土の曜日がやって来た。 アンジェリークは、アリオスとの待ち合わせのために、約束の地の、約束の木の前で彼を待ちわびていた。 アリオスと頼まれまかったら・・・、こんなことしないもん…。 彼女は少しはにかみながら、木の前で待っている。 誰もいない夕方の約束の地はとても心地よい風が吹き抜ける。 きょろきょろと世話しなく、彼女の眼差しは動き、アリオスを探している。 結局惚れた弱みか、アリオスに弱いアンジェリークである。 早くアリオス来ないかな…。 アリオスが約束の地に着いたのは、約束の時間のぎりぎりだった。 来てるな… そこにいるアンジェリークを見るなり、アリオスは身体の奥から猛烈な欲望がこみ上げてくるのを感じた。 「アンジェ…、最高だぜ?」 彼は遠くから、先ずは彼女の姿を観察する。 暫し彼女の愛らしい姿に見惚れてしまう。 今日のアンジェリークは文句が付けようがないほど可愛かった。 足には白い網タイツ、スカートは彼の要望通りに超ミニで少し歩こうものなら完全に丸見えの逸品である。 オーガンジー使いのふわりとしたイメージになっている。上半身は白のチューブトップ。アリオスの背の高さだと、完全に彼女の白くて豊かな胸の谷間が見える。しかも可愛く背中には白い羽根、髪は巻き毛になっていて、アンティークドールのように見える。 これぞ"ロリータ天使”の決定版である。 可愛い、可愛すぎるぜ…! ダメだ…、このまま木の下で押し倒しちまいそうだ…。 アンジェとやりたくてたまらねえ…。 などと狼が考えているのを知らずに、罠にかかった天使は爪先立ちをしながら彼を待った。 「アンジェ!」 ようやく彼女に声をかけると、途端に天使の顔が明るく輝く。 「アリオス!」 その瞬間、少女は固まってしまった。 アリオス…。 凄くカッコイイ… アリオスは約束どおりに”ファントム”の格好をしていた。 長身でスタイルのいいせいか、黒いタキシードをすきなく着こなし、艶やかな大人の男の色香を漂わせている。 その上マント…。 転生前の彼を思い出して、アンジェリークはさらに胸を焦がす。相変わらず長身の彼にはとてもよく映えている。 アリオスにエスコートされるなんて…、私凄く幸せもの… 余りにもアリオスがくらくらするほど格好が良かったから、アンジェリークはうっとりと見惚れてしまった。 「おい、アンジェ」 彼がすぐ前に近づき、声をかければ、ビクリと彼女は身体を跳ね上げさせる。 「あ、アリオス〜」 「クッ、どうせ俺に見惚れてたんだろ?」 自分のことは棚に上げておいて、アリオスは耳元で艶やかな声で囁く。 ぞくりとする快楽が、彼女の前身を駆け巡る。 「もう・・・いやん・・・」 余りにも可愛い声で彼女が言うものだから、アリオスの欲望はさらに高まり、身体の奥から突き上げてくるのを感じた。 アリオスの"萌え萌えゲージ”は、200を突き抜けて、最早宇宙の果てにまで行ってしまっている。 既に身体はいつでもGO!な状態。 「似合ってるぜ? 最高に可愛い…」 「本当にそう思う?」 少しはにかみながら、彼の天使は、頬をくれないに染め、上目遣いでアリオスを見つめる。 その格好と相まって、相当アンジェリークは可愛らしかった。 「ああ。最高だ…」 「・・うん…あなたのとっても素敵よ?」 二人は互いに見詰め合う。 アリオスはアンジェリークとう網距離をとりながら見ている。 このまま抱きしめたら、きっと俺のは爆発しちまうし、なによりも、アンジェリークに身体を寄せたらばれちまう ここは例の場所で… 確信犯の狼28歳は、全く欲望などもないふうに装って、いつものように深く笑った。 「さあ、行くか? "仮装大会”とやらへ?」 「もう、"仮装パーティ”!」 彼女のこしをぴ行ったりと抱き、あくまで、その部分とは密着させないようにして、天使の広場へと向う。 アンジェリークは、まさか恋人であるこの"狼"がよこしまなことを考えているなど、知る由もなかった。 ----------------------------------- 天使の広場に二人が着くと、既に沢山の仮装をした若いカップルたちでいっぱいになっていた。 「おい・・・これは?」 彼女ははにかんだように彼を見つめると、少し申し訳なさそうに彼を見つめた。 「ごめんなさい…。今日のパーティは"カップル”限定なの…。どうしてもアリオスと一緒に行きたくて…。 だって、このパーティーは"幸せになれる"ジンクスがあるから…」 もじもじという彼女が、アリオスはたまらなく可愛い。 「クッ、そんなことだろーと思ったぜ? だが、おまえの可愛さに免じて許してやる」 「うん…、有難う…」 二人はゆっくりと広場を見て回る。 広場には様々な食事スペースや飲み物スペースが用意されており、充実していた。 「あ、レイチェルとエルンストさん・・・」 アンジェリークは、親友のカップルを指差す。 今夜は、アリオスが一緒なので声を掛けには行かないが、補佐官カップルもいい雰囲気である。 アリオスは、仮面をつけているので、彼だとは判らないのだが。 レイチェルは、アンティークドールの扮装をしていた。 とても美しくて、アンジェリークは思わず感嘆の息を漏らす。 「レイチェル・…、綺麗…」 「俺にしてみたら、おまえのほうが可愛いがな?」 彼が甘く囁いてくれたので、アンジェリークは心を潤むのを感じる。 「有難う…」 身体をアンジェリークが擦り付けてきたので、アリオスはイシュうん身体をびくりとさせた。 やべえ・・・ 「どうしたの?」 「何でもねえよ…」 アリオスは何もないふりをして言うと、そっと恋人の小さな手を取る。 「アンジェ…、ちょっといいところに行かないか?」 「いいところ?」 「ああ、とってもロマンティックなところ…」 「行く!!」 少女は嬉しそうに彼に言い、導かれるようについてゆく。 この後に何が待っているとも知らずに---- 連れて行かれた場所は、天使の広場の奥にある、小さな果樹園。 遠くに天使の広場の明かりや、声が聞こえてとてもロマンティックだ。 「アンジェ・…」 艶やかに彼に見つめられ、彼女は動くことすら出来ない。 そのまま彼は顎を持ち上げて唇を近付けてくる。 天使は罠にはまった |