飛行機をあまり得意としないアンジェリークは、折角のファーストクラスにもかかわらず、旅行を上手く楽しめないでいた。 「どうした?」 「…うん…大丈夫…」 結婚したばかりの二人、出会ったばかりだというのに、彼らは既に甘い雰囲気を漂わせている。 震える彼女を察し、アリオスは小さな手を握った。 その暖かさにアンジェリークは甘い安堵感をもつ。 「平気か!?」 「・・・うん・・・、アリオスが手を握ってくれているから大丈夫」 甘い少しはにかんだ声の彼女が、可愛くて仕方なくアリオスは欲望をつき上がってくるのを感じる。 やべえ・・・。また来ちまった。 アンジェは本当に罪な存在だ・・・。 今朝もしたばかりなのにまたやりてえ! 旅行中はベッドから出さねえぜ! 極限にまで高まっている欲望を何とか押さえつつ、アリオスは片手でアンジェリークの肩を抱き寄せた。 昨夜が初めてだった彼女に、飛行機のトイレで襲うのは余りにも酷だろうと、ぐっとここは我慢の子である。 「アンジェ、少し眠れ・・・。昨日も今朝も無理させちまったからな・・・」 「うん。有り難う・・・」 頬をほんの少し紅に染め上げると、潤んだ不安げな瞳で彼を見上げる。 「アリオス」 「何だ?」 「手を握り締めていてね? ずっと」 甘えるように言う彼女に、アリオスは優しい笑みを送る。 「安心しろ? ずっとこうしていてやるからな?」 「うん・・・」 アンジェリークは嬉しそうに笑うと、頭を彼の肩に凭れさせる。 そのまま寝息を立て始めた彼女に、アリオスはふっと微笑みかけ、栗色の髪を撫でた。 昨日は随分と無理させちまったからな・・・。ゆっくり眠れ・・・。 アリオスもいつの間にか、深い眠りに落ちていった。 ---------------------------------- 到着後、リムジンで港まで向かい、そこからアルウ゛ィース財閥の高速クルーザーで、リゾートホテル ”エンジェル・ビーチ・ウ゛ィラ”に到着した。 ここも当然、アルウ゛ィースの持ち物である。 総帥が”新婚旅行”に使うと言うことで、少し離れたプライベートビーチのついた豪華コテージは、貸し切りである。 ようやくコテージに着くと、荷物を置いて、二人はシャワーを軽く浴びて着替えた。 アリオスが案内がてら、アンジェリークを散歩に連れていくためである。 「行くぜ? 今だったら最高の夕日が見れるぜ?」 「うん・・・」 ノースリーブの白いワンピースを着たアンジェリークがとても艶やかに見える。 アリオスはその小さな手を引いて、ビーチへと誘った。 ビーチに出ると、やはりプライベートなこともあってか、二人きりになれてアンジェリークは嬉しい。 手をしっかり握りあって、彼女は何度もアリオスの横顔を見つめた。 端正な横顔に夕日がかかり、しばし見惚れる。 「座って夕日を見るか?」 「うん」 二人は砂浜に座って、ゆったりと水平線を眺めた。 「アンジェ、もっとこっちに来いよ」 「うん」 ためらいがちに寄ってくる彼女をさらに抱き寄せて腕の中に閉じ込めてしまう。 「おまえはここだ」 「うん」 アンジェリークはアリオスの腕をぎゅっと握った。 「アリオス・・・」 「何だ?」 「あ、あのね、私、アリオスが結婚相手で良かったって凄く思ってる…。こんな素敵な人で良かった…」 はにかんでささやく彼女がとても可愛い。 アリオスは愛しさの余りぎゅっとその華奢な体を抱き締めた。 「あっ、アリオス・・・」 「俺もおまえが相手で良かったぜ」 そのまま深く口付けをすると、アリオスは深く口腔内を愛撫する。 彼の下がまるで生き物のように蠢き、彼女をくまなく愛している。 ようやく唇から離されて、アンジェリークはすっかり全身の力が抜かれてしまった。 「あっ…アリオス!?」 そのまま砂浜に押し倒されて、アンジェリークは甘い驚愕の声を上げる。 「もう限界だったぜアンジェ?」 「あっ、ワンピースに砂が…」 ワンピースを脱がしにかかる彼に、アンジェリークは形ながらの抵抗をする。 「後で風呂キレイに洗ってやるよ…」 「あああんっ!」 そのまま彼の唇が、剥き出しになった白い肌を這いまわり始める。 「おまえは全く罪な存在だ…。いつでも抱きたくてしょうがなくなる…」 くぐもった彼の声が、またアンジェリークを刺激する。 「ああっ!」 そのまま白いワンピースを脱がされて、アンジェリークは生まれたままの姿にされる。 「誰かが…!」 「誰もこねえよ…。ここは俺のプライヴェートビーチだ」 「ああっ!!!」 そのままアリオスはアンジェリークとともに、パラダイスへと向い始めた---- |