C'est Toi

10


 目を開ければ、目の前にアリオスがいて、じっとこちらを見つめているのが判る。
「あっ、エンペラー・・・」
「アンジェ」
 アリオスは瞼にキスをすると、ぎゅっと彼女を抱き締めてくる。
 初めてを捧げてくれた彼女が可愛くてたまらない。
 きっと勇気がいったに違いないのに、彼女は全てを捧げてくれた。
 これ以上のものはないとばかりに、彼は愛しさを爆発させる。

 薄型安全ゴムはあといくつあったけな・・・。

 アリオスはすっかり夢中になってしまった、アンジェリークの砂糖菓子のような肢体を見つめ、邪な考えを思い浮かべる。

 何発でも出来るぜ?

「あっ、アリオスさん・・・、オーディションは・・・?」
「まだ終わっちゃいねえよ? おまえが、俺のセックスに何発相手が出来るか、見極めないとな?」
 ニヤリと良くない微笑みを浮かべられて、アンジェリークは頬を紅に染め上げた。
「アリオスさん・・・」
「まだまだだぜ? アンジェ・・・」
 きつく彼女を抱きすくめる。
 アリオスは、そのまま、甘い愛の戦慄を刻み始めた。
 最初からゆっくりと。
「あっ、ああ・・・」
 二度目、三度目と繰り返す度に、彼女は愛し合うことへのぎこちなさがなくなっていく。
「アリ・・・オスっさん・・・!」
 甘い声と、徐々に馴れていく締め付けに、彼は息を乱した。

 すればするほど、彼女の身体に溺れてしまう。
 彼女は、アリオスの指先が奏でる官能の音楽に、もう、彼以外には愛されたくないと感じる。
「アリオスさん、 ああんっ!」
 指先から、アロマな波が出ているのではないかと、アンジェリークは思う。それほど彼は気持ちよくて、安らぎをくれる。
「はああっ!」
 秘所の濡れて輝く真紅の蕾を、アリオスは摘んだり、擦ったりした。
 時には少しざらついた舌で攻められて、彼女は何度も身体をのけ反らる。
 指と舌で散々愛撫されて、アンジェリークははじめてなのに、アリオスの十八番”潮吹き”までも経験した。
 攻める度に敏感になる肌。
「あっん・・・」
 黄金のフィンガーテクニックに踊らされ、アンジェリークは、身体を何度も跳ね上げさせた。
「んっ・・・!!!」
 胸も秘所の蕾も、その全てが彼のテクニックに溺れていた。
 何度快楽の扉を叩いたであろうか。
 アンジェリークは、指と舌のテクニックと、アリオスに侵入される度に、天国に向かう。
「あっ、ああ・・・」
 甘い声と、抱く度に魅力的になる肢体に、アリオスは夢中になってむさぼりつくした。

 やっても、やってもやりたりねえな・・・。

 アリオスは攻めまくる。
 アンジェリークがぐったりとなるまで、アリオスは攻めた。


 ベッドの周りには、生々しい愛し合った跡が残ってる。
「アリオス・・・、さん…もう・・・、だめ・・・」
 アンジェリークは、息を乱して、半分意識を飛ばしている。
「壊れちまえよ・・・」
「んっ、ああっ!」
 シーツをぎゅっと握った瞬間、アンジェリークは、そのまま意識を飛ばし、ぐったりとなった。
「アンジェ、無理させちまったみてえだな・・・」
 気絶した彼女の目もとにキスをすると、アリオスは華奢な身体を抱き締める。
「最高だったぜ?」
 彼女にキスをした後、ベッドから出ると、アリオスは電話を手にとり、内線をかけた。
「俺だ。アンジェのワンピースを三枚ぐらいと、下着三日分とパジャマを買っておいてくれ。至急だ」
「判ったわ。じゃあ彼女は最終審査に行くのね?」
 電話に出たリモージュはとても嬉しそうだ。
「ああ。戸締まりは俺がするから、おまえらもう帰っていいからな?」
「はい」
 内線を切ると、アリオスは先にシャワーを浴びにバスルームへと入った。
 本当は一緒に入りたいのが山々だが、疲れてぐったりときている彼女を、これ以上負担をかけたくなくて、そっとしておいてやる。
 シャワーを浴びながら、アリオスはこれほど充実感を得られたのは、かつてないような気がしていた。
 身体の隅々までもが、充足しているのを感じる。
 シャワーのお湯がとても心地好い。

 風呂なら、また一緒に入れるからな・・・。

 汗をさっぱりと流した後、ローウ゛を羽織り、再びアンジェリークが眠るベッドに腰掛ける。

 ったく罪な女だぜ? 俺の心を簡単に狂わせてしまう・・・。

 栗色の髪を撫でながら、アリオスは愛しげに目を細めた。
「んっ・・・」
 僅かに瞼を動かし、彼女はゆっくりと目を開ける。
「アリオスさん・・・」
 うっとりと見つめる彼女は、とても艶やかにアリオスには映り、華奢な体をぎゅっと抱きしめてやった
「アンジェリーク、ご苦労だったな?」
 頬にキスを送ると、彼は甘く囁き、耳朶を軽く噛む。
 「アリオスさん、私は・・・」 
「第二次審査は合格だ」
 真っ赤に顔を染めながら、彼女ははにかむような喜びの表情を浮かべた
 彼は彼女の身体を優しく起こしてやり、額に唇を寄せる。
「シャワー浴びてさっぱりしてこい?」
「はい・・・。あっ、バスルームは?」
「部屋を出て右側の擦りガラスのドアの向こうだ」
「有り難うございます・・・」
 立ち上がろうとして、アンジェリークは足をもつれさせる。
「きゃっ・・・」
 アリオスは倒れそうになった彼女を、腕で捕らえ、支えた。
「あっ、有り難う・・・」
「大丈夫か?」
 アンジェリークは真っ赤になると、俯く。
「・・・だって、足の付け根が痺れてて、上手く歩けないんです・・・」
 可愛らしく、また自らのせいでそうなったことへ、アリオスは誇らしく思う。
「だったらバスルームに連れていってやるよ?」
「あっ」
 そのまま抱き上げられて、アンジェリークはバスルームへと運ばれた。

コメント

chatで生まれた、
「アリオスAV監督、アンジェ女優」物です。
ははははは。
中々オーディション本編に進みません(笑)
今頑張ってます、アリオスさん。
これからまだまだ頑張ります。
お風呂は行ってから、次の審査です。
素人相手に何やってるんでしょうか(笑)