BODY AND SOUL

CHAPTER 6


「”眠れぬ森の天使”」
 アンジェリークは、それを噛み締めるように呟くと、真摯なまなざしを、金髪の店員に向けた。
 その思いがアリオスにも伝わって来る。
「・・・で、どこで見た?」
 アリオスは、いきなり中心に切り込んだ。
「え、私は、この間、惑星アルテミスに旅行に行ったんですけど、そこで、”シュウ゛ァルツウ゛ァルト”で迷ってしまって、
 森の奥深く、湖のほとりで、彼女は無心に目を閉じていました。
 あまりにも美しくて、私、手を触れようとしたら、そのまま光って、私は、いつの間にか、迷う前の場所に連れ戻されていたんです・・・」
 金髪の髪の女性は、うっとりと溜め息を吐くと、アンジェリークに夢見るような瞳を向けた。
「夢だったかもしれないですけど、本当に、とても心が洗われました」
 そこまで呟いたあと、彼女はニッコリと微笑んだ。
「あなたは本当によくにているわ・・・」
「有り難う」
 アンジェリークは、女性に微笑み掛けると、心からの礼を言った。
 精神体だけになって旅をして、ようやく得た手掛かりが、本当に心から嬉しく思う。
「突然話は変わるんだが、外にある白いドレスを買いたいんだが、包んでくれねえか?」
「アリオス・・・」
 大きな瞳に涙を浮かべて、アンジェリークはアリオスに深い感謝を向ける。
「いいから、着てみせてくれるんだろ?」
 うっすらと微笑んでくれる彼に、アンジェリークは、感情の高まりを、頷くことだけで表現した。
「あのドレスはきっとお似合いになられますわ! だって、私があの”眠れぬ森の天使”をイメージをして作ったドレスですから! じゃあすぐに包みますが、ご試着は?」
「”こいつをイメージして作った”んだろ? だったら入るはずだぜ? 違うか?」
 ニヤリと笑うアリオスのひとことはとても説得力がある。
 女性もなるほどとばかりに頷くと、いそいそと化粧ケースに、ドレスを詰め始めた。
「私、凄く嬉しいですよ! だって、イメージ通りの方に着てもらえるなんて、デザイナー冥利に尽きるじゃないですか!」
 本当に嬉しそうに、箱の中に丁寧にドレスを詰めてくれた。

 アリオス・・・。いつもみんなには節約だって煩いのに、私にはここまでしてくれる・・・。
 本当に有り難う・・・。
 大好きよ!

 さっさと、アリオスは支払いを済ませ、そのケースを受け取ってくれる。
「サンキュ」
「有り難うございました!」
 店を出た後、夕暮れの中、二人は散歩しながら、宇宙船へと向かう。
「アリオス・・・、有り難う、嬉しかった・・・」
 はにかんで、喜びを滲ますかのように、アンジェリークは呟く。
「着ている姿を見たかったからな」
「うん・・・、見せたい!」
 ふっとアンジェリークはアリオスを見上げた。
「何だ?」
「アリオスとね、手を繋ぎたいなって思ってただけ」
 アンジェリークが本当に可愛いと、アリオスは心から思う。
「だったら繋ごうぜ」
「アリオス・・・」
 戸惑いが消せないアンジェリークを、アリオスは優しい光で包んでやる。
「前にも言ったが、俺にとっては、体よりもおまえの心が大事だ。覚えておけ」

 アリオス・・・!

 心が愛で満たされ、潤むのが分かる。
「うん、じゃあ繋いで? 私が手を差し出したところに、指を絡めて・・・」
「ああ」
 アリオスは言われたようにやってみる。
「あ、繋がってるわ!」
「だろ?」
 明るい表情にアンジェリークは戻る。
 二人はじわりと、心が満たされるのを感じながら、帰り道を楽しんで帰っていった。


 宇宙船に戻ると、既に全員が揃っていた。
「お帰り、二人とも〜!」
 チャーリーは嬉しそうに笑うと、暖かく出迎えてやる。
「ただいま、チャーリーさん!」
 幸せそうに笑って応えるアンジェリークは、とても可愛く見えた。
「みんな、すぐに出発の準備を! アンジェリークの体がある位置が判った」
 アリオスの真摯さを含んだ声に、そこにいる誰もが緊張と嬉しさを感じる。
 こんなに良い子をこのままにしては置けないという気分で、彼らは一杯だったからだ。
「それは確かなのか?」
 オスカーは、アンジェリークとアリオスを交互に見渡して、呟く。
「確かだ。”惑星アルテミス”か・・・。美しい星だ。沢山詩が思い浮かびそうだ・・・。僕的には悪くない星だね」
 セイランは、もちろん行くのには、大賛成のようで笑っている。
「アルテミスは、自然に囲まれた、とても美しい、風光明媚なロマンティックな星で、新婚旅行でも有名でして・・・」
 エルンストはパソコンの画面とき合って、固いながらもどこかうれしそうだ。
「さてと、こうしてはいられないぜ?」
 オスカーは早速準備にかかる。
「俺は、食料と、製水タブレット、積めるだけ積めるわ」
チャーリーもすぐに準備に行ってくれる。
「俺はメカの整備だ!」
 慌てて、ゼフェルは機械室へと走っていく。
 誰もがアンジェリークのために、意思団結して。直ぐに出発ができるように手はずを整えてくれる。

 有難う皆さん・・・。
 何て心の温かい方々なんだろう・・・

 アンジェリークは本当に嬉しかった。
 そして、自分の運命を彼らに掛けてよかったとすら思う。

 私は何て幸せ者なんだろう・・・


 準備は二時間ほどで完璧に終わった。
 誰もがアンジェリークの為に奔走してくれる。
 これも、アリオスの力が大きいのだろう。
 全員が持ち場についた。
 残りは、アリオスが操縦席に座るだけ----
 彼はアンジェリークを連れて操縦席に座ると、走行パネルを見つめる。
「惑星アルテミスに向って出発!
 シュヴァルツヴァルトへ!」
 ボタンが押され、宇宙船は舞い上がり、旋廻しながら星の海へと出て行く。
 アンジェリークの希望を乗せて----- 

コメント

アリXアンのSFです。
お久し振りです(苦笑)
惑星アルテミス。
いよいよ身体を探して、次回上陸です!!
わくわく〜