「”眠れぬ森の天使”」 アンジェリークは、それを噛み締めるように呟くと、真摯なまなざしを、金髪の店員に向けた。 その思いがアリオスにも伝わって来る。 「・・・で、どこで見た?」 アリオスは、いきなり中心に切り込んだ。 「え、私は、この間、惑星アルテミスに旅行に行ったんですけど、そこで、”シュウ゛ァルツウ゛ァルト”で迷ってしまって、 森の奥深く、湖のほとりで、彼女は無心に目を閉じていました。 あまりにも美しくて、私、手を触れようとしたら、そのまま光って、私は、いつの間にか、迷う前の場所に連れ戻されていたんです・・・」 金髪の髪の女性は、うっとりと溜め息を吐くと、アンジェリークに夢見るような瞳を向けた。 「夢だったかもしれないですけど、本当に、とても心が洗われました」 そこまで呟いたあと、彼女はニッコリと微笑んだ。 「あなたは本当によくにているわ・・・」 「有り難う」 アンジェリークは、女性に微笑み掛けると、心からの礼を言った。 精神体だけになって旅をして、ようやく得た手掛かりが、本当に心から嬉しく思う。 「突然話は変わるんだが、外にある白いドレスを買いたいんだが、包んでくれねえか?」 「アリオス・・・」 大きな瞳に涙を浮かべて、アンジェリークはアリオスに深い感謝を向ける。 「いいから、着てみせてくれるんだろ?」 うっすらと微笑んでくれる彼に、アンジェリークは、感情の高まりを、頷くことだけで表現した。 「あのドレスはきっとお似合いになられますわ! だって、私があの”眠れぬ森の天使”をイメージをして作ったドレスですから! じゃあすぐに包みますが、ご試着は?」 「”こいつをイメージして作った”んだろ? だったら入るはずだぜ? 違うか?」 ニヤリと笑うアリオスのひとことはとても説得力がある。 女性もなるほどとばかりに頷くと、いそいそと化粧ケースに、ドレスを詰め始めた。 「私、凄く嬉しいですよ! だって、イメージ通りの方に着てもらえるなんて、デザイナー冥利に尽きるじゃないですか!」 本当に嬉しそうに、箱の中に丁寧にドレスを詰めてくれた。 アリオス・・・。いつもみんなには節約だって煩いのに、私にはここまでしてくれる・・・。 本当に有り難う・・・。 大好きよ! さっさと、アリオスは支払いを済ませ、そのケースを受け取ってくれる。 「サンキュ」 「有り難うございました!」 店を出た後、夕暮れの中、二人は散歩しながら、宇宙船へと向かう。 「アリオス・・・、有り難う、嬉しかった・・・」 はにかんで、喜びを滲ますかのように、アンジェリークは呟く。 「着ている姿を見たかったからな」 「うん・・・、見せたい!」 ふっとアンジェリークはアリオスを見上げた。 「何だ?」 「アリオスとね、手を繋ぎたいなって思ってただけ」 アンジェリークが本当に可愛いと、アリオスは心から思う。 「だったら繋ごうぜ」 「アリオス・・・」 戸惑いが消せないアンジェリークを、アリオスは優しい光で包んでやる。 「前にも言ったが、俺にとっては、体よりもおまえの心が大事だ。覚えておけ」 アリオス・・・! 心が愛で満たされ、潤むのが分かる。 「うん、じゃあ繋いで? 私が手を差し出したところに、指を絡めて・・・」 「ああ」 アリオスは言われたようにやってみる。 「あ、繋がってるわ!」 「だろ?」 明るい表情にアンジェリークは戻る。 二人はじわりと、心が満たされるのを感じながら、帰り道を楽しんで帰っていった。 宇宙船に戻ると、既に全員が揃っていた。 「お帰り、二人とも〜!」 チャーリーは嬉しそうに笑うと、暖かく出迎えてやる。 「ただいま、チャーリーさん!」 幸せそうに笑って応えるアンジェリークは、とても可愛く見えた。 「みんな、すぐに出発の準備を! アンジェリークの体がある位置が判った」 アリオスの真摯さを含んだ声に、そこにいる誰もが緊張と嬉しさを感じる。 こんなに良い子をこのままにしては置けないという気分で、彼らは一杯だったからだ。 「それは確かなのか?」 オスカーは、アンジェリークとアリオスを交互に見渡して、呟く。 「確かだ。”惑星アルテミス”か・・・。美しい星だ。沢山詩が思い浮かびそうだ・・・。僕的には悪くない星だね」 セイランは、もちろん行くのには、大賛成のようで笑っている。 「アルテミスは、自然に囲まれた、とても美しい、風光明媚なロマンティックな星で、新婚旅行でも有名でして・・・」 エルンストはパソコンの画面とき合って、固いながらもどこかうれしそうだ。 「さてと、こうしてはいられないぜ?」 オスカーは早速準備にかかる。 「俺は、食料と、製水タブレット、積めるだけ積めるわ」 チャーリーもすぐに準備に行ってくれる。 「俺はメカの整備だ!」 慌てて、ゼフェルは機械室へと走っていく。 誰もがアンジェリークのために、意思団結して。直ぐに出発ができるように手はずを整えてくれる。 有難う皆さん・・・。 何て心の温かい方々なんだろう・・・ アンジェリークは本当に嬉しかった。 そして、自分の運命を彼らに掛けてよかったとすら思う。 私は何て幸せ者なんだろう・・・ 準備は二時間ほどで完璧に終わった。 誰もがアンジェリークの為に奔走してくれる。 これも、アリオスの力が大きいのだろう。 全員が持ち場についた。 残りは、アリオスが操縦席に座るだけ---- 彼はアンジェリークを連れて操縦席に座ると、走行パネルを見つめる。 「惑星アルテミスに向って出発! シュヴァルツヴァルトへ!」 ボタンが押され、宇宙船は舞い上がり、旋廻しながら星の海へと出て行く。 アンジェリークの希望を乗せて----- |
コメント
アリXアンのSFです。
お久し振りです(苦笑)
惑星アルテミス。
いよいよ身体を探して、次回上陸です!!
わくわく〜
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