At The Angel Squair

前編


「今度の土の曜日、"天使の広場”で仮装パーティあるらしんだけど、行かない?」
「はあ? 土の曜日って、おまえ、女王陛下とやらのところに、行かなくていいのかよ!?」
 恋人の突然の申し出に、アリオスは険しい顔をする。
「それは午前中に終わるの。午後からは、お休みだし、パーティーは夕方からだし。レイチェルも、エルンストさんも皆参加するって!」

 頭痛くなってきた…

「イヤだ!」
 即答だった。
 いつものように、きっぱりと、強調した口調で言う。
「大体、何で、へんてこりんな格好をして、そんなごみごみした場所に行かなきゃ何ねえんだよ!」
 彼が嫌がることは、事前に予測はついてはいた。
 場所が場所の上に、彼が最も嫌う人ごみ。
 その上、かつて旅を一歩にした仲間と会うのは、かなりイヤみたいだ。
 だがこんなことで怯むアンジェリークでは勿論ない。
「で、でもね、アリオス、仮装するから、誰かってわからないし、それに、そんなにごみごみしてないって言うし…。夜で、ライトで綺麗だって…」
 上目遣いで彼を見つめながら、彼女は早口で一生懸命まくし立てる。
「ねえ、おねがい!」
 一生懸命強請る彼女に、アリオスは内心これは使えるかもしれないと思い始めていた。

 …仮装パーティか…。
 考えてみりゃあ、アンジェがいつもしない格好をさせるには絶好のチャンスだよな…。

 彼はわざとつんとした冷たい態度を取り、アンジェリークを追い詰めてゆくアリオスは、立派な確信犯だ。
「アリオス〜! ね、お願い!!」
 彼女が手を合わせて懇願する必死な姿に、彼は益々ニヤリとよくない笑みを浮かべてしまう。
「----だったら、おまえが俺のして欲しい仮装をするんなら、話は別だ」
「ホント!?」
 アンジェリークの眼差しはきらりと輝き、彼を探るように見つめる。
「ああ----」
 彼はそういうと彼女絵尾、異色の眼差しでじっと見る。
「おまえ、超ミニのスカートはいて、パンツがちらりと見えるようなロリータ天使の格好をしろよ?」

 ロリータ天使!!!!!!

 そう聞いた瞬間、アンジェリークは、顔を真っ赤にさせて、大きな瞳を大きく見開いて、唖然と彼を見た。
「ロリータ天使!?」
 彼女はそういうと、身体をもじもじとさせて、恥ずかしそうに俯いてしまう。
「…そんなこと…、出来ない・・」
 消え入りそうな小さな声で言う彼女を、アリオスは見逃さない。
「そっか。俺は別にいいけどよ? その"仮装大会"とやらに、そうしなけりゃ、俺が行かねえだけだ」
 わざとなんでもない風に彼は言う。
「仮装大会じゃなくって、仮装パーティ…」
 さり気に、アンジェリークは彼を突っ込むことも忘れてはいなかった。
 アリオスは、野獣としての感で、彼女をどんどん追い詰めてゆく。
「折角、俺は、マントをつけて”ファントム”の格好をしてやろうと思ったのによ?」

 アリオスのファントム!!

 アンジェリークの脳裏に浮かぶは、ファントム姿の彼とクリスティーヌ姿の自分。

 アリオスの首に手を掛けられて、私は気絶したふりをするの・…。
 なんて素敵…

 女王陛下は、すっかり”マイ・妄想ワールド”に入っているようだった。
 彼女の大きな瞳はうっとりと潤んでいる。
「おい」
 現実に引き戻されるようなアリオスの低い声に、アンジェリークははっと我に帰った。
「おい、おまえ判ってるんだろうな? 
 おまえがロリータ天使をしなきゃ、俺のファントムもないってことなんだぜ?」
 確信犯のどうしようもなく魅力的な危険な男アリオス。
 端から見れば、ただの恋人にめろめろな男。
 噂によると、二人のバカップル加減は、このアルカディアの平均気温を上げているらしい。
 人々は、栗色の髪の少女と銀の髪の青年のカップルに出会うと、暑くなると噂している。
 彼女は結局彼にはとても弱い。
 ニヤリとよくない微笑を浮かべて、罠を張っているアリオスを憎らしく思いながらも、彼の言うことは結局抗えない。
「・…どうなんだ? アンジェ」
 じっと異色の眼差しに見つめられ、額をくっつけるような仕草をされると、アンジェリークは息が上がるのを感じた。

 …やっぱりアリオスの魅力には勝てない…

 頬を年頃の少女らしくほんのりピンク色に染め上げると、彼を艶やかな眼差しで見つめた。
「…判った…、やる…」
 彼に填められたと判ってはいるが、この魅力の前では、素直になってしまう。

 それに…、アリオスのファントム、絶対に見たかったんだもん・…

 不意に、アンジェリークは顎を持ち上げられて、彼に艶やかな瞳で見つめられる。
「いつからこんな色っぽい眼差しをするようになったんだ? たまんねえな…」
「も・・、バカ・・・・んっ!!」
 抗議をする暇も与えられずに、彼女はアリオスに唇を深く重ねられてしまう。
 唇を深く吸われて、舌を絡ませてくる。
 舌が絡まりあう。
 互いの欲望をそこにつ立てて、行為を伝え合って。
「ん・・・」
 少し開いた彼女の唇を、アリオスの舌は容赦なく責めたててゆく。
おまえはおれのもんだろ・・・?」
「うん…、あなたのものよ、アリオス」
 熱にほだされて、アンジェリークはうっとりと囁いた。
「だったら、いいよな?」
「え!?」
 いきなりスカートをたくし上げられて、下着の中に指を忍び込ませてきた。
「や・・・、いやだ・・はあん!」
「あんな目で見られると、こっちとしても答えてやらねえとな? きょうはやらねえが、触らせろ?」
「はあん」
 彼女を知り尽している巧みな指先で秘所を撫でられ、蕾を刺激される。
「身体は正直だな? アンジェ?」
「はあっ!」
 彼の指がそこに触れるだけで、アンジェリークは蜜を滴らせてゆく。
「おしおきだ・・。俺の言うことをすぐに聞かなかったばつ」
「やああんっ!」
 誰もいない昼下がりの約束の地----
 恋人の繊細且つ大胆な指使いに溺れる少女がここに一人。
「ああああっ! アリオス!」
 胎内に指を二本挿入し、彼女の感じる部分を引っかくように何度も何度も刺激を与える。
 アンジェリークは全員を淫らに震わせ、彼の指に腰を押し付ける。
「ああああああっ!」
 指を胎内に何度も挿入されて、アンジェリークは、彼の指先だけで、絶頂に達してしまった。


「またな? アンジェ」
「・・・うん・・・」
 指先だけで彼にイカされてしまったアンジェリークは、ふらふらと身体を揺らしながら、家路に着く。

 アリオスのバカ…

 土の曜日にもっと凄いことが待っていることも知らずに(笑) 
TO BE CONTINUED・…

コメント

あほすぎ…。
後半に続く…。