BODY AND SOUL

CHAPTER 15


 ここにいる誰もが武器を構え、乗り込み、表情は引き締まっている。
「いくぜ?」
 アリオスは、ぎゅっとアンジェリークの手を握り締め、何事もないかのように屋敷の上層部を見つめ、呟く。
「うん!」
 それが合図だった。
 トレジャーハンターたちの最後の仕事が、今始まる。
 ただ一直線で、彼らが目指すは、”ラ・ガ”に魂を売り、王とならんとしたアンジェリークの叔父、フェルディナント。
 彼らが庭をつ斬った瞬間、大きなサイレンの音がこだまする。
「不審者侵入!!!」
 高らかな放送が鳴り、否が応でも彼らの戦闘本能を駆り立てた。
 足音がし、次々にボディガードたちが彼らの前に送られてくる。
 その音に、アンジェリークはどうしようもないほどの恐怖がよみがえってくるのが判る。
「アリオス、彼らの力は凄いわ!! その力で宮殿を制圧したの」
「オッケ」
 アンジェリークの危機迫る言葉に、彼は冷静に頷く。
 彼女の脳裏には、あの戦いがよみがえって来た-----
 アルフォンシアを守るために、魂と身体が引き離された、あの戦いを-----



 あの時。
 彼らは、簡単に宮殿を制圧してしまった。
 鍛えられた宮殿の近衛兵を次々に惨殺し、残ったのは、顔に傷を負った連隊長のヴィクトールぐらいだった
 あの力は」尋常ではなかった。

「陛下!!!! 補佐官殿!!! どうかこちらへ!!」

 ヴィクトールは血まみれになりながら、私たちを地下の塔に逃がしてくれ、守ってくれた。
 私は、最後の力をふり絞って、宮殿に結界を張り、その結果・・・、なんとかボディガードたちを外に追い出すことが出来、入ってこられない様にした。
 そして、白い山にいたアルフォンシアが何とか消えうせないようにするのが精一杯だった。
 結果、私の身体と魂は引き離され、レイチェルに映像の身体を作ってもらうことになったのだ-----
 あの力は本当に恐ろしかった------



 アンジェリークは横で自分を守ってくれているアリオスを見つめる。
 彼は、あくまで冷静で、表情を変えない。
 それが頼もしくも、切なくもあった。

 私にはどうして祈ることしか出来ないのだろう・・・。
 だけど祈らせてください・・・。
 アリオス、皆様がどうか無事でありますように!!!

 ボディガードたちがずらりと姿を現す。
 優に二十人はいるだろうか。
「きやがったな?」
 アリオスは、少し楽しそうに呟くと、ガンブレードを男たちに向けて振り下ろし始める。
 それにオスカーが続く。
 遠方にいる敵は、ぜフェルのボウガンや、チャーリーのブーメランエッジで倒し、エルンストとセイランは、短剣で応戦している。
 誰もがこの惑星のために。
 いや、アンジェリークのために、戦っている。

 皆さん。
 私はあなたたちに知り合えて本当に良かった・・・。
 あなたたちと度を出来たことを私は永久に忘れない。

 手にはアリオスの温かさを感じる。
 彼は彼女をしっかりと背中で守ってくれている。
 誰もが、アンジェリークが傷つかないようにと、しっかりと彼女を囲むように守ってくれる。
「うっああああっ!」
 フェルディナントのボディガードたちは、次々に倒されていく。
 呆気ないといってもよかった。

 あれほどの力を誇っていた叔父のボディガードたちが、アリオスたちトレジャーハンターによって、 簡単に倒されていく。
「”ラ・ガ”様私たちに力を!!!」
 まるで神に縋るかのように、ボディガードたちは、口々に”ラ・ガ”の名前を呟く。
 アンジェリークは、その言葉を、しっかりと受け止め、なぜ彼らがあんなに超人的な力を発揮したのか、判ったような気がした。

 全ては”ラ・ガ”の力で-----

 だが、今はもう頼ることは出来ない。
 もう”ラ・ガ”はいないのだ。
 その力のない彼らは、あまり脅威ではない。
 むしろ、アリオスたちの力のほうがずっと上なのだ。
「わあああっ!」
 アリオスたちは面白いように次々にボディガードたちを倒し進んでいく。
「ここは俺たちに任せろ!!! アリオス、おまえはアンジェリークと共に上へ行け!」
「ああ」
 オスカーたちの計らいによって、二人は、階段を上り、叔父フェルディナントがいる部屋へと向かう。
 どこにいるか。
 それはアンジェリークにはわかっていた。
 最上階のペントハウス------
 そこしか考えられない。
 もうここまで来ると、誰も追っては来なかった。
 そう、誰も-----
 そこに行くまでの間も、アンジェリークは全く怖くはなかった。
 アリオスがずっと手を握っていてくれていたからである。
「アリオス、あれだわ!!!」
 アンジェリークはドアを指し、アリオスもそれに頷く。
 二人はドアまで走った後、その前で立ち止まった。
「いよいよだな」
「うん・・・」
 アリオスは、アンジェリークの気分を落ち着けるために、屈んで軽いキスを送る。
「あ・…」
「行こう」
「うん!」
 頬を僅かに赤らめると、アンジェリークはしっかりと彼に頷いた。
 二人は、一緒にドアに手を当て、そこを力強く開ける-----
 そこには、ラガによって全てを吸い取られ、白髪となり、空を見つめているフェルナンドがいた-----
「叔父様…」
 その代わり果てた姿に、アンジェリークは言葉を失う。
 涙がこぼれてきて、何も言うことが出来ない。

 あなたはこのような姿になるために、”ラ・ガ””に魂を売ったの!!!

 言いようのない怒りが胸の奥から込み上げてきて、アンジェリークは、全身を震わせる。
「アンジェ・・・」
 その彼女をアリオスは抱きしめて慰めた。 

コメント

アリXアンのSFです。
結構かかってます(笑)
いよいよ次回は最終回!!!