんとか押さえて、彼女にワンピースと下着を渡した。
「これに着替えろ?」
「はい・・・」
 受け取ると、アンジェリークは恥ずかしそうにもぞもぞとする。
「アリオスさん、ひとりで着替えたい・・・」
「ったくおまえは恥ずかしがりやだな? もう何発もやったのにか? これより恥ずかしいこと、いっぱいしただろ?」
 アリオスの艶やかな囁きは、アンジェリークの全身を艶やかに染め上げるのには、十分だった。
「あっ・・・」
「そこがおまえの堪らなく可愛いところだけどな?」
 鼻に軽いキスをした後、アリオスは隣の部屋に行き、そこで服を着る。
 彼は服を着終わり、隣の部屋をノックした。
「アンジェ?」
「あっ、アリオスさん・・・、あのね、ちょっと来て」
 甘えた少し恥じらいのある声で呼ばれたので、アリオスは静かに部屋に入っていく。
 ワンピース姿の愛らしい姿になったアンジェリークが、泣きそうな顔をしていた。
「アリオスさん・・・、あのね?」
「何だ?」
「・・・布が擦れて痛くてぱんつがはけないの・・・」
 あまりにも可愛いしぐさと、自分が彼女をここまで征服したという充足感が、彼を再び欲望へとかき立てた。
「車に乗るから、はかなくてもかまわねえよ?」
「うん・・・」
 アンジェリークは頷き、立ち上がるが、やはり歩き方がおかしかった。
 苦笑してしまうアリオスである。
「始末するから、待ってろ?」
 その意味を考えるだけで、彼女は火が出るほど熱くなる。
「私も手伝います」
 彼に抱きまくられたとは言え、彼女は、愛し合った後の後始末をした。
 それで何度彼に抱かれたかが判り、真っ赤になる。
 アリオスも、ひとりに短期間にこれだけ抱きまくったのも初めてだと感心してしまう。
 綺麗に片付けをし、アリオスはアンジェリークの荷物をまとめ、事務所の戸締まりをした。
 もちろん、彼女の荷物は持ってやる。

 車に乗り込み、一息ついたとき、彼が声を掛けてきた。
「今夜は俺のところに来い」
 その言葉に、アンジェリークは頬を僅かに赤らめた。
「アリオスさんの家?」
「そうだ。俺の家だ」
 嬉しかった。彼の家に行くと思うだけで、心が最高に晴れ上がる。
「第二次審査は合格だ。おまえは十分やって行ける」
 頬を赤く染め、アンジェリークは嬉しそうに彼を潤んだ瞳で捕らえた。
「おい、運転中だぜ? そんな目で見られたらしたくなっちまうだろ?」
 信号待ちになり、アリオスは甘く耳朶を噛む。
「もう・・・」
 はにかむ彼女が誰よりも愛らしい。

 これじゃあ、もう絶対に放したくなくなるじゃねえか・・・。

「これからまだ、最終審査があるぜ?」
「まだ?」
 思わずアンジェリークは言ってしまった。
「ああ。もうひとつだからな?」
 さっと太股に手が触れて、アンジェリークはほんの少し息を乱す。
「あっ・・・、最終審査は・・・?」
「最終審査は、俺と一月間”同棲”だ」
「えっ・・・!!」
 想像だにしていなかったアリオスの提案に、アンジェリークは、驚きを隠せない様子だ。
「同棲ですか?」
「そうだ。その間に、おまえには給料が支払われる」
 アンジェリークは一瞬夢を見た。彼と暮らす温かな光景を。

 二人で朝ごはんや夜ごはんを食べて、一緒に寝るの。
 なんて温かな素敵な風景…。

「判りました」
「サンキュ。おまえは最高に良い女だぜ?」
 また信号で車が停止し、今度は、アリオスの手が胸をかすめた。
「あっ・・・」
「明日、当面の荷物を取りに行こう」
「はい・・・」
 彼が肩を抱くと、自然に身体が傾き、アンジェリークは頭を胸にもたらせる格好になる。
「あっ、ごめんなさい!」
 恋人がするようなしぐさになってしまい、彼女は恐縮した。
「構わねえよ。遠慮すんな。おまえは、甘えても可愛いんだからな?」
 殺し文句とも言える言葉に、アンジェリークは頷くと、恐る恐る彼の胸に頭を凭れさせてみた。
「そうだ、素直になれ、アンジェ・・・」
 アリオスは彼女の重みを心地よく感じながら、車を自宅に向かって走らせた----


 彼の自宅は、一家族が住むには充分の一軒家だった。
 緑の屋根に白い壁。
 とても可愛らしい雰囲気だ。

 ここでアリオスさんと暮らすなんて夢みたい…

 アンジェリークは、暗闇の中で家を見るなり、満足げな溜息をついた。
「さてと、行くぜ?」
「うん…」
 アリオスは先に車から降りると、彼女を抱き上げて、家の中へと運ぶ。
 彼女はうっとりと彼の首に手をまわすと、これからの一ヶ月間の、幸せな”未来予想図”を描いていた----- 

コメント

chatで生まれた、
「アリオスAV監督、アンジェ女優」物です。
今日、ス●ーツ新聞読んでたら、「某AV女優に童貞を捧げる男性募集!」
と書かれていた(笑)
チェリーボーイ♪
うちのアリさんには絶対無理な企画。
あ、それに彼は「アンジェバカ」やからだめか(笑)