「今度の土の曜日、"天使の広場”で仮装パーティあるらしんだけど、行かない?」 「はあ? 土の曜日って、おまえ、女王陛下とやらのところに、行かなくていいのかよ!?」 恋人の突然の申し出に、アリオスは険しい顔をする。 「それは午前中に終わるの。午後からは、お休みだし、パーティーは夕方からだし。レイチェルも、エルンストさんも皆参加するって!」 頭痛くなってきた… 「イヤだ!」 即答だった。 いつものように、きっぱりと、強調した口調で言う。 「大体、何で、へんてこりんな格好をして、そんなごみごみした場所に行かなきゃ何ねえんだよ!」 彼が嫌がることは、事前に予測はついてはいた。 場所が場所の上に、彼が最も嫌う人ごみ。 その上、かつて旅を一歩にした仲間と会うのは、かなりイヤみたいだ。 だがこんなことで怯むアンジェリークでは勿論ない。 「で、でもね、アリオス、仮装するから、誰かってわからないし、それに、そんなにごみごみしてないって言うし…。夜で、ライトで綺麗だって…」 上目遣いで彼を見つめながら、彼女は早口で一生懸命まくし立てる。 「ねえ、おねがい!」 一生懸命強請る彼女に、アリオスは内心これは使えるかもしれないと思い始めていた。 …仮装パーティか…。 考えてみりゃあ、アンジェがいつもしない格好をさせるには絶好のチャンスだよな…。 彼はわざとつんとした冷たい態度を取り、アンジェリークを追い詰めてゆくアリオスは、立派な確信犯だ。 「アリオス〜! ね、お願い!!」 彼女が手を合わせて懇願する必死な姿に、彼は益々ニヤリとよくない笑みを浮かべてしまう。 「----だったら、おまえが俺のして欲しい仮装をするんなら、話は別だ」 「ホント!?」 アンジェリークの眼差しはきらりと輝き、彼を探るように見つめる。 「ああ----」 彼はそういうと彼女絵尾、異色の眼差しでじっと見る。 「おまえ、超ミニのスカートはいて、パンツがちらりと見えるようなロリータ天使の格好をしろよ?」 ロリータ天使!!!!!! そう聞いた瞬間、アンジェリークは、顔を真っ赤にさせて、大きな瞳を大きく見開いて、唖然と彼を見た。 「ロリータ天使!?」 彼女はそういうと、身体をもじもじとさせて、恥ずかしそうに俯いてしまう。 「…そんなこと…、出来ない・・」 消え入りそうな小さな声で言う彼女を、アリオスは見逃さない。 「そっか。俺は別にいいけどよ? その"仮装大会"とやらに、そうしなけりゃ、俺が行かねえだけだ」 わざとなんでもない風に彼は言う。 「仮装大会じゃなくって、仮装パーティ…」 さり気に、アンジェリークは彼を突っ込むことも忘れてはいなかった。 アリオスは、野獣としての感で、彼女をどんどん追い詰めてゆく。 「折角、俺は、マントをつけて”ファントム”の格好をしてやろうと思ったのによ?」 アリオスのファントム!! アンジェリークの脳裏に浮かぶは、ファントム姿の彼とクリスティーヌ姿の自分。 アリオスの首に手を掛けられて、私は気絶したふりをするの・…。 なんて素敵… 女王陛下は、すっかり”マイ・妄想ワールド”に入っているようだった。 彼女の大きな瞳はうっとりと潤んでいる。 「おい」 現実に引き戻されるようなアリオスの低い声に、アンジェリークははっと我に帰った。 「おい、おまえ判ってるんだろうな? おまえがロリータ天使をしなきゃ、俺のファントムもないってことなんだぜ?」 確信犯のどうしようもなく魅力的な危険な男アリオス。 端から見れば、ただの恋人にめろめろな男。 噂によると、二人のバカップル加減は、このアルカディアの平均気温を上げているらしい。 人々は、栗色の髪の少女と銀の髪の青年のカップルに出会うと、暑くなると噂している。 彼女は結局彼にはとても弱い。 ニヤリとよくない微笑を浮かべて、罠を張っているアリオスを憎らしく思いながらも、彼の言うことは結局抗えない。 「・…どうなんだ? アンジェ」 じっと異色の眼差しに見つめられ、額をくっつけるような仕草をされると、アンジェリークは息が上がるのを感じた。 …やっぱりアリオスの魅力には勝てない… 頬を年頃の少女らしくほんのりピンク色に染め上げると、彼を艶やかな眼差しで見つめた。 「…判った…、やる…」 彼に填められたと判ってはいるが、この魅力の前では、素直になってしまう。 それに…、アリオスのファントム、絶対に見たかったんだもん・… 不意に、アンジェリークは顎を持ち上げられて、彼に艶やかな瞳で見つめられる。 「いつからこんな色っぽい眼差しをするようになったんだ? たまんねえな…」 「も・・、バカ・・・・んっ!!」 抗議をする暇も与えられずに、彼女はアリオスに唇を深く重ねられてしまう。 唇を深く吸われて、舌を絡ませてくる。 舌が絡まりあう。 互いの欲望をそこにつ立てて、行為を伝え合って。 「ん・・・」 少し開いた彼女の唇を、アリオスの舌は容赦なく責めたててゆく。 おまえはおれのもんだろ・・・?」 「うん…、あなたのものよ、アリオス」 熱にほだされて、アンジェリークはうっとりと囁いた。 「だったら、いいよな?」 「え!?」 いきなりスカートをたくし上げられて、下着の中に指を忍び込ませてきた。 「や・・・、いやだ・・はあん!」 「あんな目で見られると、こっちとしても答えてやらねえとな? きょうはやらねえが、触らせろ?」 「はあん」 彼女を知り尽している巧みな指先で秘所を撫でられ、蕾を刺激される。 「身体は正直だな? アンジェ?」 「はあっ!」 彼の指がそこに触れるだけで、アンジェリークは蜜を滴らせてゆく。 「おしおきだ・・。俺の言うことをすぐに聞かなかったばつ」 「やああんっ!」 誰もいない昼下がりの約束の地---- 恋人の繊細且つ大胆な指使いに溺れる少女がここに一人。 「ああああっ! アリオス!」 胎内に指を二本挿入し、彼女の感じる部分を引っかくように何度も何度も刺激を与える。 アンジェリークは全員を淫らに震わせ、彼の指に腰を押し付ける。 「ああああああっ!」 指を胎内に何度も挿入されて、アンジェリークは、彼の指先だけで、絶頂に達してしまった。 「またな? アンジェ」 「・・・うん・・・」 指先だけで彼にイカされてしまったアンジェリークは、ふらふらと身体を揺らしながら、家路に着く。 アリオスのバカ… 土の曜日にもっと凄いことが待っていることも知らずに(笑) |